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紺野出演ラジオ 再現スレ 03.10〜

1 :兄貴の位牌 ◆d2uH1xc2:03/10/26 20:04
紺野あさ美出演のラジオ番組(2003年10月以降)を、
文字起こしで再現するスレッドです。
 
2002年9月24日〜2003年9月23日までに出演したものは、
この板のタンポポ編集部 『OH-SO-RO! 再現スレ』シリーズに起こしてありますので、
ご覧ください。

453 :名無しこんこん :04/05/05 13:24
 
2004.02.16 O.A.
 
--------  ラジオドラマ『ザ☆ベントヤー』 第1夜  --------
 
六本木の街は、私のお母さんです。
 
(クラクションが響く)
 
もっともそれは・・・
そこらにいるような、
穏やかで、暖かいだけのお母さんではなく、
ときに厳しく、ときに騒がしく、
でも、
誰よりもかっこよくて、懐が広い、
そんな大人のお母さんです。

454 :名無しこんこん :04/05/05 13:24
 
(再び、クラクションがけたたましく響く)
男 「おいコラ!弁当屋!
   おい!弁当屋!」
知美「あっ、はい」
男 「クラクション1回鳴らしたら気づけよ!
   何のために六本木の道端に店広げてんだよ!」
美幸「何その言い方」
知美「みゆき!」

455 :名無しこんこん :04/05/05 13:24
 
美幸「あのねぇ、弁当屋弁当屋って、
   ちゃんとうちにはお店の名前があるんです」
男 「店の名前ェ?」
美幸「ほら、車の横にちゃんと、『ザ☆ベントヤー』って。
   ザとベントヤーの間に、『☆』つけて」
男 「なんじゃそりゃ!?
   ってかさ、君たち稼ぎたいんだったら、
   この近くのキャバクラとか行けばぁ?
   弁当作ってるよりよっぽど割り合うよ?」
美幸「かっ、ちーん・・・」
知美「美幸!だめ・・・」
美幸「この『☆』には意味があんだよタコ」
男 「タコぉ!?」

456 :名無しこんこん :04/05/05 13:25
 
知美「美幸、あんた『タコ』ってお客様に・・・
   すいません、この子ちょっと変わってて」
美幸「知美!どっちの味方よ?
   アンタだってこのお店にプライド持ってるんでしょ?
   アタシたち二人で創ったこのお店に」
知美「もちろん持ってるよ・・・
   持ってるけど、今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ?」
美幸「ハァ?何それ。何言ってんの!?
   なんでアタシが間違ってる風な言いかたなわけ?」
知美「そんなつもりないって」
美幸「あーハイハイ。わかりましたよー。
   やっぱり知美は正しいよね?頑張りやさんだもんね?
   アタシは頑固なカワリモノ。
   私がタコでした!私がタコでございます」
知美「美幸・・・」

457 :名無しこんこん :04/05/05 13:25
 
(自転車のブレーキ音)
麻子「配達行ってきましたぁ」
知美「あっ、麻子。ごくろうさま」
麻子「いやー、今度ここら辺でマラソン大会あるんですよね。
   もう交通規制始まってましたよ?
   って二人で何やってんですか?」
知美「『二人』って、そこのお客様」
麻子「いませんよ誰も」
美幸「あ゛」
知美「あっ」
美幸「逃げられた」
知美「まただ、もう・・・」

458 :名無しこんこん :04/05/05 13:25
 
麻子「あっ、美幸さんまたお客さんとケンカしたんだ」
美幸「ケンカじゃなくて抗議」
知美「美幸!
   六本木で移動式弁当屋をやってれば、
   いろんなお客さんがいるのは当たり前でしょ?
   そんなことぐらい、
   二人で始めたときにわかってたことでしょ?」
美幸「んん・・・ん〜、わかってるけどさぁ」

459 :名無しこんこん :04/05/05 13:25
 
麻子「美幸さん、そーゆーときは、
   人生はノリ弁だと思うんですよ」
知美「人生は・・・ノリ弁?」
麻子「ノリ弁って、ふたを開けるとき、
   どうしてもふたの裏側にノリがくっついて、
   イライラするじゃないですかぁ」
知美・美幸「うんうん」
麻子「でも、ノリがびっしり乗ってないと、
   ノリ弁とは言わないじゃないですかぁ」
知美・美幸「うんうん」
麻子「そーゆーことですよ」
美幸「イヤワカンナイヨ」
知美「・・・まぁいいや。
   さぁ、昼休みのOLもひと段落したし、
   家帰って夜の仕込みしよう?」
美幸「うん、そうだね」

460 :名無しこんこん :04/05/05 13:25
 
少女「あのぉ・・・」
知美「あっ、はい、いらっしゃいませ!」
少女「この、ノリ弁デラックスください」
知美「はい。ノリ弁デラックス入りましたぁ!」
美幸「ノリ弁デラックス入りましたっ!」
知美「はいこちら。えー、480円になります」
少女「これ、ここで食べてもいいんですよね?」
知美「えぇ、どうぞ?そちらの椅子で」
少女「どうも」
知美「毎度ありがとうございまーす!」

461 :名無しこんこん :04/05/05 13:25
 
美幸「ねぇねぇ・・・あの子OL?若すぎない?」
麻子「どっかの高校の子じゃないんですか?」
美幸「なんかどっかで見た気がするんだよね・・・」
麻子「六本木ヒルズが出来てから、
   高校生のお客さんも増えましたしね」
美幸「うーん、そうなんだけど・・・」
知美「美幸?何?」
美幸「いやぁ・・・あの子ね・・・」
少女「あぁっ・・・」
美幸「えっ?何?」

462 :名無しこんこん :04/05/05 13:26
 
知美「お客様!どうしました?」
少女「おなか・・・おなか痛い・・・おなか・・・」
知美「えーっ!?だ、大丈夫ですか?」
少女「痛い・・・はぁ・・・あぁっ、病院連れてって?」
知美「美幸!お客様を!」
美幸「えっ、ど、どど、どうしよう、
   だってアタシの作ったお弁当で・・・」
少女「いたぁい!」
美幸「あー大変!このお店が営業できなくなっちゃう!
   ごめん、ごめんね知美、アタシのせいで・・・」
知美「あーもう美幸!
   そんなこと言ってる暇ないから!
   早くお客様を病院に運ばないと!」

463 :名無しこんこん :04/05/05 13:26
 
麻子「早く乗ってください!」
(麻子、自転車を用意する)
知美「自転車じゃダメだって!車!美幸、車出して?」
美幸「あっ・・・う、うん、わかった・・・」
少女「・・・いたぁい・・・・・・あぁ・・・」
知美「お客様、我慢してください・・・
   お客様、今、車で病院にお連れしますから・・・」
(美幸、知美・麻子・少女を乗せて病院へ急ぐ)

464 :名無しこんこん :04/05/05 13:28
 
私たちは、六本木で、
『ザ☆ベントヤー』という、お弁当屋さんを開いています。
 
そこは、お弁当屋という名の、
人生の交差点。
 
------------------  第1夜 終  ------------------

465 :名無しこんこん :04/05/05 13:28
 
2004.02.17 O.A.
 
--------  ラジオドラマ『ザ☆ベントヤー』 第2夜  --------
 
私たちは、六本木で、
『ザ☆ベントヤー』という、お弁当屋さんを開いています。
 
そこは、お弁当屋という名の、
人生の交差点。

466 :名無しこんこん :04/05/05 13:28
 
美幸「知美、本当にごめん・・・私のせいで・・・」
知美「もういいから。大丈夫だよ、きっと」
麻子「そうですよ。お客さん、おなか痛いだけですし」
美幸「でもアタシの作ったお弁当で、お客さんが腹痛起こすなんて、
   弁当屋失格だよ・・・
   アタシいつも偉そうなこと言ってるのに、いつも・・・(涙ぐむ)」
知美「あーもう、美幸、泣かないの・・・
   ね?こんな所で」
美幸「・・・こんな所で?」
知美「うん。病院で泣いていいのは、大切な人を亡くしたときだけ。
   お母さんとかね」
美幸「あっ・・・知美の・・・おかあ、さん?」
知美「あんまり思い出したくないんだ、あのときの病院のことは。
   だから、ね?泣くのよそう?」
美幸「・・・うん。ごめん」

467 :名無しこんこん :04/05/05 13:28
 
麻子「大丈夫ですよ。
   人の運命は、タコライスみたいなものですよ」
知美「タコライス?」
麻子「タコライスって、ぱっと聞くと、
   タコが入ってるみたいじゃないですかぁ」
知美・美幸「うんうん」
麻子「でも実は、『タコス風ライス』の略で、
   タコは入ってないじゃないですかぁ」
知美・美幸「うんうん」
麻子「でも、おいしいですよねぇ」
美幸「エ、結論ガソレカヨ」
知美「ふふっ、美幸、その調子」
美幸「あぁ・・・だねっ。うん」

468 :名無しこんこん :04/05/05 13:34
 
(診察室から医師が出てくる)
知美「あっ、先生、お客様の容体は?」
医師「お客様?あぁ、さっきの女の子ね」
知美「はい」
医師「『トイレに行く』って言って、それから見当たらないんだけど・・・
   君たち、お知り合い?」
知美「ええっ?いなくなったんですか?」
美幸「やられた・・・」
麻子「元気になったんですね」
美幸「違うよ!」
知美「食い逃げされた・・・」

469 :名無しこんこん :04/05/05 13:34
 
(病院の入り口の前)
少女「・・・チャリ、チャリは・・・
   あっそうだ、弁当屋のバンに自転車があったはず・・・
   えっと・・・あっ、これこれっ。
   『ザ☆ベントヤー』。
   あっ、キー挿しっぱなし!ラッキー!
   (勢いよく車に乗り込む)
   せっかくだから、車もちょっと借りちゃおっかな。
   (エンジンをかける)
   マヌケな弁当屋さん、ごめんなさーい♪」

470 :名無しこんこん :04/05/05 13:34
 
知美「待って!」
少女「えっ?」
美幸「待てこら食い逃げ!」
麻子「車泥棒もですよ?」
美幸「あ、んんんん!とにかく待てタコ!」
少女「しまった、バレたか・・・」
知美「お願い、待って!」
少女「待てって言われて誰が待つか。」
(車の横を思い切り蹴られる)
少女「うわっ!」
知美「美幸!蹴らないで!」
美幸「だってこいつ許せない!」
少女「へへへ、じゃ〜ね〜♪」
(少女、3人をあざ笑うように車を出す)
知美「待って!」
美幸「危ない!」
少女「えっ?」
(少女、慌てて急ブレーキをかける)

471 :名無しこんこん :04/05/05 13:34
 
そのとき私は、何も考えずに、
バンの前に仁王立ちして、
大きく手を広げました。
 
ただただ、私たちの大切なものが、
失われるのが我慢できなくて・・・

472 :名無しこんこん :04/05/05 13:34
 
少女「・・・バカじゃないの」
知美「お願い、今やめてくれれば怒らないし、
   誰にも言わないから車を返して!私たちの車を!」
美幸「ちょっとアンタ、窓開けなさいよ!」
(運転席のウインドーが開く)
少女「どいてよ!アクション映画か何かのつもり?」
知美「これは映画じゃない!現実よ!
   だからこうして体を張ってるの!」
少女「なにカッコつけたこと言っちゃって・・・」

473 :名無しこんこん :04/05/05 13:35
 
美幸「ねえ知美、警察呼ぼう?」
知美「ダメ」
美幸「なんで!?」
知美「だってそんなことしたら、この子がやり直せなくなる!」
少女「・・・やり直す?」
知美「あたしたちだって、
   このお弁当屋が出来たからやりなおせたんじゃない。
   落ちこぼれて、高校卒業してもやることなくて、
   でもあたしたち、このお弁当屋が出来たから、
   なんとかやり直せたんじゃない」
美幸「知美・・・」
知美「だからあなた、何があったかわかんないけど、
   エンジン止めて、車を降りて!
   まだやり直せるから」
少女「・・・やり直す・・・」

474 :名無しこんこん :04/05/05 13:35
 
麻子「ねぇあなた、人生ってカレーライスだよ?」
少女「・・・何よいきなり」
麻子「カレーって、一回冷めても、翌朝に温めなおすと、
   別のおいしさがあるでしょ?」
少女「・・・・・・うん」
麻子「そーゆーこと」
美幸「ヤ、ダカラ意味ワカンナイッテ」
知美「あっ・・・止まった」
(少女、車を降りる)
美幸「アンタねぇ」
少女「(美幸の言葉をさえぎって) わかった」
美幸「ハイ?」
少女「アタシには、なんかわかる、そのたとえ」
麻子「でしょ?」
知美「ふふ、麻子お手柄」
 
------------------  第2夜 終  ------------------

475 :名無しこんこん :04/05/05 13:47
 
2004.02.18 O.A.
 
--------  ラジオドラマ『ザ☆ベントヤー』 第3夜  --------
 
私たちは、六本木で、
『ザ☆ベントヤー』という、お弁当屋さんを開いています。
 
そこは、お弁当屋という名の、
人生の交差点。

476 :名無しこんこん :04/05/05 13:48
 
知美「はい、ここ。あたしと美幸の部屋。
   奥のキッチンは、お弁当屋の仕込み場所」
少女「・・・はぁ・・・」
美幸「はぁ・・・じゃないでしょ?
   人の部屋に入るときは、『おじゃまします』」
少女「うっさいなぁ、オバサン」
美幸「ハァ?オバサンって何よ、アタシまだ21よ」
少女「アタシ18」
美幸「大して変わんないじゃんよー」
少女「怒ると眉間にシワが増えるよ?」
美幸「このタコ、言わしておけば・・・」
知美「ちょ、ちょっと美幸・・・年上なんだから、冷・静・に」
美幸「アンタまで年のこと言わないでよ!
   だいたい、こんな家出娘を自分ん家に泊めてやるなんて、
   知美甘い!」

477 :名無しこんこん :04/05/05 13:48
 
少女「うわっ!冷蔵庫なーんも入ってない!」
美幸「勝手ニ開ケルナ」
少女「あっ、プリン見っけー♪」
知美「プリン?そんなのあったっけ」
美幸「あ・・・いやぁ・・・アタシ昨日買って、取っておいた・・・」
知美「ああー、ずるーい!自分だけ」
美幸「いや、その、知美、プリンってダメな人じゃなかったっけ・・・」
知美「大好物。」
美幸「プリンにトラウマがあるって言ってなかったっけ?」
知美「言ってない。」

478 :名無しこんこん :04/05/05 13:48
 
美幸「は、はは・・・・・・だよね♪
   実はさぁ、あとで二人で分けるつもりでぇ・・・・・・」
少女「プリンなんて久々に食べるなあ」
美幸「食ウナヨ」
少女「でもあんまおいしくない」
美幸「食ウナラ褒メロ」
知美「ふふふっ・・・なんか二人、いいコンビ」
美幸「全ッ然嬉シクナイ」

479 :名無しこんこん :04/05/05 13:48
 
知美「あっ、そうだ。あなた、名前は?」
少女「・・・・・・『こん』」
知美「こん!?」
美幸「変な名前!」
少女「五月蝿い美幸」
美幸「呼ビステスルナ」

480 :名無しこんこん :04/05/05 13:48
 
知美「『こん』、ね。まぁいいや。
   じゃあ、こんちゃん、今夜は泊まっていいから。
   明日の朝、ご両親に電話するよ?」
こん「・・・ノリ弁」
知美「えっ?」
こん「ノリ弁、食い逃げした話、お母さんにする?」
知美「大丈夫、しないから」
美幸「ホント知美甘いよ・・・」
知美「あんたねぇ、自分が高校のときどんだけ悪いことしたか、
   こんちゃんに教えてあげようか?」
美幸「うっ・・・」
こん「悪いこと?」

481 :名無しこんこん :04/05/05 13:49
 
知美「あのね、美幸ってね、高校のとき、
   嫌いな先生の家の窓からワニ・・・」
美幸「アアアアアア言わないでえええええ!わかったわかった!
   だからその話ほんっとに、
   絶対引かれるからよしたほうがいいって」
知美「ははははっ、まぁ似たもの同士じゃない?」
美幸「わかったよ、わかったからもう・・・」
こん「お風呂」
美幸「ん?」
こん「お風呂、借りる」
知美「あっ、いいよ。その奥」

482 :名無しこんこん :04/05/05 13:49
 
(こん、湯船につかっている)
こん「はぁ、疲れた・・・こんなお風呂久々だ・・・」
(脱衣所から知美の声)
知美「こんちゃん」
こん「(慌てて扉のほうを向く)あっ、えっ、何」
知美「バスタオルとジャージ、ここ置いとく」
こん「・・・・・・ありがと」
知美「えっ?なんか言った?」
こん「・・・ありがとって言ったの!」
知美「あっ、あははっ、うん。どういたしまして」

483 :名無しこんこん :04/05/05 13:49
 
こん「あーあ・・・」
知美「何?」
こん「知美が、お母さんだったらよかったな」
知美「・・・こんちゃん?」
こん「アタシのお母さん、っていうか、お母さんしかいないんだけど、
   仕事場でしか顔合わさなくって・・・」
知美「えっ、仕事場?一緒に働いてるの?」
こん「あっ、ま、そんなとこだけど・・・
   たまに口を開けば、
   『食事はちゃんと考えて摂れ』とか、
   『男友達は絶対にマイナスになるから作るな』とか、
   そんなのばっか・・・もう飽き飽き」

484 :名無しこんこん :04/05/05 13:49
 
知美「飽き飽き?」
こん「うん。あのお母さんもう飽きた。取っ替えたい」
知美「・・・・・・」
(知美、突然扉を開ける)
こん「何!」
知美「もう一回言ってみなさいよ!
   お母さんを取り替えたい?ふざけないでよ!」
こん「何よ・・・」
知美「取り替えられるなら、あんたの母さん、
   あたしにちょうだいよ!」
(知美、そう言ったきり扉を閉める)
こん「何よ・・・・・・」

485 :名無しこんこん :04/05/05 13:50
 
(美幸、ベランダへ出る)
美幸「あぁっ、寒い・・・何やってんのベランダで」
知美「いや、ちょっとね・・・明日のメニュー、考えてた」
美幸「ふーん。なんか大声出してたけど、大丈夫?」
知美「大丈夫、なんでもない」
美幸「うん。じゃあ、ハイこれ」
知美「えっ?これ・・・」
美幸「プリン」
知美「美幸・・・」

486 :名無しこんこん :04/05/05 13:50
 
美幸「今走って、コンビニで買ってきた。
   言ったじゃん、二人で食べようと思って買ったって。
   アタシ嘘つくの嫌いだから、これで嘘じゃないでしょ?」
知美「・・・美幸、いい奴だおまえ」
美幸「あったりまえじゃーん。
   ってか、プリンで泣かないでよ?泣いたら引くよ?」
知美「泣くか、タコ」
美幸「ふふふふっ」
 
------------------  第3夜 終  ------------------

487 :名無しこんこん :04/05/05 13:50
 
2004.02.19 O.A.
 
--------  ラジオドラマ『ザ☆ベントヤー』 最終夜  --------
 
出演
知美・・・・・・・・矢口真里
美幸・・・・・・・・藤本美貴
麻子・・・・・・・・小川麻琴
こん・・・・・・・・・紺野あさ美

488 :名無しこんこん :04/05/05 13:50
 
私たちは、六本木で、
『ザ☆ベントヤー』という、お弁当屋さんを開いています。
 
そこは、お弁当屋という名の、
人生の交差点。

489 :名無しこんこん :04/05/05 13:50
 
(知美と美幸の家。朝早くチャイムが鳴る。
 知美、眠そうにベッドから起き上がる)
知美「あぁ、はい・・・」
(チャイムがせわしなく鳴り続ける)
知美「まだ5時半じゃない・・・ねぇ、美幸出てよー」
美幸「zzz」
知美「なんでこれで寝てられるわけ?
   ・・・・・・はいはい、出ます!出ますから・・・
   うぉぉ、寒ぅ・・・」

490 :名無しこんこん :04/05/05 13:51
 
(知美がドアを開けると、麻子がそこに立っている)
麻子「おはようございます、知美さん」
知美「麻子!何よ、こんな朝早くから・・・
   今日の弁当の仕込みは8時からって言ったでしょ?」
麻子「朝刊」
知美「朝刊?」
麻子「見てください、この記事」
(手に持った新聞を知美に差し出す)」
知美「何よ、また電撃結婚かなんか?もう・・・えーっと・・・
    ・・・えっ、これ・・・」
美幸「マージデェ!?」
知美「うぉっ!美幸いつの間に」
美幸「この写真、あの、昨日から泊めてるあの子・・・」
知美「うん。こんちゃん・・・」

491 :名無しこんこん :04/05/05 13:51
 
それは、確かに、
私たちが昨日、
食い逃げに遭いそうになったところを捕まえて、
とりあえず一晩部屋に泊めているあの子、
こんちゃんの写真でした。

492 :名無しこんこん :04/05/05 13:51
 
彼女は数日前、
アメリカでの4年にわたる留学から、
母親とともに帰国したばかりの、
世界的マラソンランナー、
島崎奈津子、その人でした。

493 :名無しこんこん :04/05/05 13:51
 
(知美、その記事を読んでいく)
知美「えーっと、
   『明日の東京ワールドマラソンに向けて
    調整中の島崎奈津子は、
    現在都内で極秘練習に励んでいるものと思われるが、
    その所在は掴めていない。』」
麻子「いますよね、ここに」
美幸「あっ、それでどっか見覚えがあったんだ」

494 :名無しこんこん :04/05/05 13:51
 
知美「えっと、
   『彼女のコーチでもある、母親の久美さんも、
    彼女の調整については口を閉ざし、・・・』
   そっか、お母さんコーチだったんだ。
   それでいろいろ締め付けられて・・・」
美幸「それで、帰国のドサクサに、家出・・・」
知美「財布も持ってなかったし」
麻子「足が速いですからねぇ」
美幸「走って逃げたわけじゃないって」
知美「アメリカ、4年も行きっぱなしだったんだ・・・」

495 :名無しこんこん :04/05/05 13:51
 
こん「正確には4年と15日」
知美「こんちゃん・・・」
こん「別に長さはいいんだけどね。
   でも、日本を出る前と、帰ってきてから、
   違うことが一つだけあったの」
知美「違うこと?」
こん「帰ったら、お父さんいなくなってた」
美幸「えっ・・・」
こん「離婚。
   お母さんは有名なマラソンランナー。
   お父さんはただのサラリーマン。
   きっともともと無理な関係だったんだよね」
知美「・・・こんちゃん・・・」

496 :名無しこんこん :04/05/05 13:51
 
こん「"con(こん)"って、英語で、どんな意味か分かる?
   『囚人』ってこと。檻の中の人」
美幸「・・・檻の中?」
こん「そう。
   マラソンに囚われて、お母さんに囚われて、
   アタシ、子供の頃からずっと狭い檻の中だった。
   走って走って、
   そのまま遠くに逃げてしまいたいって、
   私いつも・・・」
知美「ノリ弁」
こん「えっ?」
知美「ノリ弁」
美幸「知美何言ってんの?ノリ弁って」

497 :名無しこんこん :04/05/05 13:52
 
知美「そうか、だからノリ弁だったんだ」
こん「だから、って・・・」
知美「アメリカに4年も行って、
   日本の味、恋しかったんでしょ?
   ノリとかお醤油とか。
   だから、ノリ弁」
美幸「食い逃げだったけどね」
麻子「美幸さん、しっ」

498 :名無しこんこん :04/05/05 13:52
 
こん「お母さん、食事制限があるからって、
   私の食事、全部栄養士任せだった。
   カロリーとかビタミンとか、そんなものばっかり気にして、
   いつも人の作った料理で・・・
   そんなの愛情じゃない!
   お母さんだったら、
   アタシの食べたいものを食べたいだけ作ってくれる。
   そんなのお母さんじゃない・・・」

499 :名無しこんこん :04/05/05 13:52
 
知美「ねぇ、こんちゃん?
   お母さんの愛は、きっと・・・ノリ弁なんだよ」
こん「だからノリ弁は・・・」
知美「ううん、聞いて?
   ノリ弁って、ふたを開けると、
   ふたの裏に、全部ノリがくっついちゃうでしょ?」
こん「・・・うん」
知美「ご飯の上に、何も乗ってないように見えるよね」
こん「・・・うん」
知美「でも、よく見て?
   ふたの裏に、ちゃんとノリで文字が書いてあるはず。
   お母さんからのメッセージが」
こん「お母さんからの・・・メッセージ」
知美「そう。『ガンバレ』って」
こん「・・・・・・『ガンバレ』?」

500 :名無しこんこん :04/05/05 13:52
 
知美「裏表が逆になってるから、読みにくいけどね」
こん「ガンバレ・・・」
知美「それに気づいてあげられるのは、
   心のふたを開けた人だけ」
こん「(少し涙を浮かべて)・・・私・・・」
美幸「(号泣する)ともみちゃあああああああん!」
知美「何よ美幸ぃ!」
美幸「(しゃくりあげながら)
    いい話だよぉ!そうだぁ!ノリ弁だよぉ!」
麻子「私の話のパクリですけどね」
美幸「うるさぁいぃ!」

501 :名無しこんこん :04/05/05 13:52
 
こん「知美さん」
知美「何?」
こん「・・・ありがとうございました。
   私、帰ります」
知美「もちろん」
こん「お母さんのところへ。明日大会だし」
知美「そうだね。うん」
こん「大会終わったら、ノリ弁、食べに来ていいですか?」
知美「おう、待ってるから」
美幸「(涙をぬぐいながら)今度は、お金払ってね」
こん「ふふっ。はい、優勝賞金で」
知美「もちろん!」
 
---------------------  完  ---------------------

502 :名無しこんこん :04/05/05 14:11
 
2004年2月16日〜19日
ニッポン放送『知ってる?24時。』
ラジオドラマ『ザ☆ベントヤー』
 
>>452
 
第1夜
>>453 >>454>>455>>456>>457>>458>>459
>>460>>461>>462>>463 >>464
 
第2夜
>>465 >>466>>467>>468
>>469>>470>>471>>472>>473>>474
 
第3夜
>>475 >>476>>477>>478 >>479>>480>>481
>>482>>483>>484 >>485>>486
 
最終夜
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