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朝起きたら自キャラになってた:避難所
- 1 :Furcifer ◆MwNTY7GtwI :06/08/14 18:16:42 ID:xE5Y6dr0
- 朝起きたら自キャラになってヴァナにいた。。。という前提で
ストーリーを作っていくスレ、の避難所です。
前提さえ満たしていれば、大抵どんなブッ飛んだ設定で物語を展開してもおk!
基本的に作者様毎の物語はそれぞれ別物です。互いに矛盾や理不尽があってもおかしくないです。
あと、ででおの話を書かれても構いませんが、ででおの話を書く趣旨のスレじゃないです。
保管庫
ttp://ss.ga4.net/
ttp://wiki.livedoor.jp/jikyaramatome/d/FrontPage
前スレ(保守し損ねましたごめん…! orz)
お題:自キャラになった、でお話を書くスレ12(dat落ち)
http://live19.2ch.net/test/read.cgi/ogame/1153151289/
さしあたってこちらに避難&誘導させていただきます。
ネ実に13を立て直すか、ここを13として続けるかはそれから考えましょう。
- 251 :775 ◆dWeYTO/GKY :07/01/28 18:09:23 ID:???
- や〜ん、わたし愛されてる♪
「なんでそこで身悶えするわけ?」
あ、うっ…うるさいな。してないってば。
「事情は分からないけど、彼が本当の事を言ってないのは間違いないと思う」
立ち上がる。
リュトはわたしの顔を見上げて、呆れ顔をした。
「世話がかかるわね……。わたしほどじゃないにしても、少しは相手の本音を読まなきゃ、鬱陶しい女だって思われちゃうわよ」
指で鍵の形を作って、笑う。盗賊の職業柄、自分は人を見る目がある、とか言うつもりなんだろう。
現金なもので、少し光明が見えたら、もうそんなからかうような仕草も全然気にならなかった。
「何をするか、見えたみたいね」
「うん、もう一度、バストゥークに行ってみる」
力強く頷いた。そうと決まれば、準備をしなきゃ。
「でも、ホントに彼が金持ち引っ掛けて財産目当てに結婚するんだったらどうするの?」
「引っ掛かる事はあっても、ヒロから引っ掛ける事なんて絶っ対にないから!」
リュトはまた、陽気に笑う。
「もしそうだったら、先に孕んで責任取らせちゃえばいいのよ。ヒュームの国では、そーいうしきたりあるんでしょ?」
わたしは、今度こそ言い訳のしようもないくらい真っ赤になった。
リュトは腹を抱えて笑った。
- 252 :775 ◆dWeYTO/GKY :07/01/28 18:10:14 ID:???
- いじょ。
ナナコ編は775のコテハンでいきます(´・ω・`)ノ
- 253 :(・∀・):07/01/28 23:00:24 ID:lYCtCR22
- 「朝起きたら自キャラになっていた」物語17.5
http://live25.2ch.net/test/read.cgi/ogame/1169992803/
- 254 :(・∀・):07/01/28 23:06:34 ID:???
- じ、じぅななてんご・・・
- 255 :(・∀・):07/01/28 23:35:57 ID:lYCtCR22
- 落ちたのd
これでいいじゃn
- 256 :(・∀・):07/01/29 09:50:33 ID:???
- とりあえず、こんなスレageんなヴォケ。
- 257 :(・∀・):07/01/29 21:09:35 ID:???
- _ _ ∩
( ゚∀゚)彡 イージャン! イージャンスゲージャン!
⊂彡 イージャン! イージャンスゲージャン!
- 258 :(・∀・):07/01/30 18:46:56 ID:???
- なんか可愛いw
んだが内藤たちは?
- 259 :(・∀・):07/02/16 19:36:08 ID:???
- 17.5、落ちました・・・
この時期、保守がきついです(つД`)
- 260 ::(・∀・)::07/02/18 19:06:22 ID:+2DHf5EH
- こっちも落ちたら困るからあげとくー
- 261 :(・∀・):07/02/20 04:39:46 ID:???
- 上げんでも落ちんよ・・・この板は・・。
- 262 :775 ◆dWeYTO/GKY :07/03/13 06:05:06 ID:???
- 翌日早く、わたしはバストゥーク行きの飛空艇の停泊する桟橋にいた。
バストゥークを始め、ジュノ港と世界中各地を結ぶ飛空艇の定期便は数多くある。だけど、わたし達冒険者が利用できるのは後衛の貨物船だ。
もちろん高い旅費を出せば旅客用の飛空艇に乗ることも出来るんだけど、少なくともそんなお金わたしは持ってない。
ヒロだったらきっと、旅客用の飛空艇で一番高級な部屋だって借り切る事が出来ると思うんだけど、彼はわたしといる時決まって、今停泊しているような小振りの貨物船を利用していた。
ハッチを兼ねたタラップに飛び乗って、船室へと入る。
出港まであと三〇分くらいあるんだけど、船室はバストゥークへと向かう冒険者でごった返していた。
裏世界、とかいうところに挑む相談で盛り上がるグループの作戦会議を適当に聞き流しながら、部屋の隅を自分のスペースに決めてそこに陣取る。
船室は元々貨物用。カーゴルームに積みきれなかったコンテナが三つ四つある他は、座席も何もない。
冷たい床にケープを敷いて、サックから道中必要なものを確認する。
飲み物とつまむおやつ、よし。
カイロと中の炎クリ、よし。
暇つぶし用の恋愛小説、よし……。
うん、忘れ物はないみたい。どれも絶対必要な物って訳じゃないけど、忘れたら道中この殺風景な船室に篭ってなきゃならなくなる。ま、忘れててももうどうしようもないんだけどね。
この小説はわたしのお気に入り。大好きな作家さんが書いた話で、エルヴァーンの赤魔道士と、ヒュームの女の子が身分の違いを乗り越えて結ばれる物語。
繰り返し読み返してずいぶん痛んじゃった。エルヴァーンの性格がぶきっちょで、ちょっとヒロに似てるの。ヒロもエルヴァーンだったらよかったのにな、なんて。
荷物の確認をして、離水するまで座ってようかな…と壁を背に振り向いたところで見慣れた後姿を認めて、思わず口に出しちゃった。
「ヒロ?」
- 263 :775 ◆dWeYTO/GKY :07/03/13 06:06:10 ID:???
- 行ってすぐ気づく。全然別人。
(──な、わけないか)
心の中で呟いて、ちょっと舌を出す。
どこをどう見間違えたのか、その人はエルヴァーンだった。ヒロのワーロック装備にちょっと似てるけど、それだけ。全然似てないの。
一週間にもならないのに、禁断症状? わたしったら、愛しすぎ?
そんな事を考えてると、そのエルヴァーンは振り向いてこちらを見た。
エルヴァーンらしい美形で、ちょっと目つきがワルっぽいの。あ、やっぱりちょっとヒロに似てるかも。
何でもかんでもヒロに見えちゃうわたしったら、愛しすぎ?
「おれの事呼んだの、きみ? ……ごめ、どこかで会ったっけ?」
何を言ってるのか一瞬理解できなくて、思考が固まる。
この人も、ヒロって言うのかな。わたしは手を振って否定すると、頭を下げた。
「ご、ごめんなさい。知り合いに似てたから……。人違いでした」
エルヴァーンの帽子が改めて視界に入る。あ、あれデュエルシャポーだ。随分前にヒロが欲しがってたやつ。
「でも、ヒロって……」
「貴方もヒロさんて言うんですか? ごめんなさい」
ヒロと名乗るエルヴァーンはわたしを指差して口をもごもご動かすと、帽子の上から頭をぼりぼりかいて、そのまま人ごみの向こうに消えていった。
そんな仕草も、ヒロに似てる。
いい加減重症だなんて苦笑しながら、わたしはそんな感想を抱いた。
やがて、出港を告げる警笛が鳴った。
- 264 :775 ◆dWeYTO/GKY :07/03/13 06:07:24 ID:???
- 「あのさ、隣いい?」
冷たい風が吹き荒ぶ甲板で、不意に後ろから声を掛けられた。声の主は、さっきのエルヴァーンだった。
飛空艇は出港後すぐ離水し、巡航高度に達するまでの間、揺れるし危険だという理由で船室から出ちゃいけない事になってる。
丁寧に鍵まで掛けるんだけど、あんなグラグラ揺れる中でわざわざ船内を探検しようなんて命知らずいるのかな。
わたし初めて飛空艇に乗った時、興奮して歩き回ってたんだけど、案の定大転倒して、ヒロに笑われちゃった。
巡航高度に達したらもうほとんど揺れないから、わたしはいつも甲板に出る。
風が強いし寒いんだけど、空から見る景色が好きなんだ。
「あ、さっきは済みませんでした」
カイロを両手で挟んで祈るような仕草をしながら、先ほどの非礼を詫びる。カイロには晶力を活性化して熱を放つ炎クリが入っていて、大体丸半日くらい暖かい。
飛空艇での旅が八時間くらいだから、空にいる間はずっとあったまっていられる。
「いや、いいよ」
エルヒロさん(エルヴァーンのヒロさんの方を、わたしはそう呼ぶ事にした。もちろん口には出さないけど)は決まり悪そうに再び頭を掻くと、
「誰が悪い訳でもないから」
うん、やっぱりヒロに似てる。
「で、隣いいかな?」
自分の事を観察するあたしの視線が恥ずかしいのか、エルヒロさんはシャポーの鍔を引き下げて目元を隠すと、両手を広げて微笑んだ。
「ヒロ繋がりって事で、さ」
- 265 :775 ◆dWeYTO/GKY :07/03/13 06:12:23 ID:???
- 後衛の貨物船って…釣りララキープしたりリフレくれたりするのか…
公営ですね(つд`;)
- 266 :(・∀・):07/03/15 18:08:39 ID:???
- 高レベルの詩人は後衛じゃないとおもう。陽動役兼鼓舞役。
まんま音楽部隊だね。あと下げておきましょうぜ。
- 267 :(・∀・):07/03/18 16:16:08 ID:???
- やべえええ避難所もっと早く見に来るべきだったw
ナナコたんかわいいよかわいいよナナコたん
そしてどうするオスラヒロ
自分のフェローまで寝取られたらえらいこっちゃ
- 268 :(・∀・):07/03/19 18:49:51 ID:???
- 本スレのアクセス規制解けない…
代わりにこちらに投下
- 269 :(・∀・):07/03/19 18:50:26 ID:???
- 「ん…今何時……」
薄暗い部屋の中で目を覚ました。
昼近くまで外人と組んでレベル上げして、それから寝たから、今は夕方かな。
毛布から手だけ出して、時計を探り当てる。……あった。
いつもの調子で時計を掴んで手繰り寄せると、何故かミシッと嫌な音がした。
「あれ…なんか割れてる。まだとったばっかりなのになぁ」
文字盤のカバーが割れている。デザインが可愛かったから、タクヤにねだって取ってもらったのに。やっぱりUFOキャッチャーの景品なんていい加減な作りなんだ。
「……ってヤバっ! もうこんな時間!?」
タクヤが来る時間じゃない!
毛布を跳ね除けて飛び起きる。ベッドが酷くきしんだ。
多分今ひどい顔。取り敢えずシャワーを浴びて……
ショーツに手を伸ばして、そこで私は初めて異変に気づいた。
肌が異様に白い。元々引きこもってるから色白だったんだけど、少なくとも私こんなムキムキじゃなかったはず。
第一着てるものも違う。ショーツとTシャツだけしか着てなかったはずなのに、黒っぽいベルトの、なんていうかSMっぽい格好。
ううん、それより何より……
- 270 :(・∀・):07/03/19 18:51:06 ID:???
- 私はユニットバスに走った。
尻尾が大きく振られて、サイドボードに飾ってあった観葉植物が砕けて散乱する。
だけど、それを気にする余裕はなかった。
洗面所に備え付けの鏡には、ライオンみたいな顔が写っていた。
「何これ……ガルカ?」
この非常事態に比べたら、貰い物で名前もよく知らない鉢植えの最期なんて瑣末な問題だ。
その時、玄関のチャイムが鳴った。
タクヤだ……ど、どうしよう! 取り敢えず居留守を使って……。
おろおろしていると、ドアノブに何か差し込まれる音。
「まだ寝てんのかよ、ったく」
ちょwwwwwwwwwまってwwwwwwwwwwwwwwwww合鍵はまずいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
頭の中で「w」を並べてみるけど、事態はちっとも改善しない。
やがて鍵が開いたらしい、外の人物がドアノブに手を掛けたのに気づいて、私は慌ててドアノブを握り締めた。
ボギン、と情けない手ごたえがあって、ドアノブが根元から折れる。
私は折れたドアノブを拳銃みたいに握り締めたまま、来訪者と向き合う事になった。
見慣れた革ジャン。見紛いようもないくらい、やってきたのはタクヤだった。
- 271 :(・∀・):07/03/19 18:51:36 ID:???
- お互いしばらく無言だった。沈黙を破ったのはタクヤの方だった。
「誰だてめェ!」
怒ってる。当然だ。彼女の部屋に来たら、見知らぬ半裸の大男がいたんだから。
「い、今は帰って」
私の声は野太かったけど、自分でも震えているのが分かった。心細かったけど、タクヤが今ここにいてくれたら心強いけど、駄目だ。何をどうやっても納得してもらえる気がしない。
「ふざけんな! 香織に会わせろ、奥にいるんだろ!」
「声が大きい。もうちょっと静かに、落ち着いて……」
このアパートは学生が多い。講義がないなら部屋にいるかもしれないし、そうでなくてもサークルとかバイトがない人はそろそろ帰ってくる時刻だ。
タクヤがこんな風に声を荒げるのは初めてだ。いつも笑って曖昧な態度を取る人だったから、タクヤの激昂ぶりに私の混乱はますます加速した。
「落ち着けるか、バーカ!」
「彼女なら大丈夫だから……」
タクヤが私のハーネスを掴んで詰め寄る。けど、体格差がありすぎてタクヤがぶら下がってるようにしか見えない。
タクヤが私にぶつけてくるのは敵意だけど、今はタクヤの体温がすごく懐かしい。なんだかグッときて言葉に詰まってしまった。
「ふざけんな! 香織は俺の女だ、会って話を聞くまで帰れねえ! 顔を見るまで安心できるか!」
ああ、駄目……。耐えられない。
タクヤが私の事そんなに思ってくれてたなんて。わたしは思わず、タクヤの事を力いっぱい抱きしめていた。
タクヤ、タクヤ! タクヤならきっと分かってくれるよね。疑ったりしてごめんね。全部話すから、私あなたに守ってもらうから。だからずっと一緒にいてね!
ミシミシという音がして、タクヤが泡を吹きながら何か叫んでいたけど、私は自分の気持ちを止められなかった。力を緩めたらタクヤがいなくなってしまう気がして、手を離す事なんて出来なかった。
三〇秒後、サバ折りでボロボロになった革ジャン姿の雑魚がいた。
- 272 :(・∀・):07/03/19 19:09:35 ID:???
- 乙女ってかわいいです(/ω\)
- 273 :775 ◆dWeYTO/GKY :07/03/20 03:36:44 ID:???
- 「バストゥークには、何の用事で?」
エルヒロさんが、風で髪が暴れるのに少し顔をしかめながら訊ねた。
「ヒロさんは、どんな用事なんですか?」
どう答えたものか思案して、わたしは質問に質問を返す。
日は出ているのに、すごく寒い。風が冷たすぎるからだ、と思う。
エルヒロさんは少し気に食わないという感じで片方の眉を跳ね上げると、
「変態馬鹿上司を迎えにね」
飛空艇の手すりに背を預け、肩をすくめる。
まったく敬意の感じられない口調に、わたしは思わず笑ってしまった。
「折角飛空艇なんてものに乗ってるのにさ、仕事しごとシゴト。やんなっちゃうよ」
少し悪戯な感じで、エルヒロさんも笑う。
「で、君は?」
本題、といった感じに身を乗り出して、今度はわたしの番だと態度で示す。
こんな事言っちゃっていいのかな、と少し迷ってから、結局わたしはちゃんと説明する事にした。
「恋人を迎えに行くんです」
あまり正確ではないかもしれないけど、少なくともわたしはそのつもりなんだから、嘘じゃないよね。うん。
「へぇ、そうなんだ」
エルヒロさんの顔に、ちょっとだけ失望の色が浮かぶ。
結局ナンパ? エルヒロさんいい人だけど駄目。ごめんね、わたしヒロのものなんだから。わたしはそんな思いあがった事を考えて、心の中でちろっと舌を出した。
- 274 :775 ◆dWeYTO/GKY :07/03/20 03:37:08 ID:???
- 「彼もヒロって名前なんだ? エルヴァーンの彼氏ねぇ」
テンションががくがくと下がるのを取り繕うみたいにして、エルヒロさんが笑う。
「ううん、違うの。自分でもどうして間違えたのか分からないけど」
わたしは後手に手を組んで、気恥ずかしさを隠す為にうつむき加減で首を振る。
「でも、なんだか似てる」
「そっか。まぁ、種族違うと色々分かり合えない部分もあるからね。その方がいい」
エルヴァーンじゃないとしか言ってないのに、ヒロの事を勝手にヒュームだと思ったらしい。エルヒロさんが納得させるような口調でうんうんと頷いた。
種族が違うから、なのかな。わたしはふと、今のわたし達の関係を思い返して、考え込んでしまう。
わたし彼と一緒にいるだけで嬉しくて、夢中になってた。けど、ヒロはわたしに合わせてくれてただけで、ヒロなりに不満とかストレスを溜めていたのかもしれない。
遠慮なく何でも言ってくれるタイプだと思っていたけど、あの憎まれ口は本音を隠す彼なりの処世術だったのかもしれない。
自分の事を全然分からないわたしに、とうとう愛想を尽かしたのかもしれない。
そんなわたしが、彼女面してまた会いに行ったりして、いいのかな。
「何か、あったのか?」
はまりかけていた陰気な思考のループの海から、エルヒロさんの声がわたしを掬い上げてくれた。
わたしは曖昧に微笑んでみせてから、結局心情を吐露してしまう。
「わたし……彼の事、怒らせちゃったかもしれないんです」
それで、わたし捨てられちゃうのかも。
- 275 :775 ◆dWeYTO/GKY :07/03/20 03:37:35 ID:???
- 詳細を適当にぼかして、掻い摘んだ説明をする。
すっかり愚痴モードになっちゃったけど、エルヒロさんは真面目に聞いてくれた。
一通りの説明を聞いて彼は、考えをまとめるみたいに眉間に皺を寄せてから、ぱっと顔を上げ、
「あんまり無責任な事は言いたくないけどさ」
そう前置きしてから、彼の見解を話してくれた。
「そいつ、君の事すごく大事に考えてるよ。でもバカで不器用なんだな、相手の気持ちを考える余裕がないんだ」
ヒロの事悪く言われてちょっとムッとしたけど、わたしの為に言ってくれた事だから、黙って聞く。
「おまけに弱虫なんだ。自分が何かして、それで傷つくのが嫌なんだよ。自分も他人も」
そこまで言うのは、ちょっと酷いんじゃない? エルヒロさん、わたしの中でポイントダウン。
「大体さ、君の事大事にするのはいいけど、君の気持ちを考えてないよな。人間関係壊してまでやる事ないとか、苦労に見合うだけの性能じゃないとか言ったって、欲しいものは欲しいんだ。そう言う事あるだろ」
なんだか話の趣旨はちょっとズレた気がするけど、彼の話は、わたしがヒロに言いたい事をほぼ言い当てていた。
「ちょっと関係ない話だったかな」
エロヒロさんが苦笑して、下界の景色に目をやる。いつの間にかジュノ平野に広がるロランベリー耕地を過ぎて、海が見えていた。
もう少し飛ぶと右手に山脈が見えてきて、それを迂回するとグスタベルグの赤い大地。そして間もなくバストゥークに到着するはずだ。
「何にしても、彼の事は信じられるよ。そいつがおれと同じ思考ならね」
今は雲で見えないパルブロ山脈の方を見据えながら、エルヒロさんが言う。
「だけどね、もしおれと同じ事を考えているなら、そいつは多分君の前から去っていく。何かきっかけが欲しいんだ、それは君が作らなきゃいけない」
そこまで言って、ぶるっと身震いをする。彼はわたしよりずっと薄着だから、さすがに寒くなったのかもしれない。
「女の子にそれをさせるのは最低だと思うんだけどね。エロゲーばっかやってると、とかく自信と行動力がなくなるんだよ、男ってのは」
そう言ってエルヒロさんはきまり悪そうに肩をすくめ、「きっとうまくいくよ」とわたしの肩を叩いて、船室へと下りていった。
- 276 :775 ◆dWeYTO/GKY :07/03/20 03:37:53 ID:???
- また甲板に独り。ケープを身体にまきつけてカイロで暖を取りながら、エルヒロさんの話を反芻する。
彼の意見もリュトと似ていて、ヒロはわたしの事を思うがこそ、わたしを遠ざけようとしているのだという。
でも、わたしの事を思うって、どう思っているというの?
ただわたしが五体満足で、飢える事もなくて、それがわたしの幸せだとでも思っているんだろうか。
きっとそうだ。
自信がない、ていうのは多分、それを守る自信がないって事。でもわたし、傷だらけになって、お腹を空かせていても、ヒロがいれば幸せだよ?
仮に健康で百まで生きて、お金持ちでも、ヒロがいないなら、わたし幸せなんかじゃないよ?
「きっかけ、か……」
どうやって作ればいいんだろう。今思えば、ジャグナーでの一件は千載一遇のチャンスだったんじゃないか、って悔やまれる。
でも過ぎた事を言っていても仕方ない。
今は何をすれば良いかまるで分からないけど、とにかく行動しなきゃ。彼が本当にいなくなってしまう前に。
ところで、エロゲーってなんだろう?
男の人はみんなやるものなのかな?
- 277 :775 ◆dWeYTO/GKY :07/03/20 03:38:53 ID:???
- 本スレのアクセス規制が解除されません(´;ω;`)【たすけて!】
- 278 :(・∀・):07/03/21 02:46:55 ID:???
- 同じプロバイダ使ってるDQN(これ書いたら今いかんのだったっけ?w)がいなくなるまでの辛抱だ。がんばれ。草葉の陰で応援してるぞw
どうでもいいが。DQNという言葉を使ってるから訴えるとか、
言葉狩するのはアレだよなぁ。
シャレもわからない。というか酒場の餓鬼の叫びにマジレスしてるようなもんだな。
表現の為なら作家はすべての言葉を使っていい。ただ、その分楽しませるべきと思うが。
- 279 :(・∀・):07/03/25 16:28:58 ID:???
- スレ18落ちた
- 280 ::(・∀・)::07/03/25 17:51:13 ID:???
- ほすしようと思ったら、落ちてる〜(´;ω;`)
- 281 :(・∀・):07/03/26 03:33:04 ID:???
- 落ちました…現在次スレもたっていないようです。
ところで、まとめwikiの編集…あれはどうなんだろう?
人物紹介とかの更新って、スレに関係あるんでしょうか?
- 282 :(・∀・):07/03/26 04:15:32 ID:???
- 保守キャラでさえ紹介記事があるからあってもいいんではないか?
- 283 :(・∀・):07/03/27 17:11:29 ID:???
- いつの間にか新スレがたっとる
- 284 :(・∀・):07/03/28 03:38:00 ID:???
- そして落ちる。
- 285 :(・∀・):07/03/28 03:45:14 ID:???
- やらせはせん、やらせはせんぞ。
- 286 :(・∀・):07/03/29 02:21:53 ID:???
- しかしここはSage進行でも落ちないので安心してじゃれあえる。
- 287 ::(・∀・)::07/03/30 23:56:30 ID:???
- 前、自分のブログに書いてるとか言ってた人
居たはずなんだけど、場所分かる人居ますか〜?
- 288 :(・∀・):07/03/31 12:52:14 ID:???
- それはわたしも【興味があります。】【どこですか?】【ください。】【場所】
- 289 ::(・∀・)::07/03/31 15:15:56 ID:???
- 誘導しとくー
「朝起きたら自キャラになっていた」物語19
ttp://live25.2ch.net/test/read.cgi/ogame/1174921093/l50
- 290 :(・∀・):07/04/01 10:12:07 ID:???
- とってある過去ログに残ってたかな・・・
あまりログ取りはしてないから自信がないけど、見てみる。
- 291 :775 ◆dWeYTO/GKY :07/04/09 14:42:53 ID:???
- 入国管理の施設を抜けて街に入る頃には、既に陽は落ちていた。
港での仕事を終えた人達が仕事の疲れを癒しに街に繰り出す時間。
十日ぶりのバストゥークは賑やかで活気に満ち、わたしは対照的に気圧されて萎縮した。
港区は人で溢れているけど、あまり長居はしたくなかった。陽気に騒ぐ人達の近くにいたくないというのもあったけど、それより何より夜の港区はあまり行儀の良い街ではないからだ。
遠回りになるけどライ麦橋を渡って商業区に経由し、居住区へと入る。
無駄だとは思ったけど、まずはヒロの部屋を見ておこう。
居住区は厳戒体制だった。
非常線が引かれ、至る所に検問が設けられて、出入りする人間を厳しくチェックしていた。
警備に当たる銃士たちは皆疲れ切って殺気立ち、酷く不躾な応対をされて、ヒロのモグハウスに着く頃にはわたしまでしかめ面になっていた。
処理を待つ間聞いた限りでは、旧港区の方で爆発事件があったらしい。──いや、爆破事件か。
爆破されたのは天晶堂の火薬庫で、近くにあった倉庫が吹き飛び、商品に酷い損害が出たんだそうだ。
主犯格は既に国外に逃亡しており、手助けや手引きをした者を狩りだそうと天晶堂が躍起になっている。むしろこの検問は、彼らが不当な私刑や報復をしないように設けられたものなのだという。
天晶堂は貿易商社だ。でも、バストゥーク人なら誰もが、それが建前だと知っている。彼らはヤクザ者で、シンジケートを作ってこの街を影から支配しようとしている連中なんだ。
主犯格とは誰だろう。ヒロじゃないよね? いくらなんでも、ヒロはそんな危ない事しないよね?
自分に言い聞かせたけど、全く気持ちは晴れなかった。
ヒロのモグハウスには、近づける雰囲気ではなかった。
わたしは予定を変更して、商業区に住む知り合いを尋ねる事にした。
- 292 :775 ◆dWeYTO/GKY :07/04/09 14:43:32 ID:???
- 大工房の前を抜けて、炎水広場を通る。ここでも何か騒ぎがあったらしい。テープで一角が区切られ、人が踏み込めないようになっていたが、何があったか分かるほどの痕跡はなかった。
ただ、石畳が少し欠けたり削れたりしていて、何か大きくて重たいものがここで崩れたり暴れたりしたらしい、という事を窺わせた。
いずれにしても、この広場は色んな人間が来て、色んな催しをする。わたしが思い出せる限りでも、大き目の花火が暴発したり、シド工房長が試作した気球が墜落したり、トラブルには事欠かない場所だった。
さして興味を引くものも見出せず、わたしはそこを離れ、黄金通りへと入った。
黄金通り、彫金ギルドには、古い知り合いがいる。
わたしは手鏡を取り出して軽く身だしなみを整えると、勝手知ったる仕草でギルドの扉をくぐった。
ここにいる知り合いは、そういうのにちょっとうるさい相手なのだ。
ギルドの窓口は既に終了していたが、職人達はまだ働いていた。
ううん、仕事じゃないのかもしれない。ここの人達はよく言えば熱心、悪く言えば彫金マニアだ。
売り物にならないようなものでも、時間を作っては研究し、自己研鑽に余念がない。
今バストゥークでは、丸い家が流行っているらしい。らしい、というのは、それが流行る前の時代をわたしが知らないからだ。
鉱山区の古い建物は四角いから、昔はサンドリアみたいに角ばった建築が主流だったんだろう。
流行に則った丸い石組みの工房に、目指す人物はいた。
時間外だからだろう。下着みたいな格好で、拡大鏡を覗き込んでいる。工房は熱気に満ちて、わたしも同じ格好になりたい衝動に駆られた。
「こんにちは、ファティマ」
わたしに全く気づく様子がないので、痺れを切らして挨拶をした。彼女は特に感動した様子もなく顔を上げると、疲れた目を休ませるように目をしばたかせた。
- 293 :775 ◆dWeYTO/GKY :07/04/09 14:44:12 ID:???
- 「ナナコ! バストゥークに帰ってたのね」
ファティマはわたしを歓迎するように笑う。うん、今着いたところ。わたしが返すと、ファティマはわたしの頭のから爪先まで眺め、呆れたような顔をした。
「相変わらず野暮ったい格好ね。冒険者になってからますますセンスが鈍ったんじゃない?」
わたしは苦笑した。彼女はわたしより一つ年上で、わたし達の世代では一番おしゃれだった。わたしがしている格好のいくつかも、彼女の真似だったりする。
「あなたに言われたくないよ」
それが今では、一日の大半を無骨な拡大鏡を覗き込んで宝石の鑑定に終始し、それ以外の時間は今こうしているように、下着姿で金銀や宝石を磨いている。
彼女が彫金師の道を選んだ時は、誰もが納得した。だけど、まさかあの彼女が今では、工房ではこんな格好をしているなんて、誰が予想できたろう?
「いいの。帰る時はちゃんと服を着るんだから。ここは暑いし、大きな加工をした時出る切り屑が袖や襟に入ったら、ホントに痛いんだからね」
真っ赤に傷が出来る事もあるんだから。と、彼女は笑う。なるほど、暑いから脱いでるだけじゃなかったんだ。
挨拶もそこそこに、ここ数日でバストゥークに起こった事件のあらましを聞く。
ファティマもわたしみたいな冒険者とおしゃれについて語る気はないらしい。
彼女が知っているのも、わたしが銃士から聞いた話とほぼ同じだ。
旧港区で爆破事件があったという事。倉庫を爆破された天晶堂が、報復しようと街中駆けずり回っている事。
それから、ヒロの部屋で殺人事件があったという事。
「殺人事件?」
彼女は神妙に頷く。
「殺されたのは銃士よ。Pokotasoのモーグリを斬った刃物と、傷口が酷似していたんですって。違うのは手口。モーグリはただ乱暴されただけだけど、銃士は熟練の殺し屋に背後から一撃、だったらしいわ」
喉の前で掌を水平に引く。喉を掻き切られたって事……なのかな。
ヒロは無事なんだろうか。
- 294 :775 ◆dWeYTO/GKY :07/04/09 14:44:47 ID:???
- 「それも爆破事件と関係があるの?」
ファティマは肩を竦める。どうもはっきりしないらしい。
「タイミングを考えると、何か関係があるかもしれないんだけどね。とにかく今回の一件は妙なのよ」
やたら詳しい。彼女のお得意さんは大工房の役人や、大商人だ。だから色々情報が入ってくるのだろう。わたしとしても、それを期待していたんだけど。
「爆破事件の黒幕は、サンドリアのさる人物って噂よ。天晶堂と話をつけて、既に手打ちにしてあるっていう話があるの。でも、それじゃ面子が立たないから、手打ちに含まれない範囲の相手に仕返しをしてるんだって」
よく分からなくなってきた。でも、爆破事件は多分ヒロも関わったんだろう。彼はサンドリア人だし、成り上がりだけど近衛騎士の地位まで上り詰めていた。王家の命令で何か工作に当たっても不思議はない。
「ああ、それからね」
ファティマが思い出したように人差し指を立てた。
「Pokotasoのモーグリがね、彼の財産を全部相続したんですって。個人では、世界一の大金持ちよ、そのモーグリ」
モーグリ達は決して貧しい種族じゃない。だけど、その財産は大抵、団体に帰属されていて、個人で大金を所有するモーグリはほとんどいない。
「Pokotasoって、あなたと付き合ってた冒険者でしょ? 何があったの?」
付き合ってたわけじゃないよ。そう言おうか迷ったけど、色々聞かれるのがいやで口をつぐんだ。
そしてただ、「それを調べにきたの」とだけ答えた。
ヒロがどれだけの財産を持っていたかは知らない。だけど、それを全てモーグリに譲渡するなんて、絶対変だ。
金目当ての結婚話が嘘だと分かったのは嬉しかったけど、わたしはまだ喜びに踊りだす気分にはなれなかった。
何かがあったんだ。
ヒロは何かに巻き込まれたんだ。
- 295 ::(・∀・)::07/04/27 22:25:19 ID:???
- こっちにもね来てたっ!
- 296 :775 ◆dWeYTO/GKY :07/05/12 09:47:39 ID:???
- ファティマと別れ、再び居住区を目指す。
今度の目的地はヒロの部屋ではなくて、病院だった。
ヒロのモーグリなら、何か知っているかもしれない。わたしはすがる思いで、錬金ギルドの裏手にある病院へと急いだ。
病棟に滑り込んだが、面会時間は丁度終わろうとしていた。
窓口は誰かが話し込んでいて、わたしは苛々と爪を噛み、後ろから念を送ろうと……して、思いとどまった。
窓口で話しているのは、見知った顔だった。
艶やかな黒髪を後ろでまとめ、長くたらした、きりっとした表情の女性だ。略式の鎧をつけ、剣を妙ちくりんに腰に差している。
ミスリル銃士のアヤメだった。
「ええ、手続きは全て完了しました。財産の移動も済んだので、これからは彼をどうこうしてそれを手に入れるのはかなり困難になるでしょう」
棟の責任者らしい人と話をしている。
「それでも、全く危険がないとは言い切れません。理屈の分からない連中というのは、どこにでもいるものですから」
いるところにはいる、エリートという人種だ。
正冒険者にもなれなかったわたしと違って、わたしとそんなに変わらない年でミスリル銃士に抜擢され、国のために働いてる。でも、何だか冷たくて硬い感じの人。
苦手な相手。わたしが日を改めようか迷ってまごまごしていると、窓口の看護婦が身を乗り出して尋ねた。
「ご面会の方ですか? 今日はもう遅いですから、また明日以降いらしてください。面会時間は正午から夜の……」
「ルークさんへの面会ね?」
アヤメさんが振り向いて、手で看護婦を制しながら言う。その顔が驚くくらい優しかったので、わたしはしばらく返答に詰まった。
- 297 :775 ◆dWeYTO/GKY :07/05/12 09:48:43 ID:???
- 「私がいたから、面会を申し込めなかったのでしょう? マティウスンさん、病室へは私が案内します。まだ少し時間はありますから、顔を見るだけでも」
わたしがどうにか頷くと、アヤメさんはてきぱきとその場を取り仕切ってしまう。
マティウスンと呼ばれた看護婦がしぶしぶながら承諾すると、「感謝します」と頭を下げ、あっけに取られているわたしを促して廊下を歩き出した。
「その……あのがとうございます」
一応の謝意を示すけど、やっぱり釈然としていないのを感じ取ったのだろう。
手でわたしが頭を下げようとするのを制して、アヤメさんは別の話を始める。
「Pokotasoのモグハウスで会ったわね」
「彼、今どこにいるんですか?」
アヤメさんは呆れたのか、小さく溜息を突く。「やっぱりそうなのね」 アヤメさんの目が哀しげにわたしを見据えて、わたしはぶすっとした顔になる。
「分からないわ。銃士隊は目下彼らの居場所を調査中だけど、もうこの国にはいないみたいね」
北グスタの関所で見かけたという情報はあるが、公式の記録には何も残っていないんだそうだ。
別人になりすましていたのか、番兵を買収でもしたのかは分からないけど。
「それじゃ、サンドリアに?」
「可能性はあるわ。彼は告訴されたわけでも、何か犯罪を犯したわけでもない。情報提供の協力を求めてはいるけど、サンドリア側は本人不在という事でそれを断ってきたわ」
アヤメさんは「あなたから何か聞ければ、と思ったのだけれど」とこめかみの辺りを揉んだ。疲れているのだろう、あまり顔色が優れない。
「爆破事件に、彼は無関係なんですか?」
「爆発事故、よ。街でどんな噂が流れていようと、被害者の天晶堂がそう言っている以上、銃士としては事故として調査するしかないの」
ちょっとだけ合点がいった。確かに天晶堂の倉庫は爆破されたけど、爆破した側とは既に手打ちが済んでいるんだろう。
だけどそれで済ませるわけにもいかなくて、手打ちの範囲に含まれない相手に報復しようとしている。ファティマの言ったとおりだ。
- 298 :775 ◆dWeYTO/GKY :07/05/12 09:49:19 ID:???
- 殺人事件の事も聞いてみたけど、こちらは軽くはぐらかされてしまった。
やっぱりこの人はちょっと苦手だ。
病院の廊下はさほど長いわけじゃない。
次は何を聞こうかと考えている内に、モーグリの病室にたどり着いてしまった。
「外で待っていましょうか?」
特に内緒話をするつもりもなかったけど、わたしは頷いて、病室へと入った。
モーグリは包帯だらけの痛々しい姿だったが、枕に寄りかかって、比較的傷の浅い右手で何事かやっていた。
「ナナコ様クポ? よく来てくれたクポ!」
わたしに気がついて毛布の上に広げていたものを片付け、モーグリは微笑んだ。
「元気そうね。何してたの?」
わたしは出来るだけ平静を装って、丸椅子に腰を下ろすと、モーグリの顔を覗き込む。
モーグリは照れたようにはにかむと、ぽつりと呟くように答えた。
「ずっと寝ていたら、なまってしまうクポ。元気になったらまたすぐ働けるように、リハビリをする事にしたクポ」
ふうん、そうなんだ。わたしは感心する風に頷いて、次に何を尋ねようか思案する。
「ヒロ……Pokotasoは、どこにいるの?」
ああもう、わたしってバカ!
直球ド真ん中じゃない!
- 299 :775 ◆dWeYTO/GKY :07/05/12 09:49:54 ID:???
- わたしがどうにか取り繕おうとあたふたしていると、モーグリはふいと顔を伏せて、寂しげに呟いた。
「分からないクポ。モグはお暇を出されたから、ご主人様がどこにいるか分からないクポ」
嘘を言っている雰囲気じゃない。口をつぐむと、わたしまで一緒になって肩を落とした。
ぽつん、とモーグリの目から雫がこぼれて、綺麗なシーツ(のはずだけど、モーグリの毛があちこちついていた)にしみをつけた。
「ナナコ様も、ご主人様の本当の名前を知っているクポね」
「えっ? う、うん……」
顔を伏せたままだったので、モーグリがどういう表情でそれを言ったのかは分からなかった。
不意を突かれてわたしはくぐもった返事をする。
「ご主人様から本当の名前を教わった時はすごく嬉しかったクポ」
もう一粒、モーグリが涙をこぼす。
「でもなんだか…… その後様子が変わってしまったクポ」
う……重い空気。何か言い出しにくい雰囲気だけど、沈黙に耐えられなくて、わたしは結局彼に先を促した。
「何が、あったの?」
モーグリが顔を上げた。ヒロのモーグリは少し耳が大きくて、頭の触覚が少し小さかった。彼は再び顔を伏せると、ぽつぽつと小さな声で語り始めた。
彼は寡黙で、あまりモーグリとも口を利いたりしなかったのだという。
けど、丁度、わたしとヒロがジャグナーで会ったあたりの話だ。
毛繕いをしながらお互いの故郷の話をして、翌朝妙に陽気に出かけていった。
そして、ぼろぼろになって戻ってくると、モグハウスには寝に帰るだけのようなタイプの彼が今度は部屋に閉じ篭って外に出なくなった。
あまりの豹変ぶりにモーグリは声を掛けたが、彼は追い出すようして、バストゥークのレンタルハウスを手配しておけと命令してきた。
- 300 :775 ◆dWeYTO/GKY :07/05/12 09:50:49 ID:???
- それっきりだという。
あとは主人の到着を待つモーグリを何者かが襲い、次に気がついた時には、彼は大金持ちになっていて、主人からは暇を出されていたのだそうだ。
「モグはこんな事して貰っても全然嬉しくないクポ。ご主人様にお仕えしたいクポが、きっとモグが飛べなくなったから愛想を尽かされたクポ……」
「そんな事ないよ。きっと何か理由があって、一時的に君に荷物を預けていると思うの」
そんな事を言いながら、わたしは別の事を考えていた。
モーグリは、ヒロが豹変したと言った。彼の口調や仕草は一緒だったけど、確かにそう言われれば別人みたいな気もしてくる。
「理由クポ?」
首をかしげるモーグリに、わたしは頷いて見せた。
「そ、理由。わたしが彼を捕まえて問いただしてくるから、君は早く元気になる事」
完全に空元気だけど、誰かに宣言したのは良かったと思う。少なくとも、逃げ出さずにいられそうだから。
「別人だろうと何だろうと、きっと連れて来るから」
両拳をギュッてして、気合を見せた。
その後他愛もない話をして、病室を後にした。
モーグリはヒロが別人みたいだという表現に、納得がいかない様子だった。必死になった気はするけど、他に何が変わったという訳でもない、とかなんとか。
それにしても、彼がモーグリに優しかったなんて意外。わたしには冷たいくせに。
病室を出ると、アヤメさんが待っていた。
「Pokotasoが心配なのは分かるけど、信じて待つのも一つの形よ」
案の定、外まで聞こえていたらしい。アヤメさんは決まり悪そうに言うと、先立って歩き始めた。
- 301 :(・∀・):07/05/29 11:53:51 ID:???
- 次スレの季節です。
「朝起きたら自キャラになっていた」物語20
http://live25.2ch.net/test/read.cgi/ogame/1180406830/l50
- 302 ::(・∀・)::07/05/30 12:43:22 ID:???
- 早速落ちてるよ(゜△゜;)
- 303 :(・∀・):07/05/30 13:12:20 ID:???
- ネ実って即死判定なかったよね…?
家帰ったら立てなおしてみるか。今日半休だし●あるし。
- 304 :(・∀・):07/05/30 13:52:40 ID:???
- 建て直しますた
「朝起きたら自キャラになってた」で物語を書く20改
http://live25.2ch.net/test/read.cgi/ogame/1180500538/
今度は細心の注意を払って保守しませう…(´Д⊂
- 305 :(・∀・):07/06/17 10:00:26 ID:???
- 落ちた・・・な
- 306 :(・∀・):07/06/17 11:55:51 ID:???
- ごめんなさい、保守ネタ書いてなかったら間に合ってた・・・orz
素直に保守すればよかった。
スレ立てようと思ったけど立てられずorz
- 307 :(・∀・):07/06/17 17:11:07 ID:???
- 家に帰ったら立てれるよー
あと二時間くらいかかるけど…待てなかったら別の方お願いします
- 308 :(・∀・):07/06/17 19:19:03 ID:???
- ただいま帰りました。
立てますよ〜
- 309 :(・∀・):07/06/17 19:26:21 ID:???
- 立ててきました。
「朝起きたら自キャラになってた」で物語を書く21
http://live25.2ch.net/test/read.cgi/ogame/1182075796/
- 310 :(・∀・):07/06/17 20:09:43 ID:???
- スレ立て乙
- 311 :(・∀・):07/06/18 01:20:43 ID:???
- 最近スレ落ちと新スレを報告するだけのスレになってるね
ちょっと寂しいぞ
- 312 :(・∀・):07/06/18 02:50:58 ID:???
- >>309
乙です〜。
>>311
避難所が賑わうってことは、本スレが寂れるってことです。
だからこっちはこれでいいのです。
で、こっちも時々ちょっとした投下があればいいと思う私は小市民。
- 313 :(・∀・):07/06/18 15:31:10 ID:???
- 実際は、本スレが盛り上がるとこっちも賑わって
避難所が寂れてる時は本スレも勢いがなくなってたけどねw
- 314 :(・∀・):07/06/21 20:45:26 ID:???
- なぁ…まとめwikiがメチャクチャ重いんだが…オレだけか?
- 315 :(・∀・):07/06/22 05:02:40 ID:???
- オレも重いな
livedoor wiki全般が重い気がする
- 316 ::(・∀・)::07/06/24 23:32:54 ID:???
- 本スレに入れないのは自分だけだろうか・・
- 317 :(・∀・):07/07/08 12:19:37 ID:???
- 本スレ落ちてるような希ガス
- 318 :(・∀・):07/07/09 01:45:31 ID:???
- この際だからもうこちら側で細々書き散らして行くのもいいかな…
とか思ってる俺ガイル
- 319 :21・Air:07/07/09 11:28:50 ID:???
- 投下します。
■*いしのなかにいる*
雨が降り注ぎ、冷たい水に沈んでいく。はるか遠くで声が聞こえる。弱く輝く宝石…誰にも渡してはいけないけれど、動けない…。ほのかに石だけが暖かい。雨に沈んでく。
- 320 :21・Air:07/07/09 11:29:59 ID:???
- ■ヴェ・ルガノン宮殿
気がかりな夢のつづきは夢だった。
滑らかな曲線と直線で構成された、巨大なホール。すべてが淡い青白く光る石。表面には所々にルーン文字を思わせる記号が彫り込まれている。
けれど幾何学と人工で支配されるのを拒むように、一抱え以上ある木の根が所々に張りだし、足下を水でぬらす。永遠の時間と静寂が、空間を重く支配している。
いつしか隣に見知らぬ女性。整った顔立ちと強い意志を宿した瞳。
だが夢とはいえ衝撃を禁じ得ない。黄色いボディコン衣装。薄い布地は体の線を強調し、たわわに揺れる胸、くびれたウエスト。長い脚。…うらやましい。羽毛飾り、ピアス、首飾り、腕輪などなどアクセサリ。
あなたバブルのジュリアナから来られましたか?タイムマシンはドラム式ですか?
「ねぇ、無事にすべて終わったら、私と一緒に世界を旅して回らない?」
「はい?」
予想しなかった問いに、間抜けな返事。
ジュリアナはニコニコと会話を続ける。
「なにを突然って顔ね。ふふ。約束よ」
小指を差し出された。ゲンマンして世界のクラブでも踊り回るつもりか。本当に突然だよ。ともかく細く白い指と、指切りをする。無邪気に笑うジュリアナ星人。
「そろそろ行くわ。いい?約束忘れたら承知しないからね」
ブーツを鳴らし、おっぱいを揺らし、小走りでどこかへ行った。さすが夢だなぁ。
- 321 :21・Air:07/07/09 11:33:53 ID:???
- ■ル・オンの庭
通路から外に出たそこは、石造りの庭園。ひときわ大きな樹の根本には、人工的な直線の水路があった。水の流れを追っていくと、その先はすぱりと庭園が終わり、遙か下方の雲の海に水が落ちていく。
体を乗り出し遙か下を望めば、遺跡の落とす影が丸く雲にうつる。空に浮かぶ遺跡。ここは言っておかねばならない。
「ラピュタは本当にあったんだ!」
遺跡のフチに、足を空中に投げ出して寝そべる。
と、背中で尻を踏み付けたような感覚。ふさふさした尻尾が生えている。色は白。そういえばハダカ。夢だし。
他もいつもの自分の体ではない。女らしい、というよりはひきしまった体。肌も白い。脚が長い。感動。頭に手を伸ばせば、猫耳。ぴこぴこぴこぴこと自分の意志で動かせる。また感動。
「あ、FFのミスラか!!」
なんの夢かを思い出した。よく見れば桃色の鳥が空を舞っているし、壺が浮いていたり、土偶人形が立っている。随分前にFF11は引退して、この風景を忘れていた。
仲間は今もゲームを元気にやっているのだろうか。ぶらぶらと脚と尻尾を揺らす。今日はなつかしい、良い夢だ。花の甘い香りと小さな羽虫。眼下にはどこまでも雲。
- 322 :21・Air:07/07/09 11:35:53 ID:???
- しばらくとりとめもなく思い出にひたっていると、足音が聞こえた。身を起こし立ち上がる。黒装束をまとった巨躯が、通路を通って現れる。おぉ、ガルカ!懐かしい。でっかい。こちらと目があったガルカの第一声は、ジュリアナと同じくらい意味不明。
「もどれ、自由は、ない」
好意の一片も感じ取れない。負の感情を秘めた、地獄の底から響くバリトン。
「断ったら?」
笑顔で聞いた。夢の中の私は超、強気だ。ガルカは私の身長よりも長い日本刀を、ぬたりと抜きはなつ。わかりやすい返答。ざわざわと気配が絡みついてくる。
そして、動いた。ガルカが間合いを詰め、ごうと刀を振り下ろす。斜に体を沈め、そのまま伏せて四つ足で横っ飛び。
着地したとき、右腕に鋭い痛み。すっぱり裂けて血が出ている。
…痛い?夢の中で今まで痛かったことはない。夢を見たときにほほをつねってみるといい。麻酔をかけたように感覚がないから。つまり、これは、夢じゃない?!
「もしかして、これは」
ぐるぐると混乱しかける思考に、突然の閃き。そう、昨日見たスレッドが思い出される。背中にじっとりとした汗と悪寒。Q・昨日寝る前に読んだスレッドは?A・「朝起きたら自キャラになってた」
/sh「うはwwwおkwww!!1!11!!!」
咄嗟に出たのはマクロかもしれない。そういえばNaitouプレイをしていた事があった。自分だったらそんな悲鳴はあげない。本当にヴァナディールにいるのかしら。などと考えてる場合ではなかった。
ガルカは踏み込み、刀で横なぎに切り払ってくる。何とか今度も飛びすさる。普段の自分なら両断されていただろう。少しはこちらも速いらしいが、何とか糸口を見つけ…。
その思考を腹部の鈍い、重い痛みが中断する。見たくない。のに、視線が勝手にひきつけられる。おなかの中心を左から右へ真一文字に、白い肌に桃色の肉が開いている。
じわりじわりと血がにじみ出るのが、コマ落としに見える。見るんじゃなかった。脚がストンとおちる。
ガルカは正面に立ち刀を、振り上げ、振り下ろす。ゆっくり、ゆっくりと刀が迫る。
お・わ・り。
- 323 :21・Air:07/07/09 11:37:24 ID:???
- に、なってたまるものか。体を跳ね上げ、踏み込む。ガルカの手が肩にぶちあたる。腕と腰元をつかみ、身をひねり、腰をぐいとあげて背負い投げ。
ガルカもさるもの、右足を出し踏みとどまる。そこで伸び上がり、ガルカの顔に頭突き。顔を狙った頭突きは身長差でアゴに直撃。くぐもった声を背に、あらためて背負い投げ。ガルカの体は宙に舞った。宙を舞うガルカが声をあげるが、時すでに時間切れ。
勝利は確定だった。…背負い投げの結果、空中に投げ出されなければ。そういえば遺跡の端に座っていたんだった。
「GYEEEEEYAAAARRRRR!!」
かわいい悲鳴をあげる余裕はとてもない、私も宙を舞っていたから。ガルカがゆがんで空中に消えた。ぅゎずるぃ。
遺跡が加速して上に遠ざかる。だめだ、これは。妙に頭が落ち着いている。せっかくだしスカイダイビングを楽しもう。FedExに電話したらパラシュート届けてくれないかな。
ものすごく空が青い。鳥になった気分。カメラで撮って、友達に絵はがきを出そう。雲がぐんぐん近づいてくる。ああ眠い。意識が薄くなってきた。これはやっぱり夢。
- 324 :21・Air:07/07/09 11:41:15 ID:???
- ■*ささやき*
体が重く動かない。冷たく青い光だけが見える。永遠に続く眠り。美しい唄声が、遠くから聞こえる。そうしたら、心臓がきりきりと痛む…心が暗い気持ちに染まっていく。いやだ。何も見えない、目の前がゆがむ…いやだ。なにも、みえ、な…
- 325 :21・Air:07/07/09 11:42:40 ID:???
- ■どこかの小屋
「うわわわあっ!!んぎっ、か、か、くぅ」
悲鳴を上げて飛び起き、なにかに思い切り頭をぶつけた。チカチカ星よ、頭をまわれ。猛烈に痛む頭をさするとフサフサした耳。頭の横には…耳がない!じっくりと体を見ればミスラ。またハダカ。夢のつづき?
さて…大きく息を吐いて、脚がはみ出る小さな木のベッドに倒れ込む。ところどころ光が漏れる板張りの小屋、窓からはやわらかい日差し。
少なくとも自宅ではない。外からは波の音森のニオイ。釣具やカゴ、網が雑多に転がっている。
「夢…?」
頭が痛い、ぶつけたせいだ。夢ではない気がして、ここまでの記憶の糸をたどる。
昨日はタンポポコーヒーを作ってみようと、大きな植木鉢に種をまいた。夕方には激しい雨、遠雷がゴロゴロ鳴っていた。雑多な家事や、ネットをしたりして11時に寝た。
…それからなにか、夢を見て。つぎは空島から落ちる夢。そういえば傷跡がない。おなかをなぞってもキレイなものだ。やっぱり夢かしら。
それともやつぱりヴァナ・ディールに居るのかな。夜見たスレッドにはそんなことが書いてあったけど。
そうだ、名前。air、アリア。そうだけどちがう。現実の名前は…?アイリス?そんな日本人離れした名前のはずない。
チヨコ?そうだ、千代子。少々記憶がこんがらがっている、アリア(air)はヴァナディールの名前だった。
そこまで考えたとき、砂を踏む小さな足音が聞こえた。扉が開けられ光が差し込む。
「気がついタル?」
素早く身を起こし、部屋に入ってきたタルタルをがっきと捕まえる。
「な、なにするタルっ!?」
そのままひょいと抱え上げ、あぐらを組んで脚の間に座らせる。
「しばらく、こうしてくださいっ!」
「…だ、だいじょぶタル?」
そっと手を添えてくれる。タマネギのようなトンガリ頭、コロコロした瞳がこちらを心配そうに覗き込んでいる。
体の震えが止まらない。嬉しくて。
ミスラの座り方は実装当時あぐらで、あまたのタルタル達が吸い寄せられた。今の座り方はなんだ!タルタルホイホイはガルカだけの特権で良いのか!今こそ立てよ!ミスラたち!まあ座るんですけどね、あぐらだけに。
そうジュノ大公の宮殿でシャウトした私が。今ついに、あぐらの間にタルタルを座らせている。ああ、もう死ぬ。
ひとしきり満足して、床に置く。ちぃさいなぁ。かわいぃなぁ。持って帰りたい。タルくんの顔が真っ赤だ。苦しかったのだろうか。
「も、もういいタッ?ふ、ふ、服はそのへんのを適当につかタッルッ」
タルくんはすばやく部屋を出てしまった。あ、ハダカやん。わっふるわっふる。
- 326 :21・Air:07/07/09 11:44:15 ID:???
- ■ルフェ湖・岸
青い空、透みわたる湖、まぶしい太陽。小さな入り江の崖岸にへばりつくようにその小屋は建っていた。
少し落ち着いてからタルくん、いや、マーティンに話を聞いた。私の大好きなタマネギヘヤータルタルで、もうすぐ29歳(には見えない)。
いつもここ、セルビナ近くの湾で釣りをして暮らしているそうだ。…やっぱりここはヴァナ・ディールなんだ。
2日前、彼がいつものように釣りに出て、大物だと思ったらミスラが釣れたそうだ。私は飛空挺から落ちたと説明しておいた。
「と、ともかく、目が覚めて良かっタル」
話の間彼が視線をそらすのは、布きれを巻いただけの格好だからだろう。
タルタルの服は小さくて、はけそうなものはマーティンの釣った、錆びたサブリガ&レギンス。…なんで釣れるんだ。あとで洗ってなんとかしよう、いや、する。
「なにもないとこだけど、ゆっくりするといいタル」
「ありがとう」
日が暮れるまで、いろいろと考えた。
まずなぜこうなったかは、わからない。だいいち自分で来たわけじゃない。考えないことにする。
スレッドで見た他の人たちも、こうしてヴァナ・ディールにいるのか。自分の状況を考えれば、あり得ないことではない。
状況の疑問を考えても頭がこんがらがるので、これも軽やかに頭から追い出す。
いったい今後どうするのか。元の世界に戻る、には理由がない。
色々な事があって家族は居ない。身近な知り合いもほとんどいない。自分が食べるだけの生活で満足していたし、それなりの蓄えもあった。ゆっくり暮らせばいいかと思っていた。
テレビも雑誌もない生活をしていたから、あまりこちらで困ることはなさそう。いや、ウォシュレットは懐かしい。アレがないというのは、慣れるのに時間がかかりそうだ。
こっちで暮らすのも悪くないさ。サブリガを洗いながら得た結論だった。べ、べつにお肌スベスベに若返ったからとか、タルタルが居るからじゃないわよ。と誰かに言ってみたかったが、相手は居ないのでため息一つ。
夕食はマーティンの釣ったバスを刺身にしてごちそうした。軽く湯引きするのがコツ。粉を練った、パンのようなもの。新鮮な魚が手に入る住居というのはすばらしい。
「そうそう、アリアはこれからどうするタル?」
「ん〜、あてもない旅だし、よかたらしばらくご一緒させてもらえませんかニャ?」
「僕はかまわないタルが、こんな何もないとこでい」
「ありがとにゃー」
「タルっ!?」
抱きついたら、じたばたとマーティンはあわてている。可愛い。タルタル可愛い。やっぱり…こっちの世界の方が良いナ。
- 327 :21・Air:07/07/09 11:46:41 ID:???
- とりあえずここまで、です。
- 328 ::(・∀・)::07/07/09 12:54:40 ID:???
- 投下おつかれさまっ!
続きも期待ъ(`ー゜)
- 329 :(・∀・):07/07/09 19:17:38 ID:???
- 新スレ立ったね
「朝起きたら自キャラになってた」で物語を書く22
http://live25.2ch.net/test/read.cgi/ogame/1183976157/
- 330 :21・Air:07/07/09 21:19:23 ID:???
- ネ実に投下しようとしたら、見事に書き込み規制でした。
>>319-326 をよろしければどなたか転載お願いします。
- 331 :(・∀・):07/07/09 22:15:59 ID:???
- もう立たないのかと思って昭和枯れすすき状態になりながら第二部予告編とか書いてた俺pop!
本編も普通に書かないとなのに何をやっているのかと…
>>319
投下おつです! 尻尾が白いのはなんでだろうなんでだろう
某L嬢の衣装をそんな風に形容した人は初めて見ましたw 言われてみれば確かに。
いのり、えいしょう、ねんじろ…? 転載了解、お任せあれ〜
注:↓パラレルとかそういうアレなので画面は開発中のものですという感じでご覧ください。
色々あって、私は一人になった。
"僕"はもういない。
必ず迎えに来るから、そう言い残して私の頭の中の大部分を元通りにして、消えてしまった。
しかしながらその言葉通り戻ってくるのが、果たして本当に"僕"自身なのかというと、正直疑わしい。
あんなに分かりやすい白黒になって、連続魔のリキャストが3分な上に女神の祝福まで発動とか、
はっきり言って正気の沙汰じゃなかったし。
先輩ももういない。
恐らくは"僕"が私の記憶のいくらかを削り取って"この世界にはない元素"に変換し、
この世界には存在しない魔法を行使して、先輩という存在が内包するこちら側と向こう側の要素それぞれを、
あるべき処へ帰したのだろう…とは、"僕"が蛇蝎のごとく嫌っていた、パンプキンヘッドの人…
もとい、ジュデッカさんの弁。
おかげで今の私にとって、向こう側の世界はますます遠いものになってしまった、ような気がする。
でも、先輩が本当にちゃんと無事に戻れたのなら、それはまあ、いいか。
ところで、なんでそのGMもどき関係者の人が私にそんな親切に物を教えてくれるのかって?
それは…ええと…大変、説明しづらいことなのだけど……。
首輪から垂れ下がる、先端にエンブレムが付いた銀色の鎖をなんとなく弄ぶ。
私が今いるのは、窓も扉もない、石造りの部屋。ここにいると、お腹も空かないし眠くもならない…。
申し訳程度にベッドや机、本棚が備え付けてあったけれど、
本棚に収められていた本はもうずいぶん前に読み尽くしてしまったし、
眠くならないのではベッドはふかふかしているだけ、それ以上の意味をなさない。
向こう側のゲームとしてのFFでは全く縁のない場所だったけれど、
実際収監されてみると、これはなかなかきついものがある、と思う。
ああでも、本物はマジで何もない部屋だからなぁ、それを考えると待遇としてはずっといい方なのか。
いつものように、ここに至るまでの道筋を、そう頭の中で反芻する。
今は無事な記憶でも、何の拍子にまたアクセスできなくなるか分からないし。
それにしても、ものを考える自由までは奪われなくてよかった。
物理的にはたった数メートル四方の部屋でも、私の頭の中にはずっと広い世界がある。
ああ、なんだか暗い趣味だとか思われそう。
ふとそんな事を考えたとき、部屋の隅に赤い光の輪が灯った。
- 332 :21・Air:07/07/10 00:44:53 ID:???
- *おおっと*
Air は、かきこみきせい になった!
転載ありがとうございます。
- 333 :21・Air:07/07/11 01:39:04 ID:???
- また投下しておきますね。
夜、湖でバサバサの髪を洗って、ハサミで長さを整えながら初めて気がついた。
真っ白になってる…。
そういえば尻尾も白いんだ。
たしか自分は、いや自キャラは、オレンジでボブカット3bだったような…気がする。
心当たりといえば、ハラキリ。ヒモなしバンジー。それから、なにかにすごくぶつかったたような、ボンヤリした記憶。
たぐろうとしたらまずハラキリの感触をくっきりはっきり思い出した。…気持ち悪い。そりゃ髪も白くなる。ともかくバンジーもハラキリも頭から追い出す。
はたまたこれは自キャラではなくて、倉庫キャラ一人目、3a白ボブカット、妹のエリー(Arie)か?
とまで考えて恐ろしい考えが頭によぎった。くらくらと周囲が揺れる。よかった。
倉庫2人目のハゲガルカ、ジーストレングス(Gstrength)だったら死にたいところだった。
ま、起きたらミスラだったことに比べたら、髪色ぐらいなんてことない。
体を拭いて、レギンスとサブリガを履きながら声をかける。
「荷物がなくなってるから、一度サンドリアに行きたいんだけど…」
たぶん何かある。というかなかったら困るんだ。まともな服がない。
「ん、体大丈夫タル?」
「うん、明日になったら元気元気だよ」
「舟1個だし、サンドリアまで一緒に行くタル。ボクも魚売ってオレンジ買いに行くタル」
「ありがとね」
「困ったときは、お互いさまタル?」
- 334 :21・Air:07/07/11 01:40:08 ID:???
- マーティンはとても優しい。
迷惑じゃないんだろうかと少し不安になるぐらい。
そんなことを考えながら眠りに落ちた。夢は見なかった。
■ルフェ湖・小舟
朝の光が薄く差し込む。天気は曇り気味で、少し風もある。湖には少し霧が出て、夢の世界のように、ぼんやりとかすんでいる。
なんとか体裁をととのえた服は、ぼろぼろのブーツ、ぼろぼろのサブリガ、胸には布をまいて…世紀末救世主みたいでちょっと可笑しい。
岩壁に掘られた冷蔵庫から小舟に、魚を詰めた木箱をのせる。冷蔵庫は岩をくり抜いた玄室で、氷のクリスタルや塊をいくつかおいていた。
「いやぁ、運んでくれて助かるタル。いつも運ぶのに苦労するタル」
「にゃは」
マーティンは優秀な釣り人のようで、木箱には(マーティンよりも)大きなサーモンもいくつか並んでいる。
小舟に魚を詰めた木箱をのせて。マーティンの漕ぐ舟が、湖をゆっくりすべってく。
「Ever drifting down the stream.
Lingering in the golden gleam.
Life, what is it but a dream?」
(流れに沿いてゆら流れ、
金色の海をただよぅて、
人生はただ夢のよう)
マーティンの歌声、天使の歌声のような、ボーイソプラノが細々と湖を渡っていく。
舟は水面と霧だけの世界を進んで、ゆら、ゆら、ゆられていつしか眠りに、
- 335 :21・Air:07/07/11 01:41:54 ID:???
- ■*いのり*
ゆら、ゆら、色が揺れている。目を開いても、閉じても。すべての色が混じり合って黒色の光がゆれている。
まただ、閉じこめられて体が動かない。
「おまえたちは、災い、悪夢であり、
世界をおおう恐怖、悲しみ、絶望そのもの…」
暗闇の中。幾千もの怨嗟のうめき。それを引き裂いて、唄声がとどろく
「災いを祓わねば。
闇は払われねば」
溶けていく、なにもかも闇の中に溶けていく。
「桟橋についタル」
「うあっ、おはよ」
マーティンに肩をゆすられて夢は終わった。霧雨がパラパラとふっている。薄暗い森、桟橋につながれた小舟が波にゆられている。遠くに高い城壁が見える。
「なんだか、うなされてたけど大丈夫タル?」
「船酔いかな、ハハハ…」
「ほんとに大丈夫タル?」
「あら、ここは?」
「北サンドリアのギルド桟橋なのタル」
「ここ、とても昔に、来たような気がする」
「ここで、休むタル?」
- 336 :21・Air:07/07/11 01:42:07 ID:???
- 「うんにゃ、モグハウスだけだし、街までさくっと行こう」
茂みにおいてあった荷車に、魚の入った木箱を積み込む。
マーティンが引く荷車を後ろから押して、森の中を進む。子馬みたいにでかいカブトムシやウサギがいた。この世界こええー。
城壁が近づくにつれ、たいまつをほのかにかかげた城門が見える。城門の横には中年のエルヴァーンの衛兵が寄りかかって立っている。
「ご苦労様タル」
「ようマーティン。釣果はどうだったい」
「今週は、サーモンにだいぶ脂がのってきタル」
「そうか、そりゃこれから楽しみだな、今晩あたり食堂に行くか。ところで、そっちのお嬢さんはどうしたんだい?」
「道に迷って、ルフェ湖についたらしいのタル」
「お嬢さんは旅人、それとも冒険者かな?」
「はい、サンドリアに所属する冒険者です」
「そのなりじゃ、随分ひどい目にあったようだな。だが無事に戻れて良かったな、ゆっくりしていくと良い」
「ありがとうございます」
- 337 :21・Air:07/07/11 01:56:16 ID:???
- 門の中の街は活気にあふれて、大きな荷物を積んだ荷車や、商人、職人たちが忙しく歩き回っている。
「気をつけて行くタルよ?」
「うん、ありがと」
「夕方にまたここで待っておくタル」
マーティンは荷車を引いて、いつも魚を買ってもらう食堂へと向かう。
それを見送って、モグハウスに向かった。
投下おわりでございます。
あーもう、eoだめだなんだ規制包茎Ah戸田節炸裂でがっかり来ます。
>>18 20行制限とか違うのですね。
いやぁもう転載ありがとうごじあます。
>>25 手伝い中に落ちることになった。
次にログオンしたら、目の前にヴリトラ\(^o^)/(マジ話)
また規制なので、転載お願いいたします。
--- ここ用レス ---
>>331 バレタ!…そらわかりますね。なんかタイトル考えるの苦手で…。
- 338 :(・∀・):07/07/11 22:03:06 ID:???
- てすt
- 339 :(・∀・):07/07/11 22:04:03 ID:???
- ここなら書き込める……
なぜアク禁……保守れないよ!
- 340 :21・Air:07/07/11 23:13:54 ID:???
- eoまだまだ規制中、 ま た 大 阪 か 。
めげずに投下いたします。
転載して頂いてる方には任務ご苦労、ニャンネットをかけてやろう。ぎょいーん。
というぐらい、感謝しております。ありがとうございます。
■サンドリア
「居住区名・ヴェーブィファオ、1階の068号室…と、ここでいいのかな」
番号を何度も確かめ、モグハウスの扉を開ける。
部屋の中には、みっしりとタンスが並んでいる。な、なんだこの部屋は、そして目の前に白いコアラのようなもの、モーグリがいた。
「ご主人様、おひさしぶりクポ!!!」
頭を下げ、ひざをつく
「ヴェルデラッテ・アリア・レステランダ、御許にはせ参じました。お久しうございます、ドン・ディエゴ・ファルディンステン・モグレトラル閣下」
「ドン!?閣下!?ク、クポッ!?」
「HAHAHA It's a ジョーク、ジョークデス、オゥモグTARO!ヒッサシブ〜リネ!」
バッシバッシとモグの肩を叩く。
「…ご主人、昔と全然変わってないクポ。3年前、急にいなくなったから心配したクポ?」
「うふふふふ。長旅から戻ったのよー。モグタロは、い、ま、も、フサフサップニプニかなぁ?」
もふもふもふもふもふ。
「クポポポ〜〜」
「やwわwらwかwwww」
- 341 :21・Air:07/07/11 23:14:19 ID:???
- 「オホン、ところで久々だから聞いておきたいんだけど私のレベルは?」
「職業は…全部1レベルクポ!」
「ふぁ?全部?」
「なんだかちがうような…気がするクポ。何個か75レベルの職業あったクポ?」
「…だよね?DA・YO・NE?」
「それネタ古すぎクポ」
目を見合わせてしまう。モグの小さくて真っ黒な瞳がどこを向いているかは、なんだか良くわからないのだが。
「でも、この冒険者票に書いてあるクポ」
サンドリア所属 ランク1
ALLJOB レベル1 すべての合成スキル レベル1
飛空挺パス−非所持 ミッションランク−1
とにかく1、まるで初期状態。まるでじゃない、完全に。
「あらほんと、まぁ…うん、久しぶりに戻ったからじゃない?じゃ〜今の職業は?」
「えーっと、シーフ/獣使いクポ!」
「サポートあるのが驚きだよ。というか、ナイトとか30レベルじゃなかったっけ」
「むしろサポート取得が18レベルクポ」
「あー、まーうん、きっとレベルだけリセットされたんだね、ハハハ、あ、そうだ、金庫に預けてるものはある?」
「金庫の中身は…えっと…タンスでいっぱいクポ!」
「どないやねん、金庫にタンスて、庫にタンスて、にタンスて…」
右手のスナップをきかせてつっこみを入れる。
「エコーきかせないクポ!モグが管理する50個を、便宜上金庫と言うのクポ!そういう仕組みクポ!」
- 342 :21・Air:07/07/11 23:16:57 ID:???
- 「…うー、深くは聞かないよ。で、タンスの中は?」
「タンスの中身は…」
モグがタンスの中身を見ようとうろうろするが、タンスは横向きにみっしり並んで開かない。
「コレだけ、タンスをおいたのは、どこの、バカだ」
「ご主人がお」
「シャラップ!」
タンスをえっちらおっちら並び替えて開ける。なにかのステーキ、串焼き、煮込み、パイ、干物、スシ、ドリンクの瓶、その他食品、食品、食品、どれだけ食品を買ったんだ。ふたり顔を見合わせ、
「カリカリクポ…」
「カリカリクポ…」
たぶん、引退宴会の余り物。そういえば競売に出品された料理を買い占めたっけ…そのタンスのさらにコッファーの中から、ボロボロのビニール傘、彫金眼鏡、カッパーインゴット、高級腐葉土、タンポポの種、レザー装備+1、包丁。
「これは??新アイテムクポ?」
「この袋はタンポポの種、こっちはヘンケルスの包丁、ステンで切れ味いいのよ。これは…ビニール傘、かな。壊れてるけど。」
「タンポポの種、ヘンケルスの包丁、ビニール傘?クポポポポ?」
「リアルの品物…これかぃ…ま、まぁ、たいしたものじゃないけど手に入れるのは…大変…かなあ?」
「リアル?なんかそんな単語をモグネットで聞いたような気が…」
「ねーモグ、他の防具とか、武器ない?」
すばやく会話のタゲをそらす。正直、スレの話とか、リアルから持ち込んだ物品とか、来訪者関係の話はいちいち説明したくない。ていうか釣りをして気ままに暮らしたい。
「モグは金庫の中しかわからないクポ〜」
「そっか、ないのかぁ。じゃあ、これ着るの手伝ってよ」
- 343 :21・Air:07/07/11 23:18:31 ID:???
- 「1レベルじゃあ着られないクポ。ク、クポ?」
さくっとブーツを履いた。別になんとも無く着られる。きつい…けど。
「クポポポ?」
「気にしない気にしないにゃ♪あとで一緒にご飯でも食べに行くにゃ♪」
「ほんとクポ?!」
「マジピョンマジピョン、ねーちょっと手伝ってよ」
少しだけ残っていた肌着と、アンド彫金メガネ
どこから見ても駆け出し冒険者だ。
レザー装備をモグになんとか着せてもらう。サイズが妙に、きつい。すごくピチピチのような。
「ご主人、なんか太ったクガモバ、ヒ、ヒドイクポ!ペッペッ、スシの干物は食べないクポ!モグタロはただ服が入らないから事実を言って、言って、言ってないクポ!
きっと置いてたからちぢんだ…そう、ちぢんだクポね、これは!きっとそうクポポ!」
(今たしかに耳元まで裂けるような笑顔で、ニコニコしたクポ!?あれはきっとかじる顔クポォッ!)
「やー、これは新しく買いに行かないとねぇ」
「ご、ご主人、そういえばなんか髪の色変わってるクポ?」
(さっきまでの話題は命にかかわるクッポォォオ)
「まぁ〜色々あってね、そうだ、モグタロちょっと長さ揃えてよ」
「わ、わかったクポ」
「適当でいいよ、適当で、こーいうかんじに」
モグがいそいそと髪を散髪する。真っ白な髪がバラバラおちる。一番多いラフィーナタイプにでもなってたのかなぁ。というか、髪型ぐらい変えたいわぁ…。
「できたクポ!」
手で触ってみたかんじ、だいたい問題なくそろったようだ。長いのは落ち着かないから助かった。
- 344 :21・Air:07/07/11 23:18:56 ID:???
- 「1レベルじゃあ着られないクポ。ク、クポ?」
さくっとブーツを履いた。別になんとも無く着られる。きつい…けど。
「クポポポ?」
「気にしない気にしないにゃ♪あとで一緒にご飯でも食べに行くにゃ♪」
「ほんとクポ?!」
「マジピョンマジピョン、ねーちょっと手伝ってよ」
少しだけ残っていた肌着と、アンド彫金メガネ
どこから見ても駆け出し冒険者だ。
レザー装備をモグになんとか着せてもらう。サイズが妙に、きつい。すごくピチピチのような。
「ご主人、なんか太ったクガモバ、ヒ、ヒドイクポ!ペッペッ、スシの干物は食べないクポ!モグタロはただ服が入らないから事実を言って、言って、言ってないクポ!
きっと置いてたからちぢんだ…そう、ちぢんだクポね、これは!きっとそうクポポ!」
(今たしかに耳元まで裂けるような笑顔で、ニコニコしたクポ!?あれはきっとかじる顔クポォッ!)
「やー、これは新しく買いに行かないとねぇ」
「ご、ご主人、そういえばなんか髪の色変わってるクポ?」
(さっきまでの話題は命にかかわるクッポォォオ)
「まぁ〜色々あってね、そうだ、モグタロちょっと長さ揃えてよ」
「わ、わかったクポ」
「適当でいいよ、適当で、こーいうかんじに」
モグがいそいそと髪を散髪する。真っ白な髪がバラバラおちる。一番多いラフィーナタイプにでもなってたのかなぁ。というか、髪型ぐらい変えたいわぁ…。
「できたクポ!」
手で触ってみたかんじ、だいたい問題なくそろったようだ。長いのは落ち着かないから助かった。
- 345 :21・Air:07/07/11 23:19:44 ID:???
- 「おお〜ありがとありがと」
もふもふもふもふもふ。
「クポポポ〜〜」
「よっしゃ、ご飯行こう。おごるからお金貸して。無い。」
「クポッ!?…あ、た、宅配におかね入ってるクポ!48万ギルが届いてるクポ!あ、あぶなかったクポ」
「なんのお金だろ?」
「それぞれ矢筒【Mボルト】1ダースの落札代金、とあるクポ。競売の落札金クポね。コレは、モグメモによれば合計で142個も落札されてるクポ!クプププ」
「そんなの競売に出してたねぇ、懐かしい」
「そういえばご主人、お金無いクポ?持ってたお金はどうしたのクポ?たしか5千万近くあったクポ?」
「離れる前にさ、昔のフレンドのポストに適当に入れた。あー、装備もそういえばあげたんだ」
(´゚ω゚):;*.':;ブフォ:
「いくらなんでも無茶苦茶クポ…」
「まぁまぁお金なんて、ご飯して服がちょっとあればいいよ。必要を満たすのはコップ1杯の水だが、欲望を満たすのは海を飲み干すより難しい、ってね。さー食べに行こう」
「なんだか、適当さにみがきがかかってるクポ…」
モグに案内されて南サンドリアに出る。高い城壁に囲まれた、石造りの古い町並み。
「さびれてるねぇ」
窓とドアが板で閉じられた家も多い。
「人口がだんだん減ってるらしいクポ。最近は冒険者の人も入ってきているけど、サンドリアから別の所へ働きに出るモグも多いクポ〜」
「魔法はウィンダス、技術はバストークだもんねぇ。森と狩猟を守って〜だと、勢いのある国には負けるんだよねぇ。私は発展しないほうが好きなんだけど」
- 346 :21・Air:07/07/11 23:20:55 ID:???
- 幾人か冒険者とすれ違ったが、みんな慌ただしく走っていく。
「冒険者がやって来るぐらいで、丁度良いのかな、お、そこの喫茶でいい?モグタロなにか食べたいものある?」
噴水の隣のオープンカフェ。
「ミルクたっぷりサンドリアティークポ!」
「それならアップルパイだねぇ」
注文して、他愛もない会話をして待つうちに、サンドイッチとアップルパイ、ミルク、サンドリアティーが並べられる。
紅茶の香りフワッ ミルクトットットッ…
「これはおいしいクポッ、ハムッ ハフハフ、ハフッ!!」
「モグタロ、もちょっとおとなしく食べなさい><」
「いやーおいしかったクポ!ご主人は今日はどうするクポ?」
「ん〜慌ただしいけど、夕方までに待ち合わせがあってね。しばらく留守にするかも。でね、買い物モグタロも手伝ってよ」
「わかったクプ〜」
「ほらほら、ジャムついてるよ」
- 347 :21・Air:07/07/11 23:21:27 ID:???
- いつも通っていた、テレビ画面の中のサンドリアよりもずいぶん建物が多い。こんなに狭くて、街の人はどこに住んでいるんだと思っていたけど。
路地や小さな商店をモグとうろうろして肌着をいくつかと、黒色のフードつきロングコートを買った。
色落ち品で一つ160ギル。見た目のためにレベルをあげたのが嘘のよう。
まぁ、そういうものだろう。それから防具屋でサイズのあうレザーアーマーをみつけて、購入。
通りを歩いていると漢字で「湯」と書かれたのれんの下がった建物。銭湯かぁ、風呂さはいりてなぁ。…漢字で「湯」?今まで気にしていなかったが、考えてみればフニャフニャの筆記体のようなこの文字を普通に読んでいた。
うーっ、アリアの記憶とチヨコがごちゃ混ぜになっているのか。まいったなぁ。
「あれは最近話題核熱の銭湯クポ!」
「へぇ〜」
思考から現実に引き戻された。
「あそこはいつでも、お風呂につかれるのクポ〜」
「便利になったのねぇ」
とはいえ、お風呂に入る時間は…
- 348 :21・Air:07/07/11 23:22:02 ID:???
- ■*おおっと*
「ハァ〜」
湯船で足をのばす。
「クポォ〜」
モグも短い手足をのばす。
【湯】【計り知れない相手です】
いつのまにか引き寄せを受けてしまった。
他にも幾人か、エルヴァーンのお姉様がお風呂をしている。
なんというモデル体型(^o^)自分だけが間違いなくおこちゃま。
ときどき視線をかんじるが、モグと風呂するミスラが珍しいのだろう。
ちょっとはしゃいでしまったし。
お風呂が終わってからはあわただしく、荷物をハウスでまとめ、要らない物を捨て、名残を惜しむモグをのこして待ち合わせ場所へ。
まだ夕方にはちょっと早くて、マーティンは来ていないみたい。
- 349 :21・Air:07/07/11 23:22:34 ID:???
- 他のあてもないので、近くの木工ギルドや鍛冶ギルドをのぞきこんで。
「やぁ、新米冒険者さんかな?」
エプロン姿の、エルヴァーンのお兄さんが優しげに声をかけてくれる。
「まぁ、そうです、はい。なんでわかるんですか?」
「ハハハ、そんな風に珍しげにギルドを覗き込んでいるし、見たところ鎧も新品だ。おまけに武器も持って無いじゃないか。」
「あ〜そうですね、えへへ」
「ギルド登録がまだなら、冒険者票を登録すればクリスタルがもらえるよ。うん、登録はまだみたいだね。ちょっとこっちの受付で記入してくれるかな?」
「これできみは、鍛冶ギルド見習いだ。これから合成の腕をあげて立派なギルドの一員になってほしい」
笑うと白い歯がキラリと光る。
そして火のクリスタルを、手に優しく乗せてくれた。
うーん、すごくさわやかだなぁ。
「とりあえず合成ってどうやるのにゃ?」
「大雑把に言うとクリスタルの魔力が素材を変質させるんだ。クリスタル合成中は、課程よりも完成品の強いイメージを持つこと。」
「ふんふん、にゃるほど」
「手で品物を作るときにも、完成品をイメージして作り上げるだろう?それと同じさ。だから実際に品物を身に付けたり、手で触ったりしてイメージを強く持つんだ」
「むむ、そういえば素材もってたような気が」
カバンの底から布で包んでいた金物−インゴット、なべ、包丁をとりだす。
「んむむ、これだ」
「カッパーインゴットを持ってるのか。じゃあオニオンソードを作ってみたらどうかな?え?見たこと無いって?
たしか1本ぐらいは入り口にかざってあったような…あった、これだ」
- 350 :21・Air:07/07/11 23:23:07 ID:???
- 布の上にインゴットをおく。ブロンズソードを持って、ちょっと振ってみる。
「うん、やってみます」
炎のクリスタルをもって、思い浮かべるは胴の刃。
流すは魔力、感じるはクリスタルの鼓動。
強く強く、イメージする。
クリスタルの魔力。
…青白い光、刃、永劫の戦い、血、炎、孤独、小さなともしび
「お、おい」
ハッと目を開けると、目の前には一抱えもある炎が白く燃えさかっている。
炎は剣に吸い込まれ、布の上にゴトンとオニオンソードが落ちた。
いびつだけど、ヤターオニオンソードデキタヨー!!
剣は紅く熱を放っていて、布が燃えあがった。
「キャアア」
「うわっ、水、水」
テキパキとお兄さんが近くのバケツで水をくみ、布の火を消した。それからオニオンソードをやっとこでつかんで、近くの消火用水槽につける。蒸気がもうもうと上がる。
「すごいな、あんなにクリスタルの力を引き出すなんて。かなり素質あるぜ?鋼とか、もっと熱のいる金属も加工できそうだ。」
「いやぁ、過ぎたるは及ばざるがごとしていいますし…」
- 351 :21・Air:07/07/11 23:23:29 ID:???
- 「なにしてるタル?」
「あ、マーティン。ちょっと合成をね、教えてもらってたの」
「彼女、なかなか素質あるんじゃないかな」
「もう夕方だったのね、ちょっと待ってね」
「ボクは待っててもだいじょぶタルよ?」
「いいのいいの、ちょうど区切りついたし」
あわてて荷物をカバンにしまう。
「そのブロンズソードは、布を巻いて、こうして皮紐でつっておくと良いよ」
「いろいろ教えて頂いて、ありがとうございました」
ぺこり。
荷車の木箱のとなりに、自分の荷物をドサッと放り込む。
「じゃ、いきましょ〜」
荷車を押して、桟橋へ向かう。
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