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涙たちの物語11 『旅の軌跡』
- 1 :(・ω・):08/01/10 23:34:02 ID:90JPAtUQ
- ヴァナディールを舞台にした物語を語るスレです。
あなたの中にあふれる物語を聞かせてください。
前スレ:
涙たちの物語10 『旅の行き先』
http://yy10.kakiko.com/test/read.cgi/ff11/1147126955/
倉庫等(現役稼働中):
(Wiki)http://kooh.hp.infoseek.co.jp/
歴代スレや旧倉庫は>>2あたりを参照。
次スレは、400k越えたあたりで、宣言→立て→告知を願います。
※この板の転送量限界は512kなので、早めに対応しましょう。
- 2 :(・ω・):08/01/10 23:37:37 ID:90JPAtUQ
- 歴代スレ(新しい順):
涙たちの物語10 『旅の行き先』
http://yy10.kakiko.com/test/read.cgi/ff11/1147126955/
涙たちの物語9 『旅の果てに』
http://yy10.kakiko.com/test/read.cgi/ff11/1123780223/
涙たちの物語8 『旅の始まり』
http://yy10.kakiko.com/test/read.cgi/ff11/1105231828/
涙たちの物語7 『旅の終わりは』(仮板からログ移転)
http://yy10.kakiko.com/test/read.cgi/ff11/1088379577/
【したらば@FF(仮)板】
涙たちの物語6 『旅の途中で』
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/game/6493/1077148674/
【したらば@マターリ板】
涙たちの物語5『旅が続いて』
http://jbbs.shitaraba.com/game/bbs/read.cgi?BBS=6493&KEY=1069286910
涙たちの物語4 『旅は道連れ』
→http://hyakuyen.nce.buttobi.net/FF11log2/1064882510.html
涙たちの物語3 『旅の流れ』
→http://hyakuyen.nce.buttobi.net/FF11log2/1058854769.html
涙たちの物語2 『旅の続き』
→http://hyakuyen.nce.buttobi.net/FF11log/1054164056.html
涙たちの物語 『旅は終わらない』(避難先)
→http://hyakuyen.nce.buttobi.net/FF11log/1048778787.html
(※↑ログ消滅のため【過去ログ図書館】にリンク)
【xrea】
初代 涙たちの物語 『旅は終わらない』
→http://mst.s1.xrea.com/test/read.cgi?bbs=ff11&key=042463790
(※↑見れるときと見れないときがあるらしい)
倉庫等
(Wiki)http://kooh.hp.infoseek.co.jp/
(新)http://f12.aaacafe.ne.jp/~apururu/
(旧)http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/4886/index.html
- 3 :(・ω・):08/01/10 23:39:09 ID:90JPAtUQ
- ここも姉妹スレ?
今はいないフレンドへの手紙3通目
http://yy10.kakiko.com/test/read.cgi/ff11/1140264545/l50
- 4 :BeniBana:08/01/10 23:57:40 ID:90JPAtUQ
- 『尊敬』と『望郷』の者です。
スレ立て替えと同時に、新作投下したいと思います。
三作目の投下に伴い、シリーズ名を『BeniBana』とすることにします。
それでは、BeniBana.3 『拳骨』 を楽しんで頂ければ幸いです。
- 5 :BeniBana.3『拳骨』:08/01/10 23:59:23 ID:90JPAtUQ
- 「僕はひとりぼっちだ・・・僕は何も偉くない、何も特別じゃない!
なのに誰も彼もが僕に頭を下げるんだ。頭を下げて、誰も僕を見ない
んだ」
言い終えた瞬間に頭を拳骨で殴られた。火花が飛び散るとはこういう
事かと思っていると、殴った本人の顔が目の前にあった。間近にある年
上の少女の顔にどぎまぎする。
「みんながそんな人じゃない。少なくとも私は違うわ。ちゃんと貴方
を見てくれる人はどこかにいるの。忘れないで。誰も見てくれないんじ
ゃない。貴方が見過ごしているのよ」
そう言って抱きしめられた。鼻の奥が痛い。それを見ていたおじいさ
んが笑って僕の頭をワシャワシャとかき回した。
僕は声を上げて泣いて・・・・そして笑った。
- 6 :BeniBana.3『拳骨』:08/01/11 00:02:15 ID:L0P3Dvl6
- 解放された大ホールの窓から春の夜風が入り込む。入れ替わりにホール内の
大燭台に灯された光が、外の闇に漏れ消えていく。
それだけでなく、このホールに集った賓客達の談笑する声も、夜の闇に消え
ゆく。
集まった人々をカリウィスはざっと眺めていく。サンドリアの主立った貴族
や役人がもっとも数が多い。ほかにはバストゥークの大使を筆頭とする使節団。
タルタル族の姿も見える。ウィンダスから招待された使節達だろう。小さな彼
らの為に専用のテーブルも用意されており、料理を取るのにも不都合無いようだ。
この宴は、サンドリアとバストゥークの捕虜交換の成功を祝う記念式典だった。
招待客はそれぞれに談笑し、共に知人を紹介し合い、人脈の輪を広げ情報を交換
していく。外交に携わる者にとってはもちろん、宮廷で生きる貴族達にとっても
人脈は力であり情報は武器だ。
公爵家の嫡男であるカリウィスにとってもそれは同様だ。矢と魔法の代わり
に視線と談笑が飛び交い、盾の代わりに礼節で身を守り、剣のごとき鋭さを隠
した穏やかな言葉で斬り結ぶ。外交という戦場をカリウィスは泳ぐ。
とは言え、彼は大洋に住む泳ぎ続けなければ溺れてしまうググリュートゥーナ
とは違う。少しばかり泳ぎ疲れ、軽く料理を取り休息していた。
- 7 :BeniBana.3『拳骨』:08/01/11 00:04:52 ID:L0P3Dvl6
- 「失礼、テンパランスヒル公爵公子。すこしよろしいですか?」
料理を食べ終え一息ついた頃にそう話しかけられた。視線を向けると見覚え
のある人物が軽く頭を下げた。
「これは、鉄石伯」
カリウィスはそう答えると、彼に向き直った。鉄石伯と呼ばれた人物は苦笑
して訂正する。
「その名は父の功績に対して贈られた物です。私は家督は継ぎましたが、父
が立てた功績を自分の物と思うほど勘違いはしていませんよ。どうぞ、シメオ
ンと呼んでください」
そう言って、シメオン・ハグドアグド伯爵は笑った。騎士として恵まれた体
躯のカリウィスに比べ、彼は線が細く穏やかな印象を与える。歳はカリウィス
よりいくつか上だろう。なでつけられた金髪と、眼鏡ごしの眼差しに宿った知
性の光がいかにも学術者という風情だ。
「では、私の事もカリウィスと。・・・・お会いするのは二度目ですが、前
回はこのように穏やかな話ではありませんでしたから、きちんと話が出来る事
は嬉しいですね」
「ええ、私もそう思います」
シメオンは少し顔を伏せた。彼は自らの父が犯した悪行を知っている。北の
収容所から帰ったカリウィスが幾つかの証拠品と共に話したのだ。話を聞いた
シメオンは驚愕のあまりしばらく茫然自失となったが、事実を隠蔽し鉄石伯の
名誉を守り伯爵家を安堵すると聞き、伯爵家の跡取りとしての自覚を取り戻し
た。
彼はカリウィスに丁重に礼を言い、速やかに鉄石伯の葬儀を行うと同時に家
督を継いだ。突然の領主の戦死に動揺する領民を素早く安心させ、各地の親戚
に挨拶をし自らの家督の継承を承認させ、その地位を確固たる物にした。
幸いにして、ほかに家督を争う親戚もおらず、突然の世代交代はスムーズに
進んだようだが、それでもここしばらくは目も回る忙しさだったろう。
だが、表面上はそんなことを微塵も感じさせず、シメオンは穏やかに話す。
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