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今はいないフレンドへの手紙3通目

1 :& ◆bLDZf./c4g :06/02/18 21:09:05 ID:lka+M/15
ここは前の人が出したお題でプチ小説を書いて次のお題を出すスレです

前の人が出したお題にあわせてプチ小説を書いてください
・小説の最後に次のお題になるタイトルを書くこと
・書き込み前のリロード忘れるべからず!( `д´)
・リロードしてみて先こされてしまった人は、「第〜章 外伝」とタイトルつけて
 次のお題をださずに書き込むこと
・書き込み一つにまとまらない話は、メモ帳などに一度全文まとめてから
「第〜章 ○話」とつけて間をおかずに書き込むこと

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今はいないフレンドへの手紙
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今はいないフレンドへの手紙
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200 :第386章「夢とは」外伝:06/10/17 16:48:55 ID:M+SaMPw5
ふと、彼は振り返った。
そこには何もない。ただ、今まで走ってきた足跡がくっきりと残っていた。
とりわけ目立たないが、実際は数々の冒険で力を蓄えた体を持つヒュームの青年。青色の兜をかぶっているのでよくわからないが、黒い短髪をしている。
背丈は男性の標準程度といったところだろう。灰色の、縦に模様のついた特殊な鎧を着ており、同じ色の手甲をして、薄い茶色のズボンと、それに合わない赤色の靴を履いていた。
基本的に冒険者というのは見た目より性能を優先させるため、彼のようなちぐはぐな姿でも特に誰も何もいってはこない。
むしろそれが普通のため、ハッキリ言ってしまえばファッションは最悪だった。
「おい、何ぼーっとしてるんだ。いくぞ」
前から声がかかる。同じ目的を持つパーティメンバーのエルヴァーンの言葉だった。冒険者としての忍者を生業としているせいか、真っ黒な服装をしている。 正直いって、背丈の高さのせいであまり似合わない。
「あ、ああ・・・」
返事を返し、彼は再び歩みを戻した。生返事に聞こえたのだろう。パーティのリーダーであるエルヴァーンの男はいぶかしげに眉をひそめたが、こちらが歩き出したのを確認すると、再び前を向き直った。
極寒の、ウルガラン山脈の土地。 吐く息も白く、この世界には常に雪が降っていた。どこまでもどこまでも続く白い平原。ぶつかる大きな山々が、道を険しくしていた。山脈なのだから、当然といえば当然なのだが。
鎧のせいで足が雪に半ばまで埋もれる。魔法の暖がなければ、鎧の冷たさに耐えられないだろう。それでも、彼は前を歩いていった。
足跡が、雪の中を点々と生まれていく。そして、生まれていく最中から雪に埋もれ消えていく。
生まれ、消えていく、まるで・・・・
「おい、お前、ほんとにどうした? これからハードな戦いになるんだぞ。しっかりしろ」
再びリーダーに叱咤され、彼はすまない、と一言謝罪を述べ、後ろを振り向かないようにして前へと歩いていった。

201 :第386章「夢とは」外伝:06/10/17 16:50:32 ID:M+SaMPw5

極め尽くしたと思った戦士の道。だが、実際はそうではなかった。いくら体を鍛えても、いくら技を手に入れても、その先は長くながく、先の見えないトンネルのように続いている。
それが不安でもあり、楽しくもあった。そうだ、冒険者とは元来先の見えぬ道を行くものを指すことだ。先の見えてるトンネルを通るだけでは、それは冒険とはいえない。
冒険者はそれを楽しむもの達の総称なのだ。
だが・・・・
「よし、ここらでいいだろう。これよりここらの敵をすべて一掃する。すべて、我らの糧だ」
リーダーはそう宣言すると、山道をでてすぐに見えたデーモン族に刀を抜いて踊りかかった。
デーモン族。恐怖と畏怖の名で呼ばれるこのモンスターは、全身を黒く塗った、まさしく悪魔の姿そのものだろう。角を持ち、体そのものが鎧のような姿で、見た目に違わず硬く、武器を持って、魔法を使い、我らアルタナの民を襲う。
・・・が、自分達のような道を極めし冒険者にとっては絶好の修行台だった。よほど下手なことをしなければ、負けることはない。完全な勝ち戦だ。
そして敵を倒し続け、更なる極みに上ろうとする者たち、彼らはそれをメリポパーティと呼び、獣人達を何10匹、何100匹も倒し続けた。
いつか手にする、その新たな力の芽生えを求めて。

202 :第386章「夢とは」外伝:06/10/17 16:51:15 ID:M+SaMPw5
ヒュームの男もその一人だった。リーダーが切りかかるのを見ると、すぐさま自分も片手で扱う斧を腰からはずし、力任せに振り落とした。硬いはずのその皮膚を易々と貫き、デーモンは小さな悲鳴をあげた。
人間では致命傷であろう傷も、奴らプロマシアの民にしてはさほど大したことではない。だが、数をこなせば確実に命を奪うことができる。
彼は、ぐっと力を体にため、一気に踊りかかった。ウェポンスキル。
「おら、おらぁ! いっちょあがり!ランペェジ!」
およそ技とはいえないような強引な斧の振り回し。だが、強引でもその動きは眼に見えないほど。一瞬にして5回の斬撃を受けたデーモンはたまらず倒れ、雪に埋もれた。じわり、と雪が血で汚れる。
純白だった雪の道に、紫色の血がにじみこむ。 じわり、じわりと。
「次いくぞ。油断するな」
リーダーの声に、自分以外のメンバーがうなずいた。
油断? はっ、そんなものこの戦士を極めた自分にあるわけがない。
永遠とただ、狩る。狩る。狩る。
無駄な言葉もない。ただ、すべてが狩猟のための動き。
(油断はない・・・俺に油断はない・・・けど・・・)
このトンネルは、明るすぎる

203 :第386章「夢とは」外伝:06/10/17 16:51:42 ID:M+SaMPw5
「たぁあああああああすけてぇぇぇぇえええええ!」
唐突に、その声は響き渡った。まだ、子供のような悲鳴。思わず、一瞬動きが止まる。
その隙に、デーモンがこちらに長剣で切りかかってきたが、寸でのところで武器で受け止めた。
ざくり、と、背後から刀で切られ、デーモンは崩れ落ちた。リーダーの一撃だった。
「気にするな。人助けに来てるわけじゃない。ここには他にもパーティはいる。そいつらが助けてくれるだろう。自分のことだけ考えろ」
そう、これだ。メリポパーティのほとんどはこの信念なのだ。
一瞬の沈黙。空から落ちてくる雪の音が耳に痛い。
自分の目指した冒険者というのはこういうものなのだろうか?
埋もれては消えていく足跡。まるで、今まで積み上げてきた戦士の力のように。後ろを振り向けば何もない。ただのまっさらな道。
じわりじわりと黒い点が広がっていく。点から、面へ。白い雪を汚すかのように。
自分はそうやって生きてきた。そして、そのうちにそれを気にすることもなくなった。それが当たり前であるように思ってた。
・・・そして
これもまた、当たり前のことなんだ。
「ああ・・・そうだな・・・」
決断をくだし、彼は小さくつぶやいた。
雪の白さが眼に痛い・・・
それから眼をそらすようにして横に顔を向けると・・・・

204 :第386章「夢とは」外伝:06/10/17 16:52:28 ID:M+SaMPw5
「たあああああああすけてえええええええええええ!」
そのシャウトは今度は間近で聞こえた。小さな子供がこちらに向かって走ってきていた。
いや、タルタル族だ。茶色のぼさぼさな頭をしていて、背丈はとても小さく、小柄だ。タルタル族なのだから当たり前なのだが。
紫色の胴着を着ていて、黒いズボンを履いている。この極寒の地でその格好はいささか寒そうだが、彼は特に気にしてもいないようだった。
いや、それでは語弊がある。気にする余裕がないのだ。
彼の後ろから巨大な青い山が追いかけてきていた。
違う、山ではない、山のように巨大なドラゴンだ。
「ヨムンガンド!?やば!逃げろ!」
リーダーの決断は早かった。ハイレベルノートリアスモンスターと見ると、すぐさま撤退に応じる。他のメンバーもそれに従った。
しかし、考えごとをしていた自分は突然な出来事に頭が回らなかった。
タルタルに追いつかれる。
「兄ちゃん逃げて!しんじゃうよ!」
タルタルの言葉に我に返る。気がつけば、ヨムンガンドはもう目の前までやってきていた。
「や、やば・・・」
あわてて逃げようと背中を向けた瞬間、ゾクリと背中があわ立った。戦士のカンが告げている。避けろと。
勘に従って横へ飛ぶ。そのとたん、自分のもといた場所がヨムンガンドに食われた。もし同じ場所にいたら、丸呑みされていたことだろう。安堵したのもつかの間、よけるのに夢中で着地を考えていなかった。
重い雪に埋もれて、もがく。重い鎧のせいで深くもぐりこんでしまった。口の中で叱咤しつつ、彼は起き上がる。
しかし、これだけの隙は、ヨムンガンドに次撃の間を与えるのに事欠かなかった。
起き上がった途端、口が見えた。真っ赤な口蓋。自分なんて楽に丸呑みできるほどの、大きな口。それがすぐ目の前にある。
(・・・終わり・・・か・・・)
不思議なことに、何故かとても穏やかだった。なんとなくこうなる気がしていたのかもしれない。
今まで助けを求めてきていた者を見捨ててきた自分にはいい結末かもしれない。

205 :第386章「夢とは」外伝:06/10/17 16:53:24 ID:M+SaMPw5
が、
「させるかぁ!ターーーーーックルゥ!」
ガヅン!と重い音が響いた。先ほどのタルタルが体ごとヨムンガンドの長い首にぶつかっていた。
体が小さいから威力もさほどなさそうだったのに、ヨムンガンドは体のバランスを崩すほどぐらついた。攻撃が、止まる。スタン。
「今のうちだよ! いこ!」
こちらの手をとって走りだした。思わず引っ張られるが、歩幅の小さいタルタルだ。一生懸命足を動かしているが、やや遅い。
「・・・お前、タルタルのモンクなのか」
場違いな質問だとは分かっていたが、彼は問いかけていた。その質問に、タルタルが息を切らせながら答える。
「そうだよ!でも、今は逃げよう!巻き込んで悪いとは思うけど、そんなこと言ってる場合じゃないから!」
「お前は・・・なんでモンクをやってるんだ・・・?」
タルタルの少年の返答に被る形で、彼は再び問いを投げかけた。引っ張られるカッコウなので表情は見えないが、彼はきっと渋面を表しているだろう。こんな、死ぬかもしれない瀬戸際で悠長に質問しているのだから。
再び、ヨムンガンドが噛み付いてきた。しかし、それは先ほど投げた紙兵が身代わりとなる。習い覚えた忍者の技で、紙兵という紙を使い、自分の幻影を作り上げる術だ。
「・・・楽しいからだよ、オレにはモンクが楽しいから。ずっと、ずっと憧れていた夢だから。モンクの冒険者になるってのが」
それだけ、と、いって彼はこちらに顔を向けた。
その表情は笑っていた。
本当に楽しそうに、こんな窮地に立たされていても、彼は自分自身を楽しんでいる。この一瞬を、全ての時を楽しんでいる。
こんなに小さな体なのに大きな背中を持っているのだ。このタルタルのモンクは。
それを理解したとき、何かが切れる音がした気がした。何かが割れるような音がした気がした。
「・・・そう・・・だな・・・」

206 :第386章「夢とは」外伝:06/10/17 16:53:49 ID:M+SaMPw5
つぶやいた。自分は、本当は冒険者を始めたときモンクだったのだ。この世界の全ての敵を、この拳で屈服させてやる。そんな意気込みをもって出てきたのだ。故郷を捨てて。
だが、実際はどうだろう。自分は戦士になっていた。モンクは、何かと他の前衛の仲間と連携を取りづらい。そのため、パーティとは敬遠される傾向がある。
一時期はそれもまたモンクの側面だと耐えていたが、溜まりにたまった不満は結局爆発するしかなかった。
そして、戦士となった。戦士ならば、あらゆるパーティに対応できるから。そして、パーティをとても組みやすいから。
ただ、そのためだけに自分の夢を捨てたのだ。
(意味がないよな、何のために冒険者になったんだか)
自分を叱咤して、彼は気を入れなおした。欠けていたパズルのピースがはまった気がした。
「もう遅いかもしれないけど・・・もう一度夢を見にいこうかね!おら!置き土産だ!受け取りな!」
叫びながら、彼は斧を投げた。丁度攻撃に転じようとしていたヨムンガンドの頭にカウンター気味に直撃する。
「うわ!ちょっと兄ちゃん!今のはトマホークじゃなくてジャガーノートっていう高級装備じゃ!?」
「いいんだよ、今の俺にはいらないものだ」
息を吸い、続ける。
「ヨムンガンド!そいつは預けたぞ!まってやがれ!必ず奪い返しにいくからな!」
その叫びを上げたとき、何かが晴れ渡った。雪がやんでいた。雲の隙間から、太陽光が顔を出していた。
普通はトマホークという専用の斧を投げる技だったのだが、強力な武器を投げたせいか、ヨムンガンドに大きなダメージを与えられたようだ。ふらりと体をふら付かせて悲鳴を上げている。
その声だけで、体がすくみそうな思いだったが、内心わくわくしていた。これから、あれを奪い返しにいけるのだと思うと笑いがこみ上げてくる。
「あばよ! また会おうな!ヨムンガンド!」
「うわ、ちょ、自分で走れるからやめろー!」
じたばたと暴れるタルタルを小脇に抱えて――足が遅いので抱えて走ったほうが速い――彼は走り出した。
彼の走った雪道にはくっきりと、足跡がついていた。それは、天気がはれた今は雪に埋まる様子もなかった。

207 :第386章「夢とは」外伝:06/10/17 16:54:25 ID:M+SaMPw5



「さて・・・と、用意はいいか?」
黒髪のヒュームの男性が言葉を投げかけた。紫色の胴着を着ており、腰にはナックルを下げていた。
「いつでもおっけーだよ」
言葉を受け、タルタルの少年が答えた。こちらもヒュームの青年と同じ格好をしている。
「やーっと、ここまでたどり着いたな。師匠」
「師匠はやめてよ。でも、ここがおわりじゃないよ。まだまだこの先もあるよ、愛弟子よ」
「愛弟子はやめろって・・・そうだな。俺らの冒険は終わらないよな」
師匠、と呼ばれたタルタルの少年は笑みを浮かべた。それが答えだ。
弟子、と呼ばれたヒュームの青年も笑みを浮かべた。本当に、楽しそうに笑う。
「お前ら、盛り上がるのはいいけど、そろそろ行くぞ。用意はいいか?」
メンバーのガルカが言う。口調こそ厳しいが、彼も笑っていた。
これから命をかけて挑む戦いに。先の見えないトンネルへ冒険に行くことに。
二人はうなづくと、ナックルを外した。ヒュームとタルタルの二人が互いの拳をあわせた。
ガツン、と甲高い音がする。
「俺の拳の前にひざまずいてもらうぜ」
「いいや、オレのほうだよ、オレのほうが手数は多いもんね」
二人して、にへっと笑うと、視線を振り上げた。青い山が、ドラゴンがこちらに向かって走ってきていた。
何故かそのドラゴンの頭には、斧が刺さっていた。古い傷のようで、ドラゴンの一部のようになってしまっている。
「いくぜ、ヨムンガンド! あの日の夢を返しにもらいにきたぜ!」
ヒュームの青年は叫び声を上げると、拳を振り上げて踊りかかった。

208 :(・ω・):06/10/17 16:55:39 ID:M+SaMPw5
長い、とか、改行なくて読みにくい、とかは勘弁してくださいorz

それ以前に引き寄せがあるじゃん、っていうツッコミはなしの方向で・・

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