■掲示板に戻る■
全部
1-
最新50
今はいないフレンドへの手紙3通目
- 200 :第386章「夢とは」外伝:06/10/17 16:48:55 ID:M+SaMPw5
- ふと、彼は振り返った。
そこには何もない。ただ、今まで走ってきた足跡がくっきりと残っていた。
とりわけ目立たないが、実際は数々の冒険で力を蓄えた体を持つヒュームの青年。青色の兜をかぶっているのでよくわからないが、黒い短髪をしている。
背丈は男性の標準程度といったところだろう。灰色の、縦に模様のついた特殊な鎧を着ており、同じ色の手甲をして、薄い茶色のズボンと、それに合わない赤色の靴を履いていた。
基本的に冒険者というのは見た目より性能を優先させるため、彼のようなちぐはぐな姿でも特に誰も何もいってはこない。
むしろそれが普通のため、ハッキリ言ってしまえばファッションは最悪だった。
「おい、何ぼーっとしてるんだ。いくぞ」
前から声がかかる。同じ目的を持つパーティメンバーのエルヴァーンの言葉だった。冒険者としての忍者を生業としているせいか、真っ黒な服装をしている。 正直いって、背丈の高さのせいであまり似合わない。
「あ、ああ・・・」
返事を返し、彼は再び歩みを戻した。生返事に聞こえたのだろう。パーティのリーダーであるエルヴァーンの男はいぶかしげに眉をひそめたが、こちらが歩き出したのを確認すると、再び前を向き直った。
極寒の、ウルガラン山脈の土地。 吐く息も白く、この世界には常に雪が降っていた。どこまでもどこまでも続く白い平原。ぶつかる大きな山々が、道を険しくしていた。山脈なのだから、当然といえば当然なのだが。
鎧のせいで足が雪に半ばまで埋もれる。魔法の暖がなければ、鎧の冷たさに耐えられないだろう。それでも、彼は前を歩いていった。
足跡が、雪の中を点々と生まれていく。そして、生まれていく最中から雪に埋もれ消えていく。
生まれ、消えていく、まるで・・・・
「おい、お前、ほんとにどうした? これからハードな戦いになるんだぞ。しっかりしろ」
再びリーダーに叱咤され、彼はすまない、と一言謝罪を述べ、後ろを振り向かないようにして前へと歩いていった。
- 201 :第386章「夢とは」外伝:06/10/17 16:50:32 ID:M+SaMPw5
-
極め尽くしたと思った戦士の道。だが、実際はそうではなかった。いくら体を鍛えても、いくら技を手に入れても、その先は長くながく、先の見えないトンネルのように続いている。
それが不安でもあり、楽しくもあった。そうだ、冒険者とは元来先の見えぬ道を行くものを指すことだ。先の見えてるトンネルを通るだけでは、それは冒険とはいえない。
冒険者はそれを楽しむもの達の総称なのだ。
だが・・・・
「よし、ここらでいいだろう。これよりここらの敵をすべて一掃する。すべて、我らの糧だ」
リーダーはそう宣言すると、山道をでてすぐに見えたデーモン族に刀を抜いて踊りかかった。
デーモン族。恐怖と畏怖の名で呼ばれるこのモンスターは、全身を黒く塗った、まさしく悪魔の姿そのものだろう。角を持ち、体そのものが鎧のような姿で、見た目に違わず硬く、武器を持って、魔法を使い、我らアルタナの民を襲う。
・・・が、自分達のような道を極めし冒険者にとっては絶好の修行台だった。よほど下手なことをしなければ、負けることはない。完全な勝ち戦だ。
そして敵を倒し続け、更なる極みに上ろうとする者たち、彼らはそれをメリポパーティと呼び、獣人達を何10匹、何100匹も倒し続けた。
いつか手にする、その新たな力の芽生えを求めて。
- 202 :第386章「夢とは」外伝:06/10/17 16:51:15 ID:M+SaMPw5
- ヒュームの男もその一人だった。リーダーが切りかかるのを見ると、すぐさま自分も片手で扱う斧を腰からはずし、力任せに振り落とした。硬いはずのその皮膚を易々と貫き、デーモンは小さな悲鳴をあげた。
人間では致命傷であろう傷も、奴らプロマシアの民にしてはさほど大したことではない。だが、数をこなせば確実に命を奪うことができる。
彼は、ぐっと力を体にため、一気に踊りかかった。ウェポンスキル。
「おら、おらぁ! いっちょあがり!ランペェジ!」
およそ技とはいえないような強引な斧の振り回し。だが、強引でもその動きは眼に見えないほど。一瞬にして5回の斬撃を受けたデーモンはたまらず倒れ、雪に埋もれた。じわり、と雪が血で汚れる。
純白だった雪の道に、紫色の血がにじみこむ。 じわり、じわりと。
「次いくぞ。油断するな」
リーダーの声に、自分以外のメンバーがうなずいた。
油断? はっ、そんなものこの戦士を極めた自分にあるわけがない。
永遠とただ、狩る。狩る。狩る。
無駄な言葉もない。ただ、すべてが狩猟のための動き。
(油断はない・・・俺に油断はない・・・けど・・・)
このトンネルは、明るすぎる
- 203 :第386章「夢とは」外伝:06/10/17 16:51:42 ID:M+SaMPw5
- 「たぁあああああああすけてぇぇぇぇえええええ!」
唐突に、その声は響き渡った。まだ、子供のような悲鳴。思わず、一瞬動きが止まる。
その隙に、デーモンがこちらに長剣で切りかかってきたが、寸でのところで武器で受け止めた。
ざくり、と、背後から刀で切られ、デーモンは崩れ落ちた。リーダーの一撃だった。
「気にするな。人助けに来てるわけじゃない。ここには他にもパーティはいる。そいつらが助けてくれるだろう。自分のことだけ考えろ」
そう、これだ。メリポパーティのほとんどはこの信念なのだ。
一瞬の沈黙。空から落ちてくる雪の音が耳に痛い。
自分の目指した冒険者というのはこういうものなのだろうか?
埋もれては消えていく足跡。まるで、今まで積み上げてきた戦士の力のように。後ろを振り向けば何もない。ただのまっさらな道。
じわりじわりと黒い点が広がっていく。点から、面へ。白い雪を汚すかのように。
自分はそうやって生きてきた。そして、そのうちにそれを気にすることもなくなった。それが当たり前であるように思ってた。
・・・そして
これもまた、当たり前のことなんだ。
「ああ・・・そうだな・・・」
決断をくだし、彼は小さくつぶやいた。
雪の白さが眼に痛い・・・
それから眼をそらすようにして横に顔を向けると・・・・
- 204 :第386章「夢とは」外伝:06/10/17 16:52:28 ID:M+SaMPw5
- 「たあああああああすけてえええええええええええ!」
そのシャウトは今度は間近で聞こえた。小さな子供がこちらに向かって走ってきていた。
いや、タルタル族だ。茶色のぼさぼさな頭をしていて、背丈はとても小さく、小柄だ。タルタル族なのだから当たり前なのだが。
紫色の胴着を着ていて、黒いズボンを履いている。この極寒の地でその格好はいささか寒そうだが、彼は特に気にしてもいないようだった。
いや、それでは語弊がある。気にする余裕がないのだ。
彼の後ろから巨大な青い山が追いかけてきていた。
違う、山ではない、山のように巨大なドラゴンだ。
「ヨムンガンド!?やば!逃げろ!」
リーダーの決断は早かった。ハイレベルノートリアスモンスターと見ると、すぐさま撤退に応じる。他のメンバーもそれに従った。
しかし、考えごとをしていた自分は突然な出来事に頭が回らなかった。
タルタルに追いつかれる。
「兄ちゃん逃げて!しんじゃうよ!」
タルタルの言葉に我に返る。気がつけば、ヨムンガンドはもう目の前までやってきていた。
「や、やば・・・」
あわてて逃げようと背中を向けた瞬間、ゾクリと背中があわ立った。戦士のカンが告げている。避けろと。
勘に従って横へ飛ぶ。そのとたん、自分のもといた場所がヨムンガンドに食われた。もし同じ場所にいたら、丸呑みされていたことだろう。安堵したのもつかの間、よけるのに夢中で着地を考えていなかった。
重い雪に埋もれて、もがく。重い鎧のせいで深くもぐりこんでしまった。口の中で叱咤しつつ、彼は起き上がる。
しかし、これだけの隙は、ヨムンガンドに次撃の間を与えるのに事欠かなかった。
起き上がった途端、口が見えた。真っ赤な口蓋。自分なんて楽に丸呑みできるほどの、大きな口。それがすぐ目の前にある。
(・・・終わり・・・か・・・)
不思議なことに、何故かとても穏やかだった。なんとなくこうなる気がしていたのかもしれない。
今まで助けを求めてきていた者を見捨ててきた自分にはいい結末かもしれない。
- 205 :第386章「夢とは」外伝:06/10/17 16:53:24 ID:M+SaMPw5
- が、
「させるかぁ!ターーーーーックルゥ!」
ガヅン!と重い音が響いた。先ほどのタルタルが体ごとヨムンガンドの長い首にぶつかっていた。
体が小さいから威力もさほどなさそうだったのに、ヨムンガンドは体のバランスを崩すほどぐらついた。攻撃が、止まる。スタン。
「今のうちだよ! いこ!」
こちらの手をとって走りだした。思わず引っ張られるが、歩幅の小さいタルタルだ。一生懸命足を動かしているが、やや遅い。
「・・・お前、タルタルのモンクなのか」
場違いな質問だとは分かっていたが、彼は問いかけていた。その質問に、タルタルが息を切らせながら答える。
「そうだよ!でも、今は逃げよう!巻き込んで悪いとは思うけど、そんなこと言ってる場合じゃないから!」
「お前は・・・なんでモンクをやってるんだ・・・?」
タルタルの少年の返答に被る形で、彼は再び問いを投げかけた。引っ張られるカッコウなので表情は見えないが、彼はきっと渋面を表しているだろう。こんな、死ぬかもしれない瀬戸際で悠長に質問しているのだから。
再び、ヨムンガンドが噛み付いてきた。しかし、それは先ほど投げた紙兵が身代わりとなる。習い覚えた忍者の技で、紙兵という紙を使い、自分の幻影を作り上げる術だ。
「・・・楽しいからだよ、オレにはモンクが楽しいから。ずっと、ずっと憧れていた夢だから。モンクの冒険者になるってのが」
それだけ、と、いって彼はこちらに顔を向けた。
その表情は笑っていた。
本当に楽しそうに、こんな窮地に立たされていても、彼は自分自身を楽しんでいる。この一瞬を、全ての時を楽しんでいる。
こんなに小さな体なのに大きな背中を持っているのだ。このタルタルのモンクは。
それを理解したとき、何かが切れる音がした気がした。何かが割れるような音がした気がした。
「・・・そう・・・だな・・・」
- 206 :第386章「夢とは」外伝:06/10/17 16:53:49 ID:M+SaMPw5
- つぶやいた。自分は、本当は冒険者を始めたときモンクだったのだ。この世界の全ての敵を、この拳で屈服させてやる。そんな意気込みをもって出てきたのだ。故郷を捨てて。
だが、実際はどうだろう。自分は戦士になっていた。モンクは、何かと他の前衛の仲間と連携を取りづらい。そのため、パーティとは敬遠される傾向がある。
一時期はそれもまたモンクの側面だと耐えていたが、溜まりにたまった不満は結局爆発するしかなかった。
そして、戦士となった。戦士ならば、あらゆるパーティに対応できるから。そして、パーティをとても組みやすいから。
ただ、そのためだけに自分の夢を捨てたのだ。
(意味がないよな、何のために冒険者になったんだか)
自分を叱咤して、彼は気を入れなおした。欠けていたパズルのピースがはまった気がした。
「もう遅いかもしれないけど・・・もう一度夢を見にいこうかね!おら!置き土産だ!受け取りな!」
叫びながら、彼は斧を投げた。丁度攻撃に転じようとしていたヨムンガンドの頭にカウンター気味に直撃する。
「うわ!ちょっと兄ちゃん!今のはトマホークじゃなくてジャガーノートっていう高級装備じゃ!?」
「いいんだよ、今の俺にはいらないものだ」
息を吸い、続ける。
「ヨムンガンド!そいつは預けたぞ!まってやがれ!必ず奪い返しにいくからな!」
その叫びを上げたとき、何かが晴れ渡った。雪がやんでいた。雲の隙間から、太陽光が顔を出していた。
普通はトマホークという専用の斧を投げる技だったのだが、強力な武器を投げたせいか、ヨムンガンドに大きなダメージを与えられたようだ。ふらりと体をふら付かせて悲鳴を上げている。
その声だけで、体がすくみそうな思いだったが、内心わくわくしていた。これから、あれを奪い返しにいけるのだと思うと笑いがこみ上げてくる。
「あばよ! また会おうな!ヨムンガンド!」
「うわ、ちょ、自分で走れるからやめろー!」
じたばたと暴れるタルタルを小脇に抱えて――足が遅いので抱えて走ったほうが速い――彼は走り出した。
彼の走った雪道にはくっきりと、足跡がついていた。それは、天気がはれた今は雪に埋まる様子もなかった。
- 207 :第386章「夢とは」外伝:06/10/17 16:54:25 ID:M+SaMPw5
-
「さて・・・と、用意はいいか?」
黒髪のヒュームの男性が言葉を投げかけた。紫色の胴着を着ており、腰にはナックルを下げていた。
「いつでもおっけーだよ」
言葉を受け、タルタルの少年が答えた。こちらもヒュームの青年と同じ格好をしている。
「やーっと、ここまでたどり着いたな。師匠」
「師匠はやめてよ。でも、ここがおわりじゃないよ。まだまだこの先もあるよ、愛弟子よ」
「愛弟子はやめろって・・・そうだな。俺らの冒険は終わらないよな」
師匠、と呼ばれたタルタルの少年は笑みを浮かべた。それが答えだ。
弟子、と呼ばれたヒュームの青年も笑みを浮かべた。本当に、楽しそうに笑う。
「お前ら、盛り上がるのはいいけど、そろそろ行くぞ。用意はいいか?」
メンバーのガルカが言う。口調こそ厳しいが、彼も笑っていた。
これから命をかけて挑む戦いに。先の見えないトンネルへ冒険に行くことに。
二人はうなづくと、ナックルを外した。ヒュームとタルタルの二人が互いの拳をあわせた。
ガツン、と甲高い音がする。
「俺の拳の前にひざまずいてもらうぜ」
「いいや、オレのほうだよ、オレのほうが手数は多いもんね」
二人して、にへっと笑うと、視線を振り上げた。青い山が、ドラゴンがこちらに向かって走ってきていた。
何故かそのドラゴンの頭には、斧が刺さっていた。古い傷のようで、ドラゴンの一部のようになってしまっている。
「いくぜ、ヨムンガンド! あの日の夢を返しにもらいにきたぜ!」
ヒュームの青年は叫び声を上げると、拳を振り上げて踊りかかった。
- 208 :(・ω・):06/10/17 16:55:39 ID:M+SaMPw5
- 長い、とか、改行なくて読みにくい、とかは勘弁してくださいorz
それ以前に引き寄せがあるじゃん、っていうツッコミはなしの方向で・・
- 209 :第384章「食卓」外伝:06/10/17 17:34:13 ID:PMMhd2kp
- 上流階級の家庭の主婦は台所に立たないと思われがちでございましょ?
私、それはもったいないと思いますの。料理は高尚な趣味ですわ。
高価な食材も存分に使えますし。
さて、何を作ろうかしら……
ママがまた冒険者と楽しそうに話をしている。
でもね、ママ。
ネムリタケの入ったサラダも
トレントの球根を煮込んだシチューも
ワイルドオニオンの炒め物も、いい加減飽きたよ…
偉そうに言ってるけど、ママはこの3つしか作れないんだもん。
たまにはドラゴンステーキとか、王国風オムレツとか食べたいなぁ。
あ、パパ。
ママに内緒で外食?
行く行くーーーーーーーー!
ねぇ、パパ。
前のコックさんは何で辞めちゃったの?
早く新しいコックさんが見つかるといいね。
- 210 :第384章外伝 「食卓」:06/10/17 17:35:54 ID:OLjoFgXb
- 第384章 「食卓」外伝
「はい、あ〜ん」
「あ〜ん、じゃねえって。」
「なによー、まだおこってるの?
いいじゃん、一回くらい失敗したって。」
「すっげー社長に怒鳴られたんだって。
あーもー、まだ耳がキンキンしてるよ」
「だからー、こうして、久しぶりに手料理つくって、
なぐさめてあげてんじゃんw」
「材料費、俺の財布・・・」
「あなただって、ノリノリだったくせに。。
「【硬化】>【振動】=【分解】とかいってw
壊れるかと思ったわ」
「うーー」
「はい、あーん?
いちご付きですよー。」
「・・・あーん。」
あまり広くない机の上に、料理がところ狭しと並んでる。
「貸家だから、文句言えないけど・・・
もう少し、大きい家具欲しいね。」
「そうだなあ、買った家具はみんな国だしな。」
「ねえねえ、久しぶりにバスに帰ってみようよ
料理つくってたら、バスの味なつかしくなっちゃった。」
「おお、いいな。久しぶりに蒸気亭とかいくか。」
「ベッドも大きいのあるしwww」
・・・【緊急です】【テレポデム】【いたわる】10k(>_<)
- 211 :(・ω・):06/10/18 08:50:00 ID:BOIop5Gf
- >>200-208
確かに読みづらい。
けど、ちゃんと読むと割と面白いな。
ところでこのタルタルはどっかの小説でみたことあるきがす・・・
しょっちゅう逃げてるあのタルタルモンクと同じか?
- 212 :第387章「あの青い空の向こう」:06/10/18 15:51:03 ID:ujq2U3Ns
- タルタルの魔道士が転がるように走っていく、
飛び立つ飛空挺の後姿をみてガックリとうなだれた。
それを見ていたエルヴァーンの騎士は「駆け込み乗車は危険ですよ」
と言うと釣りを始めたが、竿は一向にふれずイライラとしているようだ。
「あれじゃぁ・・・釣れないわねぇ」とミスラはこっそり呟いて
鼻歌交じりに尻尾で調子をとりながら次々に魚を釣り上げている。
釣り上げた魚が1匹、壁にもたれて居眠りをしていたヒューム男性の元に落ちると
慌てて飛び起きて「あー寝過ごした・・2回目だ・」と肩を落とす。
それを、遠巻きにみながらクスクスと忍び笑いをしているのは、
飛空挺乗り場でバザーしているエルヴァーン女性の二人組。
「本当は3回なのにね」「起しても起きないんだもの」と呆れ顔だ。
大量の荷物を持ったガルカの商人が、バザーから食料品を買い占めた。
驚いて目を丸くした二人に、ガルカは豪快に笑うと乗り場に並んだ。
遠くから飛空挺の音が、徐々に近づいてくる。
水しぶきを上げて飛空挺が着水すると乗り場に滑り込む。
待っていた人々は、吸い込まれるように飛空挺に乗り込んでいった。
「まってー!!」と叫びながら、出発ギリギリに飛び乗ったヒューム女性を
押し込めるように飛空挺の扉が閉まる。
「キャーー忘れ物!」と声が聞こえたような気がしたが、飛空挺の起動音にかき消される。
飛空挺は水面をすべり加速して、曲線を描いて空に飛び立つ。
皆、あの青い空の向こうへ消えていく。
どうか旅中安全でありますように。
「あー行っちゃった」
足元で可愛らしい声が聞こえた。
体に似合わず大きな剣を背負ったタルタル女性だ。
私は時計をみて時間を計算する。
「次の飛空挺の到着時刻はヴァナ時間で4時間、地球時間で10分後です」
第388章「忘れがちなこと」
- 213 :第382章「寂れたジュノの街」外伝1:06/10/18 18:28:28 ID:6ZecGv1h
- >>190 こんな話でよければ
「何時までも惨めな敗北者を慕い続けてるなんて馬鹿な野郎だぜ!」
ヤツの嘲笑が耳について離れない俺は、居ても立ってもおられず、
カドゥルハイドゥルの手に白銀貨を押し込んでジュノへと飛ばしてもらった。
時間は21時少し前。
急いでジュノ下層まで駆け下りた俺は、人通りも疎らな大通りを目の当たりにして愕然とした。
半年前まで溢れていた活気とか喧騒とか、そういうものがきれいさっぱりなくなっていた。
人気も無く薄暗い石造りの大通りはヤケに寒々として見え、
俺は堪らず雪山で凍える人のように両手で自分を抱きかかえた。
ぽっと視界の隅が明るくなった。
ひとつ、またひとつと暗い街路を照らす明かりが増えていく。
誰かが街燈をつけて歩いているのだ。
俺は目を凝らして闇を退けながら歩いてくる、その誰かを待った。
最後に灯った街燈の下に立っていたのは、白髪の老エルヴァーンだった。
彼は満足そうに明るくなった大通りを眺めて頷くと、左足を引きずってゆっくり歩き出した。
俺は彼の前に立ち、声を掛けた。
「お久しぶりです」
「おやおや、ぼうずか、元気にやっとるかの?」
老エルヴァーンは嬉しそうに眼を細めて俺に笑いかけた。
「もう子ども扱いは辞めてください。これでも引退した時のあなたと同じぐらいの実力はありますよ…」
「ふふん、それぐらい見れば分かるわい。ふぅむ、何やらワシに話があるようじゃの」
俺が切り出す前に、彼は自宅へ来るようにと言った。
- 214 :第382章「寂れたジュノの街」外伝2:06/10/18 18:29:12 ID:6ZecGv1h
- 大通りの一筋奥の通りにある彼の家は、老人が余生を送るには充分過ぎる広さと快適さを備えていた。
「故郷には帰らなかったのですか?」
彼が入れてくれたサンドリアティーを飲みながら、俺は切り出した。
「おや?ぼうずは知らなんだかのぅ。ワシの故郷は今はダボイと呼ばれる場所じゃよ、帰る家も迎えてくれる家族もとっくの昔に亡くしておる」
「でも、引退する時に“故郷に帰る”と…」
「冒険者として半生を過ごしたジュノはワシの第二の故郷なのじゃよ。さて、話とは何じゃ」
どきんと胸が鳴った。そうだ、それを聞くために俺は来たんだ。
「何故、街燈ボランティアなんてやってるんです?かつて世界を救った英雄であるあなたが!あんな惨めなことしなくてもいいじゃないですか…っ!」
彼はきょとんとした顔で俺を見詰め、やがてワハハハと大笑いし出した。
「何がおかしいんです!?」
怒りをぶつける俺をやんわりと諭すように彼は話し始めた。
彼がジュノに来た頃は、冒険者はならず者と大した違いはないと思われ、ろくな扱いを受けないのが常だった。
そんな彼をジュノの街人は懐深く受け入れた。
まだ都市国家として機能し始めたばかりのジュノは、様々な問題を抱えていた。
彼は率先して街のトラブルを解決し、押し寄せるモンスターを撃退した。
傷付き疲れ果ててモンスターの徘徊する荒野から戻った彼の眼に、
ジュノの灯はまるで時化の海で道を示す灯台のように見えたという。
誰が毎日灯りを点けているのだろうと、ふと気になった彼は、暗くなるのを街燈の下で待ってみた。
しばらくすると小さな子供の手を引いた女性が、カンテラを下げてやってきた。
「あなたが毎日街燈を付けているのですか?」
彼は若い母親に向って問いかけた。
彼女は首を振って答えた。
―ここはかつては漁村でしたから。
夜の海に出ている夫のために明かりを灯し、帰りを待つのは妻の勤めでした。
私の夫は商人です。今も何処かの荒野でキャラバンを率いてジュノを目指していることでしょう。
私はここに居るよ、あなたの帰る場所はここですよ…そんな願いを込めて、毎日誰かが点けているのです。
今日は、それが私だっただけのこと―
軽やかに笑うと、彼女は街燈を灯して去って行った。
彼の抱いた思いは間違ってはいなかった。ジュノは灯台なのだ。
- 215 :第382章「寂れたジュノの街」外伝3:06/10/18 18:29:38 ID:6ZecGv1h
- やがて、異国からの傭兵募集に飛びついた腕利きの冒険者たちが去っても、
ジュノは駆け出しの冒険者が初めて訪れる街としてそれなりに賑わっているという。
ただ、腕利きの者たちが居なくなってしまい、危険な夜の狩りに出る者は少なく夜は少々寂しくなる。
そんな冒険者のために彼は街燈を点けて歩くのだという。
お前たちの帰る場所はここだよと。
「それでもぼうずはワシが惨めじゃと思うか?」
立ち上がった彼の身体は、引退した時と変わりなく引き締まり鍛え上げられていた。
最後の戦いであわや切断かと言われた大怪我を負った左足は、あの時はぴくりとも動かなかったはず。
引退式の時も両脇を人に支えてもらって、やっと立っていたのに。
彼は今、引きずりながらではあるが杖も持たずに歩いているではないか。
その努力や、押して知るべし。
なんてことだ、彼は未だに現役のナイトだった。
―我は常に先陣にありて、未来を切り開きし者なり!―
かつて彼が、皆を鼓舞した言葉が耳に蘇る。
「いいえ…ちっとも変わってないんですね」
「当たり前じゃ。そうそう人が変わるものか」
彼は壁まで歩いていくと、そこに掛けられていた一振りの片手剣を手に取った。
「もし――また世界が滅亡の淵に立たされることがあろうとも、ジュノはワシに任せておけ。ぼうずたちが異国から駆けつけるまで、充分持ちこたえてみせるぞ」
ぶんと空を切る切っ先の鋭さに衰えは見えなかった。
「俺らが来た頃には、ひとりで片付けちゃってるくせに」
「ワハハハハ!その通りじゃ!」
ああ、この人は、本当に…
俺は溢れそうになる涙をぐっと堪えた。
まだまだ俺は彼の足元にも辿り着けていない。
この人は永遠に俺の師だ。
彼の家を後にした俺は、すっかり人通りの無くなった大通りの真ん中で立ち止まった。
暖かなオレンジの光のひとつひとつが、彼の思いを強く優しく宿して輝いていた。
―ワシはここにいる―
風は冷たかったが、ちっとも寒く感じなかった。
俺も俺の居るべき場所へ帰ろう――
呪符を一枚、星空に放り投げた。
- 216 :(・ω・):06/10/18 20:25:36 ID:jBM+DmdN
- >>213-215
素敵なお話をありがとうございました!
- 217 :第388章「忘れがちなこと」1/3:06/10/19 03:31:31 ID:ti4VqpBA
- 「はぁ・・・。」
ここ最近のぼんやりとした日々。
釣り糸を垂らしながら、出る言葉は無く溜息の連続。
冒険者になって、大好きなモンク一筋で頑張ってきた。
女だからって馬鹿にされたくなくてリーダーだってやったし
装備だって可能な範囲で揃えてきた。
・・・そのつもりだった。だけど先日組んだメンバーの一言に、ついカッとなって
リーダーを放棄して帰ってしまった!何と言う事だろう!
果ては、襲い来る嫌悪感と虚脱感に苛まされ飲んだくれの日々。
見兼ねた知り合いが占い屋を紹介してくれた。
「まぁ、騙されたと思って言われた通りにしてみたら?」
その占い屋を紹介してくれた知り合いは、何時も通りの飄々とした口調で言った。
良く当たると評判らしく、胡散臭いと思いつつも今の状況を抜け出すきっかけになればと
縋る思いで扉を開いた。
「懐かしい場所に思い出の装備で」
占い師にそう言われ、アーティファクトに身を包みセルビナに数日滞在してみるものの
出るのは溜息ばかり。
「そんなに溜息ばかりでは、魚も逃げ出してしまうぞ」
振り向くとエルヴァーンの老人が微笑みながら近づいて来る。
「別に良いんです・・・釣れなくても・・・」
「おや?おかしな事を言う?お前さんの釣り竿は何の為にあるんじゃ?」
「・・・特に意味なんて無いです」
私がそう呟くと、老人は穏やかな口調で
「今のお前さんと同じじゃな」
「え?」
表情は口調と同じぐらい穏やかだが、目の奥は鋭い光があった。
「お前さんは大事なことを忘れておる」
「だいじな・・・こと?」
「それを思い出せない限りは、何日此処で過ごそうと変わりはしないじゃろう」
「・・・」
確かに滞在してはみたものの、特に心境に変化も無い。
たまにセルビナで過ごした昔を思い出しては溜息の連続。
- 218 :第388章「忘れがちなこと」2/3:06/10/19 03:36:17 ID:ti4VqpBA
- 何を忘れたのだろう?
自問自答しても、靄がかかったように答えは出ない。
仕方なく帰り支度を始めるが、デジョンガジェルを忘れた事に気が付いた。
「あ〜・・・しまったなぁ。こんな所じゃテレポもデジョンも頼めないだろうし・・・」
何も考えずに来てしまったので、よりによってサポ戦士。
「仕方ない、歩いて帰るかぁ」
遠い帰路を思い、深い溜息がこぼれた。
明け方の砂丘はひんやりとした空気に包まれ、時折遠くで聞こえるパーティの剣戟ぐらいで
行き交う人も無く、自分の足音がサクサクとやけに響く。
街の影も小さくなった頃、遠くから剣戟とは明らかに違う音が微かに聞こえた。
目を凝らすと、小さな砂煙が見える。
誰か追われているのだろうか?軽く舌打ちして走り出す。
- 219 :第388章「忘れがちなこと」3/3:06/10/19 03:37:58 ID:ti4VqpBA
- 砂煙の主はエルヴァーンの若い青年で、格好からして私と同じモンクだろう。
必死の形相でゴブリン2匹から逃げている。駆け出しの冒険者か。
「はっ!」
気合の声と共に気をゴブリンの1匹に叩き込むと、もう1匹には挑発でこちらに注意を
引き付ける。難なく1匹目を倒した後、夢想阿修羅拳を叩き込む。
「もう大丈夫だよ。立てるか?アンタ」
手を貸そうかと伸ばした手を、強く握り返しながらエルヴァーンの青年は
ガバッと飛び起きた。
「スゴイ・・・初めて見ました!!あんなスゴイ技っ!とっても強いんですね!!」
「はぁ・・・?そりゃどうも」
キラキラと目を輝かせながら、尊敬の眼差しで見られた私は視線を逸らしながら
「でも装備だって普通だし、世の中もっと凄い奴なんてゴマンと居るんだよ」
「え?その装備って噂に聞くアーティファクトですよね?取るの大変って先輩から聞きましたよ?」
「それに、挑発で助けてくれましたよね。俺まだ駆け出しで殴るぐらいしか出来ないから
羨ましいな〜って。それがあれば、大切な仲間とかパーティのメンバーとか俺も守ってやれるのに」
「・・・」
一方的にまくし立てる青年の生き生きとした顔をぼんやりと眺めていた。
「俺、昔から力しか無くって悪さばっかりしで・・・。そんなんで冒険者になったけど毎日
悪さしてたら、ある時冒険者の先輩から『今のお前の力は只の破壊でしかない』ってさ。
そりゃもうスゲー強い人で、俺なんかコテンパにやられちまったけどな〜」
屈託なく笑う青年の言葉が響く。
昔、同じ様に殴るしかなく成す術も無くパーティを仲間を傷つけられ、どれ程切望しただろうか。
・・・守る力を技を。能率に固執する余り忘れていた大事なこと。守りたいから強くなりたい。
「そうだね、守りたいと思う気持ちを忘れたらダメだね」
呟いた私に青年は満面の笑みでと答えてくれた。
- 220 :第388章「忘れがちなこと」4/3:06/10/19 03:42:24 ID:ti4VqpBA
- 暫く休んだ後、青年は「これも修行だから!」と言い、一人セルビナに向かって歩き始めた。
私は軽くなった心と共に足取りも軽く帰路を急ぐ。
アトルガンに戻ると、フレンドや知り合い達が声を掛けてくれる。
「おっか〜」「調子良くなったみたいだね〜やっぱそうでなきゃ!」「お土産は?」
「ね?良く当たるデショ〜!」「冒険行こうぜー!!」
忘れがちになっちゃうけど、大事なこと。
卑屈にならず、自分らしく。旅を終える最後の瞬間まで笑っていたいから。
「よっしゃー!冒険に出掛けよう!」
第389話「優しい雨」
- 221 :第388章「忘れがちなこと」筆者 :06/10/19 03:45:31 ID:ti4VqpBA
- 分割が悪くて申し訳ないです(つд・)ミエニクイデスネ
初投稿なので、誤字、脱字、話に盛り上がりが無い&矛盾は許してくださいOrz
- 222 :(・ω・):06/10/20 04:55:14 ID:LPMOdhCM
- >>221
イインダヨー
- 223 :第389章 「優しい雨」:06/10/20 07:19:42 ID:0yr3H3Vn
-
強く雨が降りしきる中、女が涙声を張り上げていた。
女の目の前には、男がいた。うつむいて、木箱に座っていた。
男は黙っていた。女の声と、屋根と石畳を叩く雨音がうるさかった。
白いローブが、水を吸って女を覆っていた。
もう1年前の話だ。
男の間違いで、一人の冒険者が死んだ。
男は親友を失い、女は恋人を失った。
男は、旅を捨て、職を捨てた。その男を女は放っておけなかった。
男女はジュノに留まり、物を作って、細々と暮らした。
男女はそれから一度も旅に出ていない。
志を捨て、過ちで自らを責める男は、だんだん鬱屈していった。
初めは些細なことが原因だったが、少しずつお互いがつらくなっていった。
女は、男にもう一度旅に出て欲しかった。
男は、女がいつまでも旅装束を着ていることが気に入らなかった。
自分が、女の枷になっていることがつらかった。
男が何か一言二言口にすると、女は首を振って、両手で顔を覆った。
女は逃げたくなった。自分の泣声が嫌だった。バシャバシャという雨音がうるさかった。
一歩二歩と下がり、魔法を唱えた。どこでもよかった。
叩きつけるような雨から逃げられればどこでもよかった。
男は、女がさっきまでいた場所をしばらく眺めた後、追った。
女がどの魔法を唱えたかはわかっていた。
ラテーヌも雨が降っていた。
男は女を捜した。すぐ見つかった。大岩の陰に、うつむいて座っていた。
男は近づいて、女に声をかけようとしたが、やめた。
そのまま、女の隣に座った。
男女は寄り添って、大地に染みゆくような雨音を聞いていた。
第390章 「嘘つき」
- 224 :第389章 優しい雨 ー外伝ー 1/2:06/10/20 09:13:01 ID:LPMOdhCM
- 第389話「優しい雨」 外伝
天気は雷雨。黒い雲が辺りを覆い、時々稲光を見せながら波打っている。
ジャグナーでは、特に珍しい事でも無い日常の光景だった。
唯一日常的とは言い難い光景といえば、この鬱蒼としたジャグナーの森の中、
一本の割と大きめな木に黒く巨大な鎌が突き刺さり、その根元に目を瞑り座っているガルカがあった。
大粒の雨がガルカに当たり、小さな川の様な線を描きながら流れていく。
一見、ただ休憩しているようにも見えるが、異様なのはその周辺含めてで、
ガルカを中心にフォレストタイガー達が、輪を作り取り囲んでいることだった。
いや、コレもさして異様な光景とは言えないかも知れない。
フォレストタイガーの狙っている獲物が異様さを醸し出しているのだ。
ガルカは少し腐敗が始まっていた少女とも見える首を抱えていた。
「これが欲しいか…?」
ガルカが口を開くと、フォレストタイガーがじわりじわりと詰め寄り始めた。
「そうか、欲しいか。」
ガルカは言い終わると同時に左手に抱えた少女の首を投げる仕草をした。
その瞬間、一斉にフォレストタイガー達がガルカ目掛けて飛び掛って来ると、
その巨体には似つかわしいく無いほどに、素早く身を翻しながら立ち上がり、
突き刺していた巨大な鎌を右手で掴み、一拍置いて全体重を右足にかけ踏み込み、
目を見開き潰すべき敵の姿を捉える。否、捉える必要は全く無い、何も見えていない。
何故なら、その繰り出される一振りは、木から巨大な鎌を抜くという工程を省き、
木をぶった切りつつ力任せにぶん回し、その力任せの一撃に巻き込まれるようにして、
フォレストタイガーの体が砕け散り、辺りには肉片と雨音、
そして巨大な漆黒の鎌を天高く掲げるガルカの姿だけが残っていた。
「こいつは、俺が泣いているとぬかした。
その理由が分かるまで、こいつは渡すことは出来ない。
残念だったな…。」
巨大な鎌をズシッと音を立てて地面に下ろし、少女の首に目をやり、傷が付いてない事を確認すると、
ガルカは空を見上げた。相変わらず、空は黒く波打っている。
「この空は、俺の心その物か?」
その問いかけに答えるように空が光る。
ただの稲光だが、ガルカは少女が答えてくれているのだと思えていた。
- 225 :第389章 優しい雨 ー外伝ー 2/2:06/10/20 09:17:14 ID:LPMOdhCM
- 『泣いてもいいと思うんだ。
悲しかったら涙を流すのは自然な事だと思う。
悲しみや憎しみを溜め込むのは暗黒騎士だけで十分だよ。』
…俺は暗黒騎士だ。涙は流せない。代わりに涙を流してくれないか…?
雨が少し強くなったような気がした。
ガルカの顔を流れる雨の一筋が、ガルカを泣かせている様に見えた。
- 226 :(・ω・):06/10/20 15:55:47 ID:/3shLruj
- おおぅ、黒石隊のガルカの話か!
- 227 :(・ω・):06/10/20 16:51:24 ID:uKk8gxUH
- 黒石隊ってなに?
>224-225 良かったです!乙!
- 228 :(・ω・):06/10/20 16:53:26 ID:/3shLruj
- 315章の登場人物
前スレ見てくるよろし
- 229 :第390章「嘘つき」1/2:06/10/21 02:57:33 ID:iUdvB58i
- 悪い事、そして良い事もやってきた。
しかし、悪行のもたらす評判というやつは、善行のそれを打ち消してしまうもの。
彼は評判の悪い冒険者だ。
首と胴が繋がっているのは、所詮小悪党。嫌われはするが憎むには値しない、その程度の存在だからだ。
国からのサービス目当てで、冒険者を名乗っているだけのごろつきである。
そんな連中はいくらでもいて、彼はその中の一人だった。
くだらない仕事をつまらない理由で失敗し、ひなびた町でほとぼりをさます事になった。
またか、と彼は思う。
こうなると、手持ちの金を使い切るまでフラフラとし、またジュノへ潜り込むのが常である。
町でも最低の安宿に腰を落ち着けて、そろそろ三日、彼が都会の享楽に飢え始めた頃、一人の来客があった。
冒険者が滞在していると、どこかで聞きつけてきたのだろう。まだ年端もいかない少女だった。
その少女は用件を切り出す前にこう言った。
「あなたも、嘘つきですか」
まともな依頼であるはずもなく、報酬など期待できないと思った彼は、ああウソつきだよ、と言い追い返そうとした。
しかし少女は執拗に食い下がり、話だけは聞く事になった。
彼女の父親は、冒険者であった。母親はすでに亡くなっている。
子供をかかえて遠出をできるわけもなく、町の近くをうろつくモンスターを狩って、わずかな収入を得るだけだったという。
そんな生活に退屈したのだろう。大きなもうけを得ようと、パルブロ鉱山へ遠征をした。
そして帰ってこなかった。半年前の出来事だ。
父親はもう帰って来ないと、周りの大人は言う。
しかし彼女はそれを嘘だと決め付ける。父親は、必ず帰る、と約束したからだ。
依頼は、その父親を探し出して、連れて帰って欲しい。
このご時世よくある話だった。どう転んでも良い結果は出ない、最低の仕事だ。
しかし、彼はこの依頼を受けた。
彼の少年時代と重なる少女の境遇に、同情したわけではない。自分はそんなに甘くはない。
きまぐれだ、と、自分に言い聞かせて。
- 230 :第390章「嘘つき」2/2:06/10/21 02:57:55 ID:iUdvB58i
- 鉱山は獣人の巣である。
彼は何度も命を落としかけた。
普段なら、ちっぽけな報酬のためにここまではできない。
しかし、あえてそれは考えず、無心に探索を続けた。
そして、彼は目指すものを見つけてしまったのだ。
少女には父親の遺品だけを渡した。
見つかったのはこれだけだと嘘をついた。
彼女は何か聞きたそうに彼を見つめた。しかし「そう」とだけ言い、報酬を払って去った。
事実を告げた方が良かったのだろうか、彼には分からない。
結局、彼女の信じたい事は全て嘘で、信じたくない事が真実だった。
彼は、その日のうちに荷物をまとめて、町を去った。
- 231 :229:06/10/21 03:03:16 ID:iUdvB58i
- 第391章「一昨日の出来事」
忘れていました。申し訳ない。
- 232 :第391章「一昨日の出来事」 :06/10/23 12:21:17 ID:X4tjDdEj
- 前回の章の語り部が次章のお題出すの忘れてました、まる
第392章「内藤たるたる物語:流星の騎士団」
- 233 :第392章「内藤たるたる物語:流星の騎士団」:06/10/23 13:25:08 ID:resIuGeW
- 太陽が沈み周囲が薄暗くなり始めた頃、一人のナイトが重々しく言葉を続けた
本日、騎士団の諸君に集まっていただいたのは他でもない
最近話題になっていた事についてだ。
早速、本日の議題についてだが、、、
さまざまな意見が飛び交い議論が交わされ続けた
どれほど時間がたったのだろう
気が付けば空が明るくなり始め、いままさに太陽が昇ろうとしていた
ようやくたどり着いた結論
それは・・・
騎士たるもの規律と礼儀を何よりも重んじるべきであろう
といった内容だった
ようやく議論もまとまり、何人かが席を立ち始めた時
「・・・ったく空気も読めよな〜」
一番末席に座っていた小さなナイトがポツリと呟いた
第393章「昨日の出来事」
- 234 :第393章「昨日の出来事」 :06/10/23 17:46:04 ID:9PRDHnTj
- えーっと、昨日はみんなでBCへ行ったんだ。
結構苦戦したのは覚えてるんだけど、最終的に勝ったのか
戦利品がなんだったのかを全然覚えていない。
さっき、昨日一緒だった忍者さんから
「昨日の分配送っておくからうけとってね」
って手紙とお金が届いてたから、勝ったのだと思う。
それにしても頭が痛い。ガンガンする。
白魔さんにちょっと見てもらおう・・・・・・
出掛けるのに鞄を持つと、鞄から空のビンが転がり落ちる。
鞄をあけると、空のビンがいっぱい入っていた。
ひとつ取り出して、ラベルを見る。
【ヤグードドリンク】
[闇/腐敗] ヤグードチェリー, ブブリムグレープ x 3
飲みすぎ注意。
第394章「違いがわかる人」
- 235 :第394章「違いがわかる人」 :06/10/27 12:56:05 ID:EW5oJdF3
- てんぱいぽんちん体操のときの、
揺れ具合から、
みずしまさんの体調がわかるって、
とおちゃんが言ってた。
第395章 「おしむじゃぱん」
- 236 :第395章 「おしむじゃぱん」 :06/10/27 13:42:09 ID:NeIkVmXn
- 「これは強敵でござる。どうすれば?」
聞く前に自分で考えて自分で判断しろ!どう見ても勝ち目はないだろ!
「撤退でござろうか?」
動け!走れない奴は生き残れない!
「ここは拙者が明鏡止水で食い止めるでござる!」
一人の英雄はいらないんだ!規律を守れ!
ここは、ひんがしの国
報酬に目がくらんで集団戦の指導を引き受けたものの・・・先が思いやられる。
前の指導者が自由に動けとかなんとか言ったばかりにパーティープレイのパの字もできない
やれやれ、ちょっと来るのが早すぎたようだ
今頃仲間達は中東を満喫しているのだろう
「無念でござる・・」
はいはい、衰弱治ったらまた起用するから。今は大人しく治療に専念しときなさい。
第396章「シンジラレナイ!」
- 237 :(・ω・):06/11/01 00:11:34 ID:DevMyJcC
- age
- 238 :第396章「シンジラレナイ!」 1/2:06/11/07 18:10:31 ID:Cq0+kMxl
- 気が付いたときには、私の体中に血が付いていた。
何があったのかは覚えていない。いや、思い出したくないだけかもしれない。
力強く握り締めている片手斧には血と脂と何かが付着し、ヌラヌラと光を反射している。
体が妙に重く、だるい…。
目が霞み、景色が揺らぎ、今自分が歩いているのか、立っているのか座っているのかもわからない。
ここは…、どこだ…。
何かが擦り寄っている感覚がした。
脇に目をやれば、そこにはトラが私の体を支えるように一緒に歩いてくれていた。
「おまえ…、無事だったのか。」
「グルルルル…。」
私はトラの頭を軽くなでて、トラの背中に倒れこむように伸し掛かってしまった。
「すまない…、少しつかれ…た。」
意識が遠のき、何も感じなくなった。
「ハァ…、ハァ…、ハァ…。まずいぜ、これは…。」
「いっ、嫌よ!こんな所で死ぬなんて!」
「落ち着くんだみんな!まだ、負けと決まったわけじゃない!」
私達はオークに囲まれていた。
久しぶりの仕事にありつけ、ダボイでオーク狩りをしていたんだ。
ところが、思わぬ反撃により白魔道士が死に、PT壊滅の危機を回避すべくダボイを逃げ回った。
しかし、私達には土地勘があまりも無かった。迷ったのだ。
そして、オーク達に囲まれ、絶体絶命の危機に陥っていた。
逃げる、逃げる、逃げる、逃げる、ひたすらに逃げる!
終始無言の黒魔道士のタルタルに矢が突き刺さり、「うっ!」と呻きを上げ生涯を閉じた。
最後まで諦めず、檄を飛ばしていたナイトが、空から降ってきたオークの槍に頭から串刺しにされ逝った。
赤魔道士目掛けて突進してきたオークの盾になったモンクが吹き飛ばされ、倒れたところを狙われ嬲り殺された。
もう、私と赤魔道士しか残っていなかった。
全滅も時間の問題だったが、それでも必死で逃げ続けた。
- 239 :第396章「シンジラレナイ!」 2/2:06/11/07 18:12:07 ID:Cq0+kMxl
- なんとか運良く洞窟に逃げ込み、私達はしばしの休息をとっていたが、
切らした息を整えるだけで精一杯で、魔力の回復を待つ余裕は無かった。
ペットのトラが私を気遣うかのように擦り寄ってくる。
「ごめんな…、主人がこんなんで…。」
私はやさしくトラの頭を撫でた。
「そうだわ!」
急に赤魔道士が立ち上がり、トラを見て言った。
「こいつを囮にして逃げればいいのよ!
なんで今まで気が付かなかったのかしら!
そうよ、それがいいわ!それしかないわ!」
「なっ…、なんだって…?」
私は彼女の言っている意味が一瞬理解できなかった。
だってそうだろう、この子は私の家族なんだ。
この子を囮にして、見殺して、逃げるだなんて!
私は当然反対した。しかし、彼女は一歩も引かなかった。
「おかしいのは貴方よ!そんな高がトラ一匹の命と私の命、どっちが優先されると思うの!?
そんなに、そのトラが大事なら貴方も一緒に死んだらどう!?
あははははは!それがいいわね!そうしなさい!そうしろっ!はやくっ!
死ねっ、死ねっ、死ねっ、死ねっ、死ねぇっ!!!!」
私は間違っていない。だから、斧を彼女の腹部に入れた。
見開かれた目は、怒りや憎悪、悲しみともつかない凍てついた色をしていた。
いつの間にか眠っていたらしい。嫌な夢だ…。
私のそばでトラが眠っている。ずっと、一緒にいてくれていたようだ。
眠りから覚め、少しずつ覚醒していく中で、とあるガルカの言葉を思い出した。
『人は己のために、いざとなれば
他の生物を犠牲にしても生き延びようとする。
お前だって例外ではない……。』
そうだった…、何も信じられない。
何かを守るためには自分の力しか信じられないんだ。
だから、私は獣使いになったのではなかったのか?
人間は信じられない。信じちゃいけない。
今日もどこかで一人、旅をしている獣使いがいる。
第397章 好きとか嫌いとか
- 240 :第397章 好きとか嫌いとか :06/11/10 02:24:40 ID:euDFrf0z
-
「おれ、この戦いがおわったら結婚するんだ」
浮いたはなし一つない山田のその一言は、
彼にとってある意味事件だった。
当然、祝いの言葉をかけるだろう。
続いて”今まで黙ってやがって”と飲みに連れまわし
何処かの酒場を出入禁止になるくらい破壊し尽くすかもしれない。
この城壁の外、地平を埋め尽くすまでの獣人の群れがいなければ。
「山田。今日はなんとしてもきのこるぞ」
「当然だ。おまえにも招待状を出してあるんだからな」
其のとき、怒号のごとき音声が城内に響き渡る。
”バルラーン絶対防衛線突破云々!”
「防衛部隊は全滅か」
「ああ。オレの妹も戦士で入ってたが死んじまったろうな・・・」
容易く城門は破られ、獣人がなだれ込む。
この都に篭城戦はないのだ。
堅牢な城壁は進入経路を絞るためだけに用を成し
城内に幾重にも連なる望楼は進入した軍団を分断する為だけに存在する。
- 241 :第397章 好きとか嫌いとか :06/11/10 02:25:21 ID:euDFrf0z
-
蹂躙されるために作られた都。
トカゲが人型に変体したかのような獣人の群れ
と攻城用であろう巨大な獣が山田達の視界を占めた時、
周囲にオゾン臭がたちこめ、全身の毛が逆立つ。
「対雷撃防御!」
両手の親指で耳をふさぎ、小指で鼻、残る指で目玉をおさえる。
なだれこむ獣人軍団の只中を数百万度のブラズマが出鱈目に駆け巡り
その光線上、すべての物質を炭化、あるいは気化、真空化させる。そして、
爆音。真空化された導電通路が音速を超える速さで閉じ、
時速1023Kmを超える衝撃波があらゆるものを破壊し尽くす。
「蹂躙せよ!」
蛋白質の焼ける匂いと阿鼻叫喚が占めた獣人軍団に、
抜刀した傭兵達が殺到する。
報奨を得んが為に既に死体となったトカゲ人からも
首級としてアタマに生えた鶏冠を切り取りまくる戦士たち。
未だ城門前を乱舞する稲光を潜り抜けた獣人が次々と
侵入し、瞬く間に乱戦となる。
「山田っ!生きてるかッ?!」
数十合のはてに漸く一匹の獣人を仕留めた彼が
首級もそこそこにあたりを見渡す。怒号と悲鳴、
金臭さに金属的な打撃音、火花が弾け血飛沫のおどる
地獄絵図と化した城門広場。そしてその城門から
新たに侵入した一体の獣人が、彼を目指し踊りかかる。
戦闘の雄叫びをあげ、その獣人を迎え撃ちながら
最早、山田に配る心は無くなっていた。
- 242 :第397章 好きとか嫌いとか :06/11/10 02:26:01 ID:euDFrf0z
-
一時間にも満たない戦いだった。
望楼や黒魔道士の戦術雷撃魔法により獣人軍団は分断され、
名うての傭兵団や即席の戦隊が次々と獣人を駆逐してゆき、
敵は撤退。いつもどうりだ。
報奨目的に徒党を嫌う傭兵の屍と首級をとられた
敵の残骸が埋め尽くす城門広場を、仲間や身内を探し
歩き回る人々。
「山田ッ!しっかりしろ・・・衛生兵ーーーーーーーッ!」
臓物を飛散させ、側溝におちていた山田を
抱え上げる戦士。下半身は分断され、無い。
「敵の・・・究極水撃魔法をくらっちまって・・・いてえ」
「結婚すんだろ、なあ、傷はかるいぜしっかりしろよ」
発声出来ることすら奇跡の致命傷だ。
「あ・・結婚・・フ、フフ」
山田は震える指先で胸板の内側から金属片をとりだしてきた。
そしてそれを彼に差し出す。
「やる・・・よ」
そう一言発すると、こときれた。
- 243 :第397章 好きとか嫌いとか :06/11/10 02:27:00 ID:euDFrf0z
-
「ばかやろう・・・」
金属片は、写真だった。
黄色いスカーフを巻いた栗色の髪の長い少女が
こっちを向いて微笑んでいる。
「こんなかわいい女を残して・・・”やるよ”じゃねんだよ」
装備や財貨に貪欲な男だった。それゆえ、孤独に
なることが多く、嫌われてもいた。・・・いや、
逆だったのかもしれない。人と交ることが不得手だった
為、疎まれ、物質的なモノに満足を求めたのかもしれなかった。
そんな寂しい男が、ようやくみつけた人生の伴侶と
生涯を誓い合うを目前にして・・・
「おお、その写真のひとは」
その声に振り返る。1人の男が覗き込んでいた。
「知ってんすか?」
なんという奇遇。こんな異国の果てで・・・
いや、この国で知り合った女なのかもしれない。
「まぁ、わたしも向こうの出ですからね。
一時は熱をあげたこともありましたよ」
その男ははにかむような笑顔をみせ、鼻の下をこすった。
- 244 :第397章 好きとか嫌いとか :06/11/10 02:27:41 ID:euDFrf0z
-
「知り合いかよ!」
「いや、知り合いとか・・・」
「よかった・・・いや、こいつ・・・山田っていうんですけど、
こいつのフィアンセなんです。・・・しらせなきゃ、こいつが」
涙で咽る。くそ、かならず届けてやるからな。
「大統領の娘ですよね。国民的なアイドルの・・・えっ?フィ・・」
死の際まで、この写真を胸に・・・
「・・・アイドルだって?」
改めて写真をみる。・・・そういえば、恋人を撮ったにしては
妙だ。なんというか、気を許したようなカンジみたいなものが
全く感じられない。裏返してみる。
「天昌***年 財団法人バストゥーク国営企画」
- 245 :第397章 好きとか嫌いとか :06/11/10 02:28:46 ID:euDFrf0z
-
「あの、ところで」
「・・・あんた、まだいたのか」
「いや、レイズいります?」
レイズ。蘇生の魔法。
死後一定時間内であれば、灰燼に帰してさえ
肉体、及びそれに付随する記憶を完全再生出来る奇跡の技。
戦いを嫌う僧侶が、戦いの果てにしか修得することができない魔法。
「いや・・・このままにしてやってください」
「いいんですか?」
「はい。・・・ほかにその魔法を必要とする人は沢山いるでしょうし」
タイミングをはかったように、すぐソバで女が
悲痛な泣き声をあげはじめる。・・・いや、ようやく
周囲が知覚できるようになってきたのか。
「そうですか、それでは。・・・いや、必要とする人は
沢山いるのですが、真にその人が必要とされる事って
少ないんですよね・・・寂しいことですが。あそこで
泣いてる人にしたって・・・いや、話が過ぎましたね。それでは」
世上に毒され、道を見失いかけているらしき僧侶が去ると、
彼は、山田の死体から使えそうな装備を剥ぎ取って去った。
そして疑問する。
おびただしい死の果てに生を拾う、その事に疲れる日が
いつか自分にも訪れるのだろうか・・・
若い女の声が、彼を呼ぶ。
「あら、生きてたのね。そっちは稼げた?」
血糊でごわつき、三倍くらいに膨れ上がった
セミロングの髪を気にしながら、歩み寄る女戦士。
- 246 :第397章 好きとか嫌いとか :06/11/10 02:36:20 ID:euDFrf0z
-
「いや、全然だ。そっちは良かったみたいだな」
女は返り血で染まった顔をぬぐうと、
「もう、臭くって!・・・お金にはならないけど、
またひとつ開眼したわ。・・・もう兄貴じゃ相手にならないかもよ?」
血化粧を歪ませ、だがしかし彼にとって
最高の笑顔で笑いかけてくる。
「・・・それじゃ僧侶に転職するか、しかたないな」
言いながら、それもいいかもな、と思う。
少なくともこの笑顔があるかぎり、生きることに
疑問をもつには至らない。
「・・・そういうのスキなんだ!」
彼の持つ金属性の写真、山田の形見を笑う妹に
好きとか嫌いとかじゃあない、と
ソレがどれだけの男の生を繋いできたかをもっともらしい
口調で騙りつつ、大通りの屋台へと遅すぎる
昼食をとりに向かう。
側溝のなか、山田の死体は悪食の金鯉につつかれながら
ゆっくりと沈んでいった。
第398章 ときめき☆カラクリ大作戦
- 247 :(・ω・):06/12/05 18:15:07 ID:A4ong0rM
-
ながい
- 248 :第398章 ときめき☆カラクリ大作戦 :06/12/09 16:04:15 ID:42GP71Oo
- アルザビの大通りの一角から歓声が上がる。
その中心にはカラクリ士の装束を纏ったガルカと1体のマトンがいた。
芸を見せるカラクリ士は白門にもいるが、
このマトンはマスターの頭の上に乗せられたリンゴを射抜いたり、
マスターと短剣を投げあったりとかなり危険な芸を鮮やかにやってのけていた。
かちゃんかちゃんと十本の短剣がマスターの手に収まるとマトンが優雅に一礼した。
「ゴ観覧 アりガトウ ゴザイマシタ」
観客たちは惜しみなく拍手を送ると三々五々と散って行った。
マスターであるガルカは、大道芸の荷物を片付けるとその場でバザーを始める。
残っていた客は品定めをし、目当ての商品を買うとそそくさと消えて行く。
いつ蛮族の攻撃を受けるか分からないアルザビでは、用が終れば誰も足早に立ち去るのだった。
マトンの手入れを始めようとしたガルカは、
並べた商品を見るでもなく、うつむいたまま座り込んでいるタルタルに気がついた。
最近見かけるようになった、装備から暗黒騎士だと思われるそのタルタルは、
マトンの芸を本当に楽しそうに見ているのだが、
終ると酷く寂しげな顔をして去っていくので気になっていた。
手にしたマトンを隣に置いて、彼はタルタルをむんずと掴み上げた。
「きゃあ?!」
抗議の悲鳴を無視して彼はタルタルを膝に座らせる。
「ここならマトンがよく見える」
そういうと、彼はマトンを取り上げ手入れを始めた。
じーっとその様子を見ていたタルタルだったが、やがてぽつりぽつりと
がんばって、がんばって、強くなろうとするほど
自分が無力で要らない子のように思えてしまうと語った。
「タルタルの暗黒騎士なんて…ダメなのかなぁ」
ぽろぽろと涙を零し、泣きじゃくるタルタルの頭を彼は黙って撫でてやった。
- 249 :第398章 ときめき☆カラクリ大作戦 :06/12/09 16:04:37 ID:42GP71Oo
- 「うん、ボクもその気持ちよく分かる…」
いつの間にか、彼の隣にタルタルの狩人がちょこんと座っていた。
「ごめんね、次の興行を見てから故郷に帰ろうと待ってたんだけど、聞こえちゃって」
このタルタルにも見覚えがあった。
リンゴを射抜くマトンを見て、自分にもやらせてもらえないかと言って来たことがあったのだ。
弓を扱うのは久しぶりだといいながら、深々とリンゴを柱に縫いとめた腕に観客の誰もが感嘆し、
惜しみない拍手が送られたのを覚えている。
「引退するのか、いい腕をしているのに」
彼が問うと、狩人は哀しそうに微笑み頷いた。
「いくら腕を磨いても、必要とされないのは辛いから」
そう呟く狩人の目からもぽろぽろと涙が零れ落ちていた。
彼は狩人タルタルも掴み上げ、暗黒タルタルの横に座らせる。
「ワシの影なら、いくら泣いても人からは見えん」
「…ありがとう」
大きな両手で二人のタルタルの頭を撫でてやりながら、彼の心はとても痛んでいた。
彼は、実はもうひとり、行く先を失い傷付いた赤魔道士のタルタルを匿っていた。
そのタルタルは、駆け出しの頃に出会ったある男に恋をし、
その男の役に立ちたいがために必死で尽くした。
しかし、その男が彼女をただの道具だ奴隷だと仲間とあざ笑っているのを聞いてしまった。
正気に返った彼女がその男から逃げ出そうとすると、
男は彼女を執拗に追いかけ、どこにも行けないように酷いデマを流したのだと言う。
人も来ない沼地の奥で瀕死の彼女を見つけたのはマトンだった。
「がんばったヤツが報われねぇ。世界はいつの間に狂っちまったんだっ!」
彼の叫びは、蛮族来襲を告げる警報と逃げる人々の悲鳴にかき消されてしまった。
- 250 :第398章 ときめき☆カラクリ大作戦 :06/12/09 16:05:02 ID:42GP71Oo
- 彼の部屋のソファにちょこんと三人のタルタルが並んで座っている。
咳払いをすると彼はおもむろにこう告げた。
「ワシはカラクリ一座を立ち上げようと思う。まず、お前!」
指差されたタルタルは驚いて飛び上がった。
「今日からお前はホワイトキャンサーだ!これを着るように!」
「へ?!」
差し出された金飾りも眩しい白鎧を受け取ってしまう暗黒タルタル。
「次!お前はカーマインスコーピオンだ!」
「………うそ」
頭の包帯が痛々しい赤魔道士は、信じられないという風に自分の頬をつねっている。
「で、ボクがヘーゼルサジタリウスな訳だね」
くすくすと笑いを堪えながら狩人タルタルは彼よりも先に言った。
「う、うむっ!……ワシはしがないカラクリ士だが、お前たちを守ることは出来ると思う。
……嫌じゃなければ、ワシと一緒に旅をしないか?」
彼の優しい瞳に気がついていたから、毎日通った。
彼とマトンの絆が羨ましくて、最後にもう一度会いたかった。
彼に救われなければ、生きてはいなかった。
欲しかったものが、居場所が、ここに、彼の側にあるから。
三人は大きく頷いた。彼とマトンの芸を見て無邪気に笑う子供のような笑顔で。
程無くあちこちの街やモンスターのうろつく荒野のキャンプに、
軽妙な芸を見せるガルカのカラクリ一座があった。
彼らを見た者は、とても幸せな気分になれるとたいそうな評判だという―――
※コイツが放った名台詞61の620を元に考えたものです。
620氏に感謝を込めて贈ります。
第399章 「聖夜の奇跡」
- 251 :(・ω・):06/12/12 13:05:52 ID:9lpJTthm
-
ながい
- 252 :(・ω・):06/12/12 15:40:48 ID:oBaEtqhJ
- >>248
面白かった
思わず名台詞スレ見にいっちまったw
- 253 :第399章「聖夜の奇跡」:06/12/19 08:29:26 ID:y6sK6C3A
- 久しぶりに自国に戻ってきた。
今年もこの季節がやってきたな。
星…なんたら祭。
独り身の俺には関係ないさ。
今年はトレントが暴れ回ってるようだけど。
なぁんかいつか見た光景だなぁ…
あのツリー、悪趣味以外の何者でも無かったよな。
彼女と一緒にSS撮って、趣味悪ーいなんて笑ってたっけ…
その彼女も姿を見せなくなって久しい。
まぁ、俺がアトルガンに渡っちまったから、そんなに顔を合わすこともないと
思って、なんとなく忘れようとしてた。
所詮それくらいの付き合いだろうって。
ま、綺麗に飾り付けられたツリーを見るたびに心が和むよ。
モーグリたちも苦労してんだろうな。ご苦労さん。
スマイルブリンガーが来たり、色々イベントがあるんだよな。この季節。
でもイベントにはあんまり興味が無いんだ。
もらえる景品には心惹かれるけどね。
なんか、最初の年に飾り付けられてたトレントのツリーが懐かしくなって、
不意に涙が出てきた。
俺、あれからどれだけ成長したかな?
俺から離れていった人、どれだけ居ただろう?
飾り付けられたツリーを見てたら、視界が滲んだ。俺らしくねぇや。
ハウスに戻って寝ようとしたら、モーグリが届け物を持ってきてくれた。
俺に届けもんする奴の心当たりが無い。
差出人は…彼女だった。
俺の事、忘れないで居てくれたのか。
長い間ほったらかしにしてたのに。
中身は、イベント用のケーキ。なんか、丸太みたいなの。
きっとこの季節のために、甘いものが好きな俺に作ってくれたんだろうな。
そう思うと、涙が出てきた。
早速俺もお返しに、調理ギルドに飛び込んだ。
寒いこの季節に、彼女に少しでも暖まってもらいたくて。
出来た鍋料理を彼女に送ったよ。
一言だけ添えてね。
「ケーキありがとう。お前も頑張れよ」
きっと届くだろう。
スマイルブリンガーさんよ、彼女に笑顔を届けてくれないかな。
とびっきりの笑顔をね。
離れていても、心は通じ合ってる。
それが俺ら、冒険者ってもんなんだ。
次章、第400章「トレント大暴れ!」
- 254 :第399章「聖夜の奇跡」:06/12/19 08:41:42 ID:y6sK6C3A
- 久々の作品投下です。
あんまりお題に沿って書けなかったかな…
ところでイベントって今日からでしたよね。(違ったらごめんなさい)
ヴァナ・ディールの皆様に幸あらんことを!
- 255 :(・ω・):06/12/21 12:51:34 ID:cbUVsY1n
-
手抜きでアップするならもっと短くまとめてください。
- 256 :(・ω・):06/12/21 15:13:41 ID:u4avzg7t
- ↑何を言ってるんだお前は
- 257 :第400章「トレント大暴れ!」 :06/12/23 22:16:48 ID:IG0P9T7L
- ずんずんちゃ〜ちゃずんずんちゃ♪
ずんずんちゃ〜ちゃずんずんちゃ♪
カラババ様の!!
「誰なんだおまいは!!!」お〜ほっほっほっほっほっ(残響音含SE
さぁ〜て、本日からしばらくお届けしますのは
シャントット様の「あ、それやってみよ〜♪」
の、お休みのあいだの特別番組!!
カラババ様の!!「誰なんだおまいは!!!」
司会は、番組名だけ変わって内容やっぱり似たようなもんでおなじみの
わたくし、ウィンダスの受付アイドル「あぷるる」なので〜っす♪
まぁぶっちゃ毛、シャントット様が謎の失踪を遂げられたので番組は4週お休みで
代わりの方がアトルガンレポートをするという企画なのですわ〜♪
と、いうわけで、アトルガンのカラババぁ様〜
・・・・・・・・・・・・
/sh お〜っほっほっほっほっ、なんか、変な韻を含んでましたことね
/sh お〜っほっほっほっほっ ・・・帰ったら・・・コロス
ひ・・・ひぃ
まぁとにかく、今回の「だれなんだおまいは!」は・・・
アトルガンのペンネーム「この服を着ているときはマウじゃないんだもん!」さんからのお願い、
- 258 :第400章「トレント大暴れ!」:06/12/23 22:31:41 ID:IG0P9T7L
- ドウモ〜〜〜ッ!!お〜o(⌒0⌒)oは〜♪ハジメマシテ〜〜〜ッ☆☆(*⌒ヮ⌒*)
私は18歳の宮殿からくり士してるのぉ〜〜〜っ♪(#⌒〇⌒#)キャハッヒミツw
うーんとー、私くりすますつりーがすっごくすっごく欲しくってー、\(⌒∇⌒)/
探してたら(◎_◎)なんとっ!☆彡(ノ^^)ノ☆彡ヘ(^^ヘ)☆彡(ノ^^)ノ☆彡
素敵な番組♪を発見!!!!(^o^)//""" パチパチパチ
くりすますを3国だけで楽しむのはずるいですよね…{{ (>_<;) }}
てなわけで、ついついお手紙書いちゃったのらー(o^v^o) エヘヘφ(`∇´)φカキコカキコ♪
あるざびにも、くりすますつりー飾ってくれるよねっ。(*^-^*) お・ね・が・い♪(* ̄・ ̄)ちゅ♪ッ
え?くれないのぉ〜?(;¬_¬)そんなのいやいや〜〜、ガ━━━(゚ロ゚)━━━ン
飾ってくれなかったら、( `_)乂(_´ ) 勝負! \(^o^)/
☆○(゜ο゜)o ぱ〜んち、☆(゜o(○=(゜ο゜)o バコ〜ン!!( ゚▽゚)=◯)`ν゚)・;'パーンチ
(>_<) いてっ!ダメ!! ゛o(≧◇≦*)oo(*≧◇≦)o″ダメ!!
(☆o☆)きゃ〜〜(@_@;)やられた〜〜(o_ _)o ドテッ ガ━━(゚Д゚;)━━ン!
(+_+) 気絶中。。。。・゚゚・o(iДi)o・゚゚・。うぇぇん <(゜ロ゜;)>ノォオオオオオ!! ??゚□゚;ハウッネメジンドコ!?
なあんて(#⌒▽⌒#)こんな私っ!σ(^_^)だけど、(///▽///)
くりすますつりーm(_ _)mくださいませませ♪('-'*)フフ ドガ━━━Σ(ll◎д◎ll)━━━━━ン
ということで。(^-^)vじゃあね〜〜〜♪(⌒0⌒)/~~ ほんじゃo(゜▽゜ヽ)(/゜▽゜)o レッツゴー♪
それでは、今からマウに戻りまーすC= C= C= C=┌(^ .^)┘
(*^-^*)ノ~~マタネー☆'.・*.・:★'.・*.・:☆'.・*.・:★
- 259 :第400章「トレント大暴れ!」:06/12/23 22:43:04 ID:IG0P9T7L
- ・・・ウザ。
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・まぁ、いいですわ。
ちょうど3国で資本主義の白豚どもがなんかやらかしていましたわね♪
お〜っほっほっほっ♪
/sh では・・・
/sh ウラミハラサデオクベキカー
その夜からしばらくの間、アトルガン白門、アルザビでは
美しいイルミネーションに彩られた夜が続いたそうな・・・。
あら?・・・なんかみんなemとツリーでラグラグで固まってしまいましたわね
・・・まぁ、冒険者のやったことですから、私は何も知りませんわ
おーっほっほっほっほっ
/l それでは今日はこの辺で〜また来週〜♪
/l ずんずんちゃ〜ちゃずんずんちゃ♪
/l ずんずんちゃ〜ちゃずんずんちゃ♪・・・
第401章 「内藤たるたる物語6:キングガルタル」
- 260 :(・ω・):06/12/25 23:30:03 ID:Coimk09q
- なんとなくage
- 261 :第401章 「内藤たるたる物語6:キングガルタル」:07/02/12 13:32:30 ID:zShmA30/
- 風すさぶアルテパ砂漠、今は無きガルカ達の故郷
蟻の居城となったその廃墟に・・・
----------『冒険者ッ入場オオオ!!』-------------------------
「領民殺しは生きていた!!更なる研鑚を積み尊大貴族が甦った!!!
選民!!臼姫だァ――――!!!
「陰謀ありならこいつが怖い!!
冒険者の内務尚書 エル通風だ!!! 」
「冒険者の本隊は今や蒼い子竜にあり!!!! オレの突撃を止める
奴はいないのか!! きゃーりゅーーさん!!!」
「特に理由はないッ後衛も脳金なのは当たりまえ!!
臼姫にはないしょだ!!! ボンボン!
糞樽がきてくれた―――!!! 」
「地味ィィィいッ発言不要!!『しまった』!?『いたの』!?
あんこくwだ!!!」
「歯止めの無い虐殺がしたいからサポ忍になったのだ!!
最高のブーメランを見せてやる!!戦死! 」
- 262 :第401章 「内藤たるたる物語6:キングガルタル」:07/02/12 13:32:48 ID:zShmA30/
- 「ツールは実戦で使えてナンボのもん!超実戦ワープ!!
RMT業者の登場だ!!」
「冥土の土産に自爆道連れとはよく言ったもの!!
衰弱後の一撃死が今古墳でバクハツする!!
青惑うし先生だ―――!!! 」
「全冒険者のベスト・ディフェンスは私の中にある!!
防御の神様が来たッ インビンシブルシールド垢爺!!! 」
「黒帯はオレのもの邪魔するやつは思いきり殴り思いきり蹴るだけ!!
白兵戦の王者 猫モンク!!」
「艦隊速度の速さこそが宇宙最強の代名詞だ!!
まさかこの男がきてくれるとはッッ 疾風とんずらサポシおkwww・
樽内藤ー!!!」
「若き皇帝が帰ってきたッ
どこへ行っていたンだッ 無髪の孺子ッ
あくまでも自分はタルといいはるッッッキングガルタルの登場だ―――――ッ」
・・・全滅しました。
第402章 「ハートステッキ・ガル(はぁと」
- 263 :(・ω・):07/04/05 21:38:36 ID:OdoZOE9Q
- 期待age
- 264 :第402章 「ハートステッキ・ガル(はぁと」 1/3:07/04/12 05:05:56 ID:g+cfNG73
- 北グスタベルグに、ヒューム達の小さな町がある。
パルブロ鉱山が栄えていた頃は賑わいもした。しかし今は見る影も無い。
現在は小規模な農園を経営して、町を成り立たせている。
グスタベルグの岩土にも耐えうる農作物を開発したのは、バストゥークの錬金術師達だ。
このような痩せた土地でも、住民の口を満たせる作物。
彼らならば、ヒュームの叡智と胸を張るのだろう。
パルブロの古くからの住人達は、それを笑うかもしれないが。
20年前の戦争からこちら、町の最大の悩みは、治安だった。
ゴブリンの野党である。
町の男たちが出稼ぎに出る冬の間は、野党に怯えて生活する事になる。
せめてこの時期だけでも、兵士を置いてもらえないか。
当局と長く交渉を進めた結果、今の大統領の代になり、補助金が下りるようになった。
今は、冬の間冒険者を雇って安全を得ている。
あまりわりの良い仕事ではないが、この町を気に入って、毎年来るようになった冒険者がいた。
ベテランのガルカの戦士である。
- 265 :第402章 「ハートステッキ・ガル(はぁと」 2/3:07/04/12 05:06:35 ID:g+cfNG73
- 今年もやって来た戦士を、町の長は家に招いた。これも毎年の事だ。
「毎年助かります。あなた程の人ならば、他にも良い口はあるでしょうに」
「気にする事はない。ワシも年だ、こういう仕事は願ったりなのさ」
「私どもから見ると、お年を召したようには見えませんな」
ガルカは笑う。
「あなたは年々老けていきなさるな。しかしこう見えても、あなたの倍は生きておるのだよ」
「羨ましい限りです。私などは、もう年を感じる事が多ございましてな」
「いやいや、あなたには長生きしてもらわないと。あの子の事もある」
「そうですな」
あの子とは、10年ほど前に町の長が引き取った孤児である。
亡くした父親も冒険者であったという少女は、このガルカによく懐いていた。
「おじ様、今年も来てくださったんですね」
「やあ、一年足らずしか経たぬというのに、ヒュームは変わるものだな。もう幾つになったかね」
「16になりました。それにしても、おじ様はお変わりなく。初めてお会いした頃から少しも」
「いや、ワシも年を取った。年々やり辛くなるさ。
世の中、変わらない物は何一つありはしない。君も変わる、ワシも変わる」
少女は考え込んだ。
「そういうものかしら?」
「そういうものさ。ああそうだ、今年はみやげ物がある」
ガルカが差し出したのは、小振りな杖だった。
小さな女の子が喜びそうなデザインであったが、あまりにも「それ」を意識して作られているようで。
あざといとも言える。間違えても、このガルカが好んで持つような物ではなかった。
「……これは?」
「町で冒険者相手の祭りがあってな。配られていたんだ。
魔法の祝福があるからな。壊れないし、無くなりもしない。なかなかいいものだよ」
少女はため息をついた。
「おじさま、私もう16です。そうね、あとせめて5年前ならもっと喜んだと思います」
「うーむ。いらないか?」
「いえ、頂きます。ありがとう。お気持ちは嬉しいの」
- 266 :第402章 「ハートステッキ・ガル(はぁと」 3/3:07/04/12 05:07:13 ID:g+cfNG73
- それから数ヶ月。
いくつかトラブルはあったが、熟練した冒険者であるガルカの力で、事なきを得、町は平穏に冬を越した。
「おじ様、お発ちになるって本当?」
ガルカは、荷物をまとめている所だった。
「本当だ」
「ずいぶん急ね」
「そうかもしれないな」
それきり無言で、作業を続ける。
気詰まりな沈黙を嫌って、少女が言う。
「何か、お気に障る事でもありました? いつもと、雰囲気が違います」
ガルカがはじめて手を止めた。そして少女に向き直る。
「二度と、ここに来ることはない」
「どうして?」
「ワシは転生の旅に出る」
ガルカという種族特有の世代交代である。少女もガルカから話を聞いて知っていた。
しかし、まだ先の話と思っていた。
彼女の目から涙がこぼれる。
「そんな。もう少し、もう少しいられないのです?」
ガルカが優しい声で言った。
「時期が来たんだよ。君も大人だ、泣かないでいい。別れというのはいつだってあるんだ」
「もう、会えないのです?」
「どこかで会うかもしれないな。しかし、それはワシではないし、君も気付かないだろう」
「じゃ、おじ様」
少女はあの杖を取り出した。
「これをお持ちになって下さい」
ガルカが戸惑う。
「どうしてかな」
「壊れないし、なくなりもしない。それなら、転生した後もお持ちになっているわよね」
「持ち物で、前世が特定される事もあるとは聞くがね。しかしこれを、かい?」
「ええ、ずっとお持ちになって下さい。私、きっとあなたを見つけます」
「わかったよ。持って行こう。そう、よく分かるよう腰に差して歩こう」
「おじ様は、変わらない物はないと仰いました。
でも、変わらないもの、変わらなくていいものも、私はあると思います。きっと、また会いましょう」
「……そうだな」
旅支度を整えたガルカは立ち上がる。
見上げる少女の目に、もう涙はなかった。
「元気で。どうか無事に」
「ありがとう」
「ありがとう」
「きっと、また」
第403章「日頃の行い」
- 267 :第403章「日頃の行い」:07/05/22 23:03:28 ID:Vk+Je9B6
- 暑さにもめげず、寒さにも負けず
東で煽りがあったら華麗にスルーし
西で賞賛の声が上がったらこっそりと頭を下げる
そんな人地が延々と書き連ねてきた物語も
そろそろ終わりを迎えようとしていた。
半年以上もの間誰も訪れることなく更新もされないまとめサイト
すでに煽りすらなく誰もageようとすらしない現行スレ
・・・それを嘆いていたのは誰であろう、煽りまくっていたその人だった。
「あぁ日頃から煽りまくらなきゃもっと面白い物語を読めたかもしれないのになぁ(;´д⊂)」
しかし、彼の日頃の行いによりすでにこのスレに人が戻ることはなかったのであった・・・。
fin
第404章「裸でサルベージ」
- 268 :(・ω・):07/05/23 20:42:18 ID:QB3p36bD
- >>267
いやまとめサイトもココも読みに来てますよ!?
- 269 :(・ω・):07/05/25 13:59:42 ID:YUETkqMT
- 笑えないジョークだなおいw
- 270 :第404章「裸でサルベージ」:07/06/23 03:31:23 ID:OmuGr8he
- 今日はサルベージの日。
フルアラでゼオルム遺構にやってきた。
ここは特殊なエリアだ・・入ると装備品が脱がされる。
モ「ふ〜装備品ハズされると辛いな。」
忍「お前はいいさ、素手でも戦えるしな。」
モ「まぁ・・そうだけど。」
詩猫「にゃ〜脱がされたにゃ(/ω\)」
白姫「いやぁ・・こんな格好恥ずかしいわ。」
リダ「では、進みましょう!」
リダ「???みなさん、どうしました?」
忍はスクリーンショットを保存しました。
モはスクリーンショットを保存しました。
リダ「ちょ・・なにやってんすか?」
モ「装備なんていらねぇよ!これがあればいいさ。」
忍「同感。サルベージに来るのはコレが楽しみさ!」
詩猫「恥ずかしいにゃ(/ω\)」
白姫「私のは高いわよ?」
リダ「ちょ・・なにしてんすか!」
モの百烈拳!
リダは倒された・・・。
モ「サルベージなんて、ドロップとか運だしな。」
忍「あぁ、薄金装備が欲しいけどこのショットのがいいねw」
裸になるサルベージ・・それは色々な意味で欲望の世界。
第405章 「セルビナ警備隊 第12 DRG小隊」
- 271 :(・ω・):07/06/23 17:43:20 ID:foOojKwk
- 今はいないブロントへの手紙
- 272 :(・ω・):07/06/25 08:48:47 ID:x+EwWNf+
- 久しぶりの新作キタコレ
- 273 :第405章 「セルビナ警備隊 第12 DRG小隊」 :07/07/22 20:09:32 ID:Chmxwlwk
- 【4/22】
最近王都において、竜騎士の技を蘇らせようという計画が持ち上がった。
竜騎士といえば、竜を従え、遥か空を跳躍し…。となるのだが、そこまでの再現はまだ不可能であるらしい。
ひとまず槍の技を研究しようとなる。
そこでサンドリア槍術の達人たる、私の出番が来たというわけだ。
第12番のセルビナ警備隊として新設されるDRG小隊の小隊長に就任し、訓練を行うよう辞令が下った。
あそこならば、実戦経験を豊富に積ませられる。過疎地でもあるから技を盗まれる事もないだろう。
やりがいを感じる。
【4/23】
セルビナに着任する。
まだ部下は誰も到着していない。自ら隊本部の設置など雑用を少々。
海はいい。
【4/25】
他の隊の面々と会う。
気さくな人々だ。ただ軍人としてはどうかと思う。
南国の空気が、軍人としての意識を溶かしているのだろうか。
夕方釣りをすると、美味い魚が釣れた。私も他人の事は言えないな。
しかし、海はいい。
【4/27】
部下5人の内、1人目が到着。
【4/29】
午前中に2人目が到着。
午後に3人目。
これで私を入れて現在4名、明日より警備の任務を開始する。
なかなか頼もしい部下達だ。
しかし…。
【4/29】
残りの2人が到着。
ま た ガ ル カ か。
私を除いて全員がガルカというのは、一体どういうわけなのか。
聞けば全員が志願だという。どうも偶然らしいが…。
それにしてもアレだ、暑い。
【5/1】
我々は。よその隊からGR小隊と呼ばれているらしい。
くそっ。
【5/3】
皆真面目でよく働く。腕も立つ。槍術の覚えもいい。
いろいろあるだろうが、頑張っていこうと思う。
第406章「旧友」
- 274 :第406章「旧友」その1:07/07/23 01:50:43 ID:+6kjsYL2
- ワシはサンドリア王国のある子爵家に仕える者。
先年、跡取りのお嬢様も婿を迎えられ、
可愛い女と男の2人のお子様をお生まれになり
このジジィもいつお迎えが来ても良いような
充実した日々を送っておる。
ただ、心残りがあるとすれば、20年前のあの時・・。
世に言う「クリスタル大戦」の時のことだ。
ワシはサンドリア王国の第2赤魔導士大隊の大隊長をしておった。
その時の親友で第1大隊の隊長をしておった者がアルタナ諸国の連合部隊
「多国籍教導部隊」の将校として配属させられることになった。
若い諸君には「ハイドラ戦隊」と言った方がわかりやすいかの?
「団長によると、オレとお前2人でってことだったが
大隊長2人が抜けると色々と問題があるだろう。だから
オレが行くことにした。異論はなかろう?」
氷河の駐屯地でヤツが切り出した言葉だった。
多国籍教導部隊と言えば、各国のエリートが集まる部隊。
ワシも行きたかった。ヤツとの腕は五分。ワシが行けない理由はない。
大隊長が2人も〜ってのは屁理屈でしかない!ワシは詰め寄った。
「エリート部隊ともなると、ザルカバードの最前線でたたかうのであろう?
妻子のおるお主には不向きだ。幸いオレは独り身。オレと変われ。
それともオレが行くと自分の力不足が分かるから、
そんな屁理屈をいったんだろう!」と。
- 275 :第406章「旧友」その2:07/07/23 01:52:46 ID:+6kjsYL2
- 結局、血の気の多い二人、勝負することになった(笑)
お互いが剣技を繰り出し、魔法を応酬して戦った。
ある魔法の詠唱の途中だ・・ヤツが何かを呟いている・・
「…を頼む・・」
「!?」
「メアリーを頼む・・!」
次ははっきり聞こえた。ワシは不意に詠唱を止めた。
その瞬間、稲妻に身を撃たれ、ワシは悶絶した。
結局、この対決に勝ったヤツが行くことになった。
ワシはなぜ詠唱を止めたのだろうか?
今はヤツの妻となり2児を成した彼女が
ワシの元に・・などと考えたからだろうか?
ワシが家庭を持とうとしなかった理由を
ヤツは知っていたのだろうか?
大戦が終盤の頃、ワシは峠の出口ででオーク共の抑えにあたっていた。
そんな時だ・・多国籍教導部隊が氷河でで全滅したとの
報告を聞いたのは・・・・。
ヤツは彼女に、もしものことがあったらワシの嫁ぐように
言い残していたらしい。
だが、あの対決の事を思い出すと、それは出来なんだ。
ワシは、部隊を除隊し目をかけて頂いた子爵様の家宰として
働きだし、家族ではなく貢献者として彼女と子ども2人を見守った。
長男は王立騎士団、次男は神殿騎士団でつとめを果たし、それぞれ家庭も持っている。
彼女は昨年旅だった。ヤツを追いかけて。幸せそうな笑顔で・・。
だが、本当にそうだったのだろうか?
- 276 :第406章「旧友」その3:07/07/23 01:53:57 ID:+6kjsYL2
- あの時詠唱を止めていなければ、勝っていたのはワシ・・。
あの2人にとってどうだったのだろうか?
2人とも鬼籍に入ってしまったので問いただすことは今はできない。
ワシが2人の所に行ったときに聞いてみるとしよう。
現実とは違う氷河で多国籍教導部隊と戦ったという話を聞く。
この世にはデュナミスという違う世界があるという・・・。
もしかしたらワシもそこの住人となりヤツの代わりに
戦っていたかも知れない。
その話を聞き出した4年前から・・ヴァナ・ディールがあまずす祭で
賑わう頃、氷河を訪れ旧友とその戦友達に花を贈っている。
女神アルタナよ!
旧友とその戦友達にデュナミスから抜け出す翼を・・・。
長くなってスマソm(_ _)m
第407章「五蛇将のそれぞれのプライベート」
- 277 :第406章「旧友」作者 :07/07/23 01:57:25 ID:+6kjsYL2
- その2の貢献者×→後援者だなm(_ _)m
- 278 :(・ω・):07/07/26 19:45:32 ID:neU9ccQJ
- ↑↑↑↑↑↑↑age
- 279 :(・ω・):07/07/31 23:35:41 ID:9k8ZSMhT
- ↑↑↑↑↑↑期待age↑↑↑↑↑↑
- 280 :第407章 「五蛇将のそれぞれのプライベート」 1/2:07/09/05 06:58:52 ID:ffQXsN21
- 聞けば中の国々の軍にもあるといが、もちろん、アトルガン皇国の軍にも広報部はある。
私は長年ここで、さまざまな記事を書いてきた。内部の会報であったり機関紙であったり。
一般の新聞へ掲載させる記事。
新聞の一面によくある「9/2勝利 キングべひんもすとの戦いで」とかいったあれ。
平たく言えばお堅いものばかり書いてきたわけだ。従って、今回の記事を書くにあたって、隔世の感がある。
まぁ、かの国から傭兵達が大挙して舞いこんだ辺りから、こうなる予感はあった。
彼らの力なくして、この国は立ち行かなくなってしまった。たいした時間もかからずに。
彼らが来るまでも、それなりにやっていたものだったが、一度楽を覚えてしまうともう前には戻れないのが人間だ。
いくらか彼ら冒険者の気を惹くようなことも、書かねばなるまい。
5蛇将のプライベートについて取材し、コラムをこしらえろという事。
果たしてどうなるやら。
1:風蛇将ナジュリス
彼女は取材を快く受け、休日一日を丸々我々のために費やしてくれた。
しかも我々は、彼女の手料理までご馳走になった次第。
できた人だった。
しかし、「フツー過ぎ」という理由で、上から記事としては却下されてしまった。
あまりにも軟弱であると、つまりはそういう事のようだ。
しかし、この企画。そもそも将軍の「人間臭さ」を世間にアピールしようというものではなかったか。
何事もさじ加減か。全く面倒な仕事である。
2:水蛇将ミリ・アリアポー
取材拒否。
別にいいけどさ。仕事減るし。
- 281 :第407章 「五蛇将のそれぞれのプライベート」 2/2:07/09/05 06:59:28 ID:ffQXsN21
- 3:炎蛇将ガダラル
「!?」「ひき肉にしちまうよ!」「なんだ? 殺すぞ!?」
会って5分で、これだけのセリフを吐ける彼は素晴らしい。
別に本当に殺したりはしないのだが、言動がやたら粗暴で素敵だった。
これも、記事にはできなかった。ナジュリス氏とは全く違う理由で。
なにしろ固有名詞、特に人名にはかならずファ○キンとつけるような人間である。
非常に惜しい。私はこういうの大好きなのだが。
4:土蛇将ザザーグ
事前に上から手紙があり、取材は行われなかった。
それにはこう書かれていた。
「知りたいか?」
別にー。
5:天蛇将ルガジーン
これはちゃんとした取材になった。
彼は武人として完璧であり、プライベートでも天蛇将軍そのものであった。
そしてこれが唯一記事になった。そのうち一般の新聞にも掲載されるであろう。
退屈な取材だった。しかし記事になるのはこういう無難な物だ。
軍隊というのは、どうしようもなく保守的な所である。
第408章「故郷」
- 282 :第408章 「故郷」:07/09/08 00:55:25 ID:8Z74ruhj
- 思えば、長い旅だった。
我がサンドリア王国より冒険を求めて旅だって以来、様々な場所を見てきた。
駆けだし冒険者が心を奪われたラテーヌ高原の虹、死に物狂いで辿り着いた華やかなるジュノ公国。
埃っぽいバストゥーク共和国で体調を崩していた時に見た北グスタベルグの滝は、頭痛などすっかり吹き飛ばしてくれた。
ウィンダス連邦は何から何まで珍妙だった。猫の耳を生やした民にとても小さい体の民、首の長い巨大な家畜。そのどれもが私の想像を超えていた。
そして、友も出来た。
その小さな友人は、決して体の大きさで力の強さを計る事は出来ないのだと教えてくれた。
今まで我らエルヴァーンの特徴である長身を武器として生きてきた私には、にわかに信じがたい事ではあったがな。
そして私は彼と共に、多くの獣人どもと戦った。私は前方で彼を護り、彼は後方で私を護った。
あれほど信頼出来る者は、後にも先にも居まい。私の傍らには、常に小さな友がいた。
今は離れ離れになってしまったが、もうじき会えるだろう。久方ぶりの再会だ。
我がサンドリア王国より冒険を求めて旅立って以来、様々な場所を見てきた。
しかし、やはりここロンフォールの静かな森に勝る地は無い。私は、帰って来た。
この澄んだ空気、小川のせせらぎ。何一つ変わっては居ない。
さぁ、後一息だ。もう少しで懐かしき親友に会える。
今行くぞ、友よ・・・。
東ロンフォールの川べりに、壮年のエルヴァーンが一人、座り込んでいる。
身に纏う武具から、熟練の騎士である事が分かる。しかし剣は錆びつき鎧はひび割れ、マントは破れて穴だらけだった。
その身体にはいくつもの傷があるが、中でも一際目に付くのは、腹部に大きく開いた穴だ。
肩に乗った解けかけの雪から察するに、ボスディンの地からここまで歩いてきたのだろう。
しかしこの傷でどうやってここまで来れたのかは、彼自身にも解らなかった。
彼は瞼を閉じ、穏やかな笑みを浮かべていた。
恐らく彼は、唯一無二の親友に再会する事が出来たのだろう。
この、故郷サンドリアの大地で。
第409章 「うまくいかない」
- 283 :(・ω・):07/09/10 11:10:01 ID:7wY81u48
- わかったにゃー
- 284 :第409章 「うまくいかない」 :07/09/10 21:24:59 ID:y0V47K8r
- うまくいかない
「警戒警報!警戒警報!トロールが攻めてき(ry」
アルザビの街に今日もビシージ開始の警報が響き渡っていくのを聞きながら
私は考えていた・・・どうにかあの蛮族共を一網打尽にすることはできないかを・・・。
・・・そしてそれは突然の閃きによってもたらされた
・・・そう!がだらるw様をお守りしながら彼の人が城門から入ってきたトロール
の一段にふぁいがIIIwwwをぶっ放し、だめだこりゃwと思われたその刹那
あの者の一撃によってタゲは全て取り戻されがだらるw様は守られていたのだ!
これだ!!
|
\ _ /
_ (m) _
目 ピコーン
/ `′ \
∧_∧
(・∀・∩
(つ ノ
⊂_ノ
(_)
・・・そして数日後
「警戒警報!警戒警報!マムージャが攻めてき(ry」
準備は万端であった、
城門前に集められた3人のシーフと
6 9 7 人 の 召 喚 士!
作戦はこうだ
1、シーフがトンズラで奇襲部隊を集めて回る
2、城門入ってきた部隊をシーフが愚者の薬、絶対回避、ディアガで集める
3、召喚のアストラルフロウ!→究極履行→エーテル→技能の薬→究極履行
4、新たな部隊が入ってきたら繰り返して(略
さすがに697人の召喚士によるアストラルフロウを食らって平気なものどもな
どおるまいて・・・フフフフフ
そしてその目論見通り、最初に入ってきた第一陣は瞬く間に瞬殺された・・・そう
第一陣は・・・
第2陣で入ってきた蛙どもにゴゴゴゴg・・・している間にスリプガされ、
さらにあろうことか魅了されたものが同士討ちをはじめ
HPの少ない召喚士は瞬く間に全滅したのであった・・・。
愚者の薬は使ってたのになぁ・・・orz
p.s.
死者の軍勢にも同じことをされました(´・ω・`)
\ /
_ `″・;` _
`″`・;` バチュ--ン
/ `′ \
∧∧
(・∀・)
ノ( )ヽ
< >
- 285 :(・ω・):07/09/10 21:26:24 ID:y0V47K8r
- 第410章 「わすれてた」
- 286 :「第410章・わすれてた」:07/10/02 00:32:45 ID:s1wRODJ3
- わすれてた。
「そう、わたしの弟なのよねライアーフ」
侍従達のさえずりに弟の名を耳にとめ、ナジュリスは
にこやかな笑顔を現象しながら彼女等に近づく。
それなりに小雀どのも噂になってるなんて。
私が祝ってやるまでもないのかしら・・・?
そう、今日は弟の誕生日だったのだ。
侍従たちはわずかにカオを強張らせながら
礼を返してくる。
「い、いえ、おつかれさまですナジュリス様」
「うん、あなたたちも宮中お勤め真にご苦労。
ところで、ライアーフの話をしていたようだけれど」
一様にうつむく侍従達。耳を赤くしている女もいれば
白磁のような、顔色になっている女もいる。
なんてかわいいのだろう、と微笑みナジュリス。
「あなたたちが、今、噂していた通り」
囁くような声で、噛んで含めるよう、区切りながら
コトバを続けた後、満面に輝かんばかりの喜色を表した
ナジュリスを前にし彼女達はもはや震えださんばかりに
おののいていた。
ルガジーンやガダラル、ましてやガルカの
将軍(名前失念)にいたっては、たとえその悪癖如何を
笑いながら逃げてもなんの咎めだてもないであろう。
自分達は小雀なのだ。・・・しかし、この女は違う。
前線にては殺到する千や万もの獣人を前に喜悦し、
その一矢にて屠る敵の数は50から100、東部戦線においては
戦場の遥か彼方、城壁で指揮をとる敵将を兜ごと射抜き、
転げ落ちんとしたその屍までをも続く数十矢にて城壁へ縫付け
敵獣人軍への凄惨な見せしめのオブジェとしたとか語られる
ほどの残族暴戻なつわものなのだ。しかも、手負い。
不覚傷に日々を悶々と過ごし、鬱憤の捌け口を求めて宮中を
徘徊する歩く爆裂弾。更に、女であることが致命的。
―男は女を襲うときに暗がりを求めるが
女が男を犯すとき、明暗人目を憚らず―(古ウィンダス星の召喚士)
「・・・そう、噂していた通り、ね」
- 287 :「第410章・わすれてた」:07/10/02 00:35:26 ID:s1wRODJ3
- その死刑宣告もかくやなコトバの反復に限界をこえた精神にプッシュされた
生存本能が一瞬にして恐怖を怒りに変換しまさにそれを爆発せんとした其の時
「今日はあの子の誕生日なんです!」
大音声にての喜びな歓声。
その声に、全身を占めていた恐怖よりの怒気を
霧散にされ、あるものは空となり、またある者は
腰を砕けさせた。
「わたしも、”弟”にプレゼントをわたしたくて探して
いるのだけれど・・・あなたたち、存知ないかしら?」
弟、とワザワザ強調する姉心。ソレを敏感に察知した
小雀たちはその繕いもあらわに
「あ、あたし達も探してるんですぅ〜!」
「お姉さまに聞けばわかかキッ!、わかはりゅちょほもったのにぃ〜」
「あたしはナジュリスさ様のことカッコイイ!て言ってましたッ!」
最後に発言した侍従に微妙な視線を注ぐフタリ。
「あなたたち」
真顔になったナジュリスが両手を胸に、ぐっと近づいた。
再び引き攣る小雀たち。
「”弟”に、やさしくしてあげてね」
再び強調し、優しく微笑む。
”殺戮を極めた者は、蕩けるような微笑をもつ”
というコトワザが侍従たちの脳裏を横切る。
「は、はいっ!」
最早、恐怖は去ったのだと目を潤ませながら唱和する。
「ナジュリス様って弟おもいなんですね!」
またもや余計なことをゆう三人目。
「えぇ・・・この傷のことで、弟にはずいぶん迷惑をかけましたから」
ふと悲しそうな目をし、去ってゆくナジュリス。
それを見送りながら、
「あの弟にして、この姉あり・・・ね」
「うん・・・そうだね・・・」
「・・・憎しみにかりたてられて、殺してから王蟲は泣くんだわ・・・」
二人は、三人目をみた。
- 288 :(・ω・):07/10/02 00:37:14 ID:s1wRODJ3
- 第411章「時の彼方で」
- 289 :(・ω・):07/10/03 23:05:04 ID:p6nqYvVg
- え〜と・・・すまんが、その「時の彼方で」というお題が何を指してるのか教えてくれんか。
FFXI内に元ネタがあるのか?
- 290 :第411章「時の彼方で」:07/10/04 00:13:44 ID:4CbkxoeE
- あの時、クリスタルに触れて
楽園のビジョンを見た時
ボクは自分の内から湧き出す衝動を
止められなくなった-
イブノイル…君の事も忘れ
ボクは熱病に犯されたかのように
楽園を求めた-
だが君は違った
ボクを想い、ボクのために
ボクの衝動を止めるために
君はボクから離れた-
あれから1万年
君はすでに亡く、意志だけが
このヴァナ・ディールに浮遊している
ボクを止めるために-
起動させたトゥー・リア
その中心部でボクは横たわっている
ボクとボクを支配してきた衝動も
これで終わる-
ありがとう
君のおかげで解放された
君が導いた者達が
ボクを止めてくれた
ボクから離れた後、君が仕えた
女神アルタナ
願わくば、時を1万年前に…
それが無理なら…
2人の意志がこのヴァナ・ディールから
消え去った時-
いつか…時の彼方で
2人を結ばせて欲しい
第412章「マムージャの食生活」
- 291 :(・ω・):07/10/04 08:08:47 ID:WctWs5Jf
- ↑なんか感動した
- 292 :(・ω・):07/10/04 10:47:41 ID:dOEhOACu
- わかったにゃー
- 293 :第412章「マムージャの食生活」:07/10/08 23:38:18 ID:qlqQUwrK
- Fochachaの3分クッキング〜♪
さ〜て今日も始まりました、Fochachaの3分クッキング!
今日ご紹介するのは〜・・・マムージャ風チゴー炒め!!
材料はつい先程取れた新鮮なワジャーム産チゴー、
蟲の卵、トレントの球根。それにオリーブオイルとブラックペッパーを少々。
まずはチゴーの下ごしらえをします。うわぁ、新鮮ですねぇ〜!まだビチビチ暴れています!
これを・・・ザクッ!!とぶつ切りにしちゃいましょう。
そしてトレントの球根も同様にぶつ切りにしたら、次は蟲の卵を潰してブラックペッパーを混ぜた物と和えます。
そしてオリーブオイルを熱したフライパンに垂らし、先程和えた物を強火でジュウジュウと炒めましょう!
色が黒くなった所で、セージをまぶして出来上がり!え、そんなのさっき紹介した材料に無いって?良いのよ、細かい事気にしない気にしない。
それでは今日のゲストをお呼びしましょう。マムージャ藩国からお越し頂いたGulool ja jaさんです!!
「・・・ワシニ何ノ用ダ!?」
Gulool ja jaさんには私が先程作ったFochacha特製マムージャ風チゴー炒めを試食して頂きます!
さぁ、どうぞ!
「・・・ワシラハソンナモノ食ワン!!」
・・・またまたぁ、ご冗談を。
「ソンナ料理見タ事モ無イワ!」
・・・。
ふざッけんじゃ無いわよ!!!あんな気持ち悪い虫ぶった切って調理したの誰だと思っt
※少々お待ち下さい。
ハイ、意外とお茶目なGulool ja jaさんでした♪
え、このベットリついた赤い液体ですか?ケチャップです。気にしない気にしない♪
次回のメニューは「第413章 王国風オムレツ」です。お楽しみに!
それではまた明日〜♪
- 294 :第413章「王国風オムレツ」その1:07/10/23 23:39:59 ID:OrwjtoAN
- フッ…私はヴァナ・ディール一のグルメといっていい。
なぜなら常に最高の腕を持った王家付の料理人が
最高の料理を私のために作るからだ。
スウィーツ、肉料理、魚料理・野菜料理、穀物料理、卵料理
スープ、ドリンク類…何でもだ。
当然好き嫌いはある。
嫌いな物はココでは伏せておく。
好きな物は多々あるが…
「王族御用達オムレツ」だ。
まぁ「王国風オムレツ」の最高級品だが。
王族御用達なんて名前が付いてるが
なかなか食せる物ではない。
その日の気候や素材の善し悪しに左右されるのだ。
- 295 :第413章「王国風オムレツ」その2:07/10/23 23:41:35 ID:OrwjtoAN
- 私が食べているオムレツも「王国風」がほとんどだ。
レシピはこんな感じだ。
炎のクリスタル
キングトリュフ
コカトリスの肉
ワイルドオニオン
鳥の卵
セルビナバター
ブラックペッパー
オリーブオイル
岩塩
高価な食材も使われておる。
これで最高級品を常に作るのは難しいかもしれぬ。
そこでだっ!!
王子である私が違う食材を使い常に最高級品が
食せるように直々に調理実験してみようと思う。
キングトリュフの代わりにマヨイタケ
コカトリスの肉の代わりに大羊の肉
ブラックペッパーの代わりに乾燥マジョーラム
匂い付けにマウラにんにくを少々
これでどうだ?
安価な食材である上に食材の属性は
同じであろう?
マウラにんにくを加えたのは私の好みだ。
さて調理を始めるか・・・
ジュッジュッジュッ…フライパンの返しがコツだ。
ジュ〜シュパン!
できたっ!
素晴らしい匂いと色合いだ…これらの素材を使えば
王国付の料理人達ならば常に最高級品を調理する事が
可能だ…王子の私でも最高の作品が作れたのだからな。
コンコン!
「兄上ッ!アトルガン皇国についてジュノより…って…?」
「珍しいですな。ご自身で料理ですか?」
「よいところに来た、ピエージェ。食してみよ。」
「うむ。食材を変えてオムレツを作ってみた。好物だろう?」
「はい…ですが…兄上…大丈夫ですか?」
「何がだ?味は私が保証する。最高級品だ!」
「は…はい…では…」
ムグムグ…
「こ…これは…オェッェェェェェェッェ!」
「ピ、ピエージェ?」
サンドリアの昼下がりだった。
第414章 「傭兵士官学校の思ひ出」
- 296 :(・ω・):07/10/24 14:55:28 ID:JVWVf1v4
- わかったガル
- 297 :(・ω・):07/12/08 18:23:31 ID:juHIWa2B
- わかったヒュム
- 298 :(・ω・):07/12/31 17:54:57 ID:5U96Z4Qe
- あけましてお(・∀・)め(・∀・)で(・∀・)と(・∀・)う!ございます。
- 299 :(・ω・):08/01/07 10:00:50 ID:wrWT9AD5
- ↑まだ明けてねぇじゃねえかw
あけ******
- 300 :(・ω・):08/04/14 00:35:17 ID:4l21SCl/
- age
- 301 :第414章「傭兵士官学校の思ひ出」1/2:08/09/03 06:18:15 ID:XUI1hZCU
- 傭兵としてアトルガンに渡って、十年がたつ。
無我夢中で戦った十年間。あちらではごろつきにすぎなかった彼も、今やさる傭兵会社の中隊長にまでなっていた。
東方での戦争はいつ果てるともなく続く。傭兵としては有難いが、もう十年戦った。
死ぬまで続けるものだと思っていたこの仕事も、そろそろ潮時だと考えていた。
辞めてもしばらく食えるだけの蓄えはある。年金がもらえるかもしれない、なにしろ士官だ。
昔は、食うため、冒険心、これらだけで傭兵稼業に支障はなかった。しかし、最近はそうもいかない。
このごろ、戦う理由を考えてしまう。
冒険心などはとうに失せている。食うため、とシンプルに割り切る事もできない。辞めても食えるのだ。
そして辞める理由もない。これが最も厄介。
- 302 :第414章「傭兵士官学校の思ひ出」2/2:08/09/03 06:19:45 ID:XUI1hZCU
- 「大尉」
副官がやってきて敬礼する。副官はアトルガン皇国出身だ。
今も傭兵はあちらの大陸からやってくるが、最近はなり手もそればかりではない。
生まれが物を言う正規軍より、腕一本でのし上がれると傭兵になる者もいる。
正規軍にある、身分や出身地域による差別を嫌って、こちらを選ぶ者もいる。
この副官がどうかは知らなかった。聞いた事もない。
「何か」
「北の中隊は来ません」
「なぜ」
「撃破されました」
副官は平然と言った。
しかし、それは、
「今すぐ逃げなければならないという事か」
独り言のような隊長の言葉には答えず、副官は情報だけを言う。
「有力な敵が、既に北から渡河しています」
「兵を起こせ、10分で出発」
「了解しました」
思い立って、踵を返した副官を呼び止める。
「撃破された中隊は、どうなった」
彼女は不思議そうな顔をした。
「隊長含め、大分死んだようです。散りましたので、どれだけ残ったかも不明です」
「そうか…」
「では」
副官の去ったあと、ため息と一緒に吐き出した。
「あいつも死んだか…」
彼はたとえようのない寂しさを感じている。
今死んだと伝えられた男は、傭兵士官学校の同期生で、最後の生き残りだった。
特別仲が良かった訳ではない。
士官学校時代に、酒を一緒に飲むくらいはしたと思うが、思い出せない。
「どんな奴だったか…」
しかし彼の感じる寂しさは本物だ。
古いものは、なくさなければ得難さが分からない。それがまた寂しい。
第415章「技」
- 303 :(・ω・):08/09/03 07:52:05 ID:YaYIir+Z
- 素晴らしい
11ヶ月ぶりに続きとはwww
191 KB
[ 2ちゃんねるが使っている 完全帯域保証 レンタルサーバー ]
新着レスの表示
掲示板に戻る
全部
前100
次100
最新50