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今はいないフレンドへの手紙3通目

248 :第398章 ときめき☆カラクリ大作戦 :06/12/09 16:04:15 ID:42GP71Oo
アルザビの大通りの一角から歓声が上がる。
その中心にはカラクリ士の装束を纏ったガルカと1体のマトンがいた。
芸を見せるカラクリ士は白門にもいるが、
このマトンはマスターの頭の上に乗せられたリンゴを射抜いたり、
マスターと短剣を投げあったりとかなり危険な芸を鮮やかにやってのけていた。
かちゃんかちゃんと十本の短剣がマスターの手に収まるとマトンが優雅に一礼した。
「ゴ観覧 アりガトウ ゴザイマシタ」
観客たちは惜しみなく拍手を送ると三々五々と散って行った。
マスターであるガルカは、大道芸の荷物を片付けるとその場でバザーを始める。
残っていた客は品定めをし、目当ての商品を買うとそそくさと消えて行く。
いつ蛮族の攻撃を受けるか分からないアルザビでは、用が終れば誰も足早に立ち去るのだった。

マトンの手入れを始めようとしたガルカは、
並べた商品を見るでもなく、うつむいたまま座り込んでいるタルタルに気がついた。
最近見かけるようになった、装備から暗黒騎士だと思われるそのタルタルは、
マトンの芸を本当に楽しそうに見ているのだが、
終ると酷く寂しげな顔をして去っていくので気になっていた。
手にしたマトンを隣に置いて、彼はタルタルをむんずと掴み上げた。
「きゃあ?!」
抗議の悲鳴を無視して彼はタルタルを膝に座らせる。
「ここならマトンがよく見える」
そういうと、彼はマトンを取り上げ手入れを始めた。
じーっとその様子を見ていたタルタルだったが、やがてぽつりぽつりと
がんばって、がんばって、強くなろうとするほど
自分が無力で要らない子のように思えてしまうと語った。
「タルタルの暗黒騎士なんて…ダメなのかなぁ」
ぽろぽろと涙を零し、泣きじゃくるタルタルの頭を彼は黙って撫でてやった。

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